薬剤師が持っている市販薬“ポートフォリオ”

雑記

ペーパー薬剤師なまずんです。現場で働いたことはありません。免許は持っています。

ペーパードライバーが自動車を運転するようなものですから,専門治療など高度な薬物療法に関しては私見を控えています。でも市販薬(一般用医薬品)で何を選ぶかは知人に助言することもありますので,読み物程度に「薬の特徴」について,投資商品とからめながら少しだけ書きたいと思います。

「一般用医薬品の選び方」と「投資先の選び方」の構造には実は共通点があるのではないか? と思っています。

※本記事は特定の商品購入を勧めるものではありません。内容もあくまで読み物程度です。体調不良の際は診療所で医師にかかるか,薬局・ドラッグストアに行って薬剤師に相談しましょう。お大事に。

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私が持っている医薬品ポートフォリオ

いきなりですが,私が現在持っている一般用医薬品フォリオはこちらです。

ロキソプロフェン(ロキソプロフェンナトリウム水和物68.1mg,「ロキソニン錠」と同成分・解熱鎮痛薬)
タイレノール(アセトアミノフェン300mg・解熱鎮痛薬)
ペラックT(1日量6錠中,トラネキサム酸750mgなど・抗炎症薬)
アネトンせき止めZ(1日量12錠中,コデインリン酸塩水和物50mgなど・鎮咳薬)
うがい薬(ポビドンヨード含有,「イソジン」と同成分)

ときに「アレジオン」「アレグラ」「ガスター」「セルベール」などが加わることもあります。

どうでしょう。皆さんお持ちの一般用医薬品とは少し違うかもしれません。総合感冒薬(パブロン,ベンザ,コンタックなど)を持っている人が多いのではないでしょうか。

黄色で示した薬は有効成分が一つの単剤緑色で示した薬は有効成分を2種類以上含み,一つの症状に対処できる合剤橙色の総合感冒薬は複数の成分を含み,多くの症状に対処できる合剤です。

この「単剤」「合剤」の特徴と投資スタイルには共通点があります。

一般用医薬品を投資スタイルに例えると

単剤(「ロキソニン」「タイレノール」など)

いわば「個別株投資」。

メリットとして,個別株は値上がりするものを的確に選べば分散投資よりも高いパフォーマンスを上げやすいです。一方でデメリットは銘柄選びを失敗すると大きな損失となります。

単剤の薬は医療用医薬品と同成分・同用量のものが多いく,症状に合った成分を選べば,余計な成分を含まないため副作用は少なく,求める効果を上げやすい。ただし選び方を失敗すると症状は全く収まらず,副作用だけを得ることになります。また,カバーできない症状には役立ちません。

単剤なので,同じ薬効分類でも特徴が成分によって大きく違うのも難しいところ。私は頭痛持ちなので解熱鎮痛薬にはよくお世話になりますが,痛みの程度や飲むタイミングによって2つを使い分けています。

・ロキソプロフェン=解熱・鎮痛作用が強い。安全性は高い(が,アセトアミノフェンのほうが安全)
・アセトアミノフェン=解熱作用は弱い。鎮痛作用は中程度。安全性は高い(副作用が少ない。空腹時服用でも胃腸障害が起こりにくい,小児・妊婦でも服用可能)

他の製品群と比較して高度な判断が求められる製品群です。

一つの症状に対処する合剤(ペラックTなど)

例えれば,「S&P500連動の投資信託の購入」。

この投資方法のメリットとして選ぶ指数が正しければ比較的高いパフォーマンスを発揮します。一方でデメリットは個別株をうまく選んだときよりパフォーマンスは低いこと。値下がり株も買うことになりますからね。

一つの症状に対処する合剤は症状さえ間違えなければ求める効果を上げやすいです。作用機序の違う複数の成分で症状を抑えることができます。一方で複数の成分の副作用を受けることになるのはデメリットであり,カバーしていない症状には対処不能です。

このタイプの薬が薬局・ドラッグストアには一番多いですね。

複数の成分を含み,複数の症状に対処できる合剤(総合感冒薬)

これは,「インデックス全世界株式投資信託の購入」みたいな感じ。

幅広く分散された投資信託のメリットとして幅広い地域の経済成長を取りこぼさないこと。デメリットは全然成長していない企業・市場もたくさん取り込んでしまうこと。

薬についても同様で,たくさんの成分のうちどれかが当たればよいので取りこぼしが少なく,多くの症状に対処できます。その反面,本来必要ない成分の副作用の影響を受けてしまいます

例えば解熱成分=アセトアミノフェン,抗炎症成分=クロルフェニラミンマレイン酸塩を含む総合感冒薬を発熱時に服用すると,アセトアミノフェンが効きます。
一方で不要なクロルフェニラミンマレイン酸塩の副作用の眠気も出てしまいます。

一般用医薬品をどう選ぶ?

いかがでしょうか。
投資スタイルと一般用医薬品のラインアップには共通点があるような気がしませんか?笑

素人がよく知らない個別株に手を出すと危険な転帰をたどりやすいのは投資家であればよくお分かりと思います。安全性の比較的高い一般用医薬品も致命的になることはほとんどないとはいえ,同じです。

広く分散されたインデックス連動型投資信託をとりあえず購入するように,総合感冒薬をとりあえず買うのもよいでしょう。副作用は出やすいものの,多くの場合症状を抑えることはできます。

一方で幸いなことに,一般用医薬品に関する薬剤師の助言はエコノミストの(当てにならない)株価予測とは比較にならないほど的確です(しかも無料)。
成分の多い総合感冒薬で起こりやすい副作用を回避して,成分の少ない製品で症状を狙い撃つことも比較的容易です。

一般用医薬品を店頭で購入する際は一度,専門家にどんな“銘柄選択”をすべきか相談してみてはいかがでしょうか。

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