確定給付企業年金基金の運用を長期投資の参考にする

投資戦略

社会人3年目のなまずんです。
私の勤務先は確定給付企業年金である某企業年金基金に加入しています。

先日,基金の決算概要を読み,資産状況と運用方法を確認しました。

加入者の将来の年金を預かり,退職者に継続的に年金を支払う責を負う基金の運用はどのようなものでしょうか。私のiDeCo(個人型確定拠出年金)など,長期投資の参考にできる点があるか,考えてみました!

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企業年金基金とは

多くの企業年金基金は旧厚生年金基金制度を母体とします。旧制度では厚生年金の一部を国に代わって厚生年金基金が運用する仕組みでしたが,バブル崩壊後の経済環境で財務体質が悪化し,国に代行して運用していた部分の元本割れを起こす厚生年金基金もありました。

2014年に施行された厚生年金基金制度の改革法を受け,多くの厚生年金基金は解散しています。私の勤務先が加入する企業年金基金も厚生年金基金から移行する形で設立された確定給付企業年金基金です。

移行に際しては終身年金の有期化などの給付減額,予定運用利回りの引き下げ(2.5%)などを行い財務体質の健全化を行ったそうです。
現在は厚生年金基金から引き継いだ責任準備金に対する積立金比率が100%以上と,財務的には問題なく運営されています。

確定給付年金とは

確定給付年金とは,年金原資の運用利回りによらず給付額が確定された年金です。年金原資は給付まで運用委託機関によって運用されますが,その運用結果が良かろうと悪かろうと,給付額は同じです。
確定給付年金のメリットは運用結果にかかわらず給付額が確定していることであり,その点は老後資金として心強い点でもあります。

なお,確定給付企業年金で運用が予想より低い利回りに終わった場合,企業は不足分を穴埋めして給付しなければなりません。

対になるのが確定拠出年金で,こちらは拠出された年金原資を運用し,その結果が年金額となります。
確定拠出年金のメリットは,企業にとっては運用利回りが低くても穴埋めの拠出が不要であり,運用結果次第ではありますが,加入者にとってはインフレ時に強いことが挙げられます。

その運用は?

確定給付年金は基金ごとに運用が異なりますので,今回はその一例です!

予定運用利回り=2.5%

2.5%の予定利率での運用をめざしています。
2017年4月~2018年3月は2.73%と,少々上振れした運用結果となりました。

年金資産額の内訳

伝統的資産(株式,債券),オルタナティブ,一般勘定におよそ3等分しての運用を行っています。
円グラフにすると以下の通り。

それぞれの資産の詳細はこの通り。

  • 国内株式
    ⇒80%はパッシブ運用,20%はアクティブ運用
  • 外国債券(ヘッジ付)
    ⇒70%以上はパッシブ運用
  • 外国株式
    ⇒ほぼ全てパッシブ運用
  • オルタナティブ
    ⇒内容の詳細は不明。ヘッジファンド,損害保険,マルチアセットタイプとのこと
  • 一般勘定
    ⇒運用は実質的に債券か

オルタナティブは伝統的資産とは値動きの相関が低いことを売りにする商品です。詳細が記載されていないため,これ以上の情報がありません。

一般勘定とは確定給付年金基金向けに保険会社が提供する保険商品です。運用に関するリスクを保険会社が負います。
退職給付の専門家によるブログによると,一般的には1.25%の運用利回りだそうです。

運用方法の考察

予定運用利回り

運用利回りは2.5%と比較的低水準に抑えられています。
これについては,保守的であると某企業年金基金ウェブサイトでも説明されており,高い運用成績を追求するのではなく,健全な財政制度を優先する姿勢が伺えます。

年金制度は長期に持続可能なものであることが何より重要ですから,この点には納得です。

昨年度は実際の利回りはが予定利回りの2.5%に近い数字となりました。利回りは高いに越したことはありませんが,確定給付年金基金として考えると,上振れも含めて予定利回りから大きく乖離する事態がなるべく起こらないことを優先的に運用すべきですね。

年金資産額の内訳

伝統的資産,オルタナティブ,一般勘定で3等分になる配分でした。

一般勘定は利回り1.25%が想定されるやや低利回りですが,全体のボラティリティを抑える上で重要な働きを持つ商品です。私は今回初めて「一般勘定」なる商品を知りました。実際の運用の中身はわかりませんが,おそらく債券ではないかと考えます。いずれにしろ,価格変動リスクは保険会社が負います。

一般勘定は利回りの変動がない商品ですので,実質的にリスク資産としてはオルタナティブと伝統的資産で半々になります。オルタナティブは伝統的資産との相関の低さから導入されていると考えていますが,記載の情報が乏しいため,具体的にはどんな商品がどの程度組み込まれているかわかりません。
長期投資でありながら,短期的な暴落を避けなければならないという難しい舵取りの中で選ばれているのだと考えています。仕組みが複雑な商品が多く,これから勉強したいと思います。

伝統的資産は8~9割がパッシブ運用(インデックス運用)されていることがわかりました。インデックス投資のメリットが確定給付年金にも生かされていることには感銘を受けます。

伝統的資産はの多くはインデックス投資へ

当然といえば当然のことではありますが,確定給付年金基金による運用は広く分散されています。基本ながらリスクを取りすぎてはいけない個人投資家にとって忘れてはならない視点です。

得られた情報の限りではありますが,運用のほうではリスクをある程度抑えた投資により堅実なリターンを得る目標通りのポートフォリオだと感じました。

また,多くの伝統的資産はインデックス投資されていることに気づけたのも収穫でした。
確定給付年金は給付額が確定しているため,確定拠出年金に比べてその内訳を気にする機会が少ないこともありますが,自分のポートフォリオ構築に向けた参考にできればと思います。

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