エントリーシートの書き方へのアドバイス――「できること」は書かないほうがよい?

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人生における資産管理という観点で欠かせない「仕事」の話も書いていきたいと思います。

2019年度の新卒採用が始まりましたね。私は2016年度の入社でしたので,夏真っ盛りの8月から面接開始でした。なかなかひどい思い出でした。
今後しばらくは6月面接開始のシステムが続くのでしょうか。いずれにせよ,多くの方がまずは希望の会社に入ってほしいものです。

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就活の最初の関門はエントリーシート

就活の期間は社会にはいろんなビジネスがあると知る楽しい1年間ではありましたが,一度失敗したらおしまいというプレッシャーがとても嫌でした。
私は医療系の免許を持っていたからそこまで深刻には考えていなかったけれど,それでも少し切迫感を感じていました。普通の学生の中には,就活で人生が決まってしまうと思い込んでいる人は多い。

最初に強く言っておきたいことは,新卒採用を失敗しても人生は全く失敗ではありません人生の価値は新卒採用ではなく,自分がどのような生き方をするかです。そもそも失敗と言っても,「希望の会社に入れなかった」場合だけでなく,「希望の会社に入ったが,想像と全然違った」という場合もありますからね。

企業によって風土や教育体制は全然違います。自分に合った雰囲気で,制度の充実した会社に就職すれば,自分の成長のステップを早めることができますね。できれば納得の就職をしたいところです。合わない会社に入ってしまって,就活再スタートすることは正しい戦略だと思いますが,できれば一発で良いスタートを切りたいところです。

そのためにまず必要なのが,募集に応募すること。具体的には応募書類の準備です。

私は出版社勤務という仕事柄,後輩からエントリーシート(ES)の添削を頼まれることが多いです。その中でよくアドバイスをするものがあるので,もし就活生が参考にしてくれればうれしいです。

自己PRは「できること」ではなく「していること」を書く

私が一番アドバイスをする中で,一番多いのがコレ。具体例を示しましょう。

<よくあるES>
・一度決めたことを最後までやり抜くことができます。大学〇年のとき~~~
・私にはコミュニケーション能力があります。なぜなら~~~
・私は計画性があります。〇〇のとき~~~
皆さんのESもこんな感じではありませんか。もちろんこれが悪いというわけではありません。個人的にはこのようにしたい。

<改善後のES>
・一度決めたことを最後までやり抜きます。大学〇年のとき~~~
・私はコミュニケーションを最も大切にしています。なぜなら~~~
・私は物事を計画的に考えます。〇〇のとき~~~
違いがわかりますか?
<よくあるES>では,「できること=能力」をPRしています。
対して<改善後のES>は「していること=行動原理」を書きました。行動原理は,「考え方」と言いかえてもいいかもしれませんね。

行動原理を書いたほうがよい理由

なぜ能力より行動原理を書くのがおすすめなのか。
それには3つ理由があります。
1)新卒採用では「行動原理」がアピールになるから
2)ESがすらすら書けるから
3)面接時に矛盾が生じにくいから
では,この3つを解説していきます。

新卒採用では「行動原理」がアピールになる

まずは採用する側,企業の立場で考えてみましょう。新卒採用ではどういった人材を求めているでしょうか?

ほとんどの場合は即戦力ではなく,入社後に教育し,企業風土に合った人材になり得る人を採用したいはずです。

それを踏まえると,応募者には何を求めるでしょうか。
能力は不問とまでは言いませんが,その後の成長を期待させる考え方を持っている人は十分魅力的ですよね。採用側も能力は入社後に伸ばしてくれればよいと考えているはずです。

ちなみに,私は就活時代はほとんど「行動原理」をアピールポイントとしてESを作りました。他人を超える,面接官も驚くような経験をそんなに二十数年の人生でしていたとは思えなかったからです。結果的に,第一志望に内定をいただくことができました。

柔軟で,これからの成長を感じさせる「行動原理」をアピールする方法は,新卒だからこそ使える選択肢です。応募書類を書くときには,ぜひ検討いただければと思います。

ESがすらすら書ける

ESを量産しなければいけない方には,ぜひ一度試してほしいですね。
「〇〇ができます」を出発点に書くより,「〇〇という考えを持っています」のほうが書きやすいんです。その理由を少し深追いしてみましょう。

・「〇〇ができます」の場合
「〇〇ができます!」と言うには周りの人と結果を比較をする必要があります。
したがって,「私は他の人よりできるものがある。会社でもその力は通用する」という論理構成になります。構造は結果から能力を導くという帰納的なものです。

でも,限られた文字数でそこまで示すのは意外に難しい上に,そもそも平均的な新卒生が,会社で通用する力を持っているというのも言い過ぎではありませんか。
取り扱うエピソードを考えて主張を決めていればよいのですが,主張を考えてそれに合ったエピソードを書いているのでは? と疑ってしまうようなESをよく見ます。

そのため,中途半端になったり無理やりな論理構成になったりして,エピソードと主張に飛躍があったり,ちぐはぐなESになってしまうことも。

・「〇〇という考えを持っています」の場合
この書き方の特徴は,「自分の行動は内的動機に裏付けられている。今後会社に入ってもそのように行動していく」という論理構成になります。ESの構造は動機が行動を導くというという演繹的なものです。

「できる!」と言ったときと比べて他者との比較がなく,基本的には自分の中で完結します。
取り扱うエピソードも論理の飛躍が少なく,無理なくすっきりとまとまったESを作ることができます。

ES執筆時にこれほど大きな違いが生まれてくるのです。メリットはこれにとどまらず,面接時にも発揮されます。

面接時に矛盾が生じにくい

書類が通っても,面接でボロが出てしまうことも多いですよね。「行動原理」でESを書くことは面接対策にも良いです。面接はESをもとに進むため,しっかりしたESを書きやすい,考え方ベースの書き方をすることで面接官からも的を射た質問が返ってきやすいというメリットがあります。

メリットはそれだけにとどまりません。さらに大きなメリットとしては「論破されない」ことです。圧迫面接にも強い。
普通は面接で「〇〇できる」と受験者が言った場合,面接官は本当にいつでもその力を発揮できるのか? という観点で質問をしてきます。答えは必ず,「〇〇ができた」というエピソードを交えて話せなければなりません。これが結構難しい。

短い人生の中で,人よりできたことをそんなに多く話せますか? 話しているうちに矛盾が生じて,他の人と比べて特別できるわけではない(=大した強みでない)と思われたり, できていないじゃんと思われたりしてしまうと,面接は一気に不利になってしまいます。

一方で,「〇〇という考えを持っています」の場合,必ずしも成功したエピソードを答える必要がないのです。 その考えのもと取り組んで失敗してしまっても,次につながる何かをその経験から得られたのであれば,面接では十分アピールすることができます。

受験者の内なる思いである「〇〇という考えを持っている」ことを面接官が否定することは無理です。能力を否定することはできますが,行動原理を面接官を否定することはできないのです。真に実力をつけるべきなのは,入社してからです。実力をつけるための思いを持っていることを矛盾なくアピールすることも考えてみてください。

では,「できること」を書くべき場合は?

とはいえ,「できること」を全く書かなくてよいわけではありません。設問が「できること」を求めているときには,積極的に書きましょう。
・~~を通じてできるようになったこと
・~~時代に成し遂げたこと
などは,当然ながら何かを達成して学びを得たエピソードを書くようにしなければなりません。

また,「行動原理」を書くよりも「できること」を書いたほうが,面接かに与えるインパクトという点ではずっと大きいです。自分にとって本当に大きな転機となり,面接官にどんなに突っ込まれても語れるエピソードならば,「できること」を書いても良いかもしれません。

書きやすさと話しやすさの一般的な観点から,個人的におすすめの方法は「行動原理」を書く方法です。基本的には行動原理を面接官に訴え,ここぞという設問には「できること」を書いて,面接の場でも大いに語っていただければ,内定は近づくものと思います。
以上,あくまでも私見ですが参考になれば幸いです。

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