長期投資のリスクの話をしたい(1)「原因か結果か」2種類のリスク

投資のリスク

なまずんです。

私の投資戦略の中核は長期のインデックス投資です。長期投資は相応のリターンを期待できますが,相応のリスクがあります。

私がリスクについて適切に認識したいと思ったのがこの記事(連載)の趣旨です。現時点での自分の考えをまとめるために,まずは4回の予定です。

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リスク管理は投資家が付き合い続ける課題

投資において,リスク管理はリターンの追求以上に重要な課題です。

インデックスファンドの積立投資の場合は年次を増すごとに資産規模がどんどん拡大します。すると,インデックスの変動率が小さい場合でも,実際の金額は大きく変動するでしょう。

また,歳を経るごとに定年が近づきますから,その後得られる見込みの労働収入総額は減っていきます。一定額の生活費の確保は譲れないため,損失に対する許容度は変わり得ます。

相場や人生から退場しないためにもリスク管理は欠かせません。投資家にとって,リスク管理は投資を終えるまで付き合い続ける課題と言えるでしょう。

甘かったリスク認識

考えるきっかけになったのは,ブログ「ファンドの海」のイーノさんの連載に出合ったことでした。
関連 緊急調査:株式投資に複利効果はあるのか?
関連 早くも帰ってきた! 連載:リスク資産の複利確率(1)~ 連載の目的と前提

執筆から10年を経ても読みつがれる連載です。モデルや数式を使って長期投資の複利効果の真実に迫る連載は読み応え満載です。読後,私はリスクについて自分の認識があまりに甘かったと気づきました。

これまでの私のリスクについての認識は以下の通りです。

  • 高いリターンを得るには高いリスクを取らなければならない(リスク=超過リターンの源泉……①)
  • リスクが大きいほど,リターンの振れ幅が大きくなる(リスク=平均からの乖離……②)
  • 生活を考え,資産価値の下落に対するリスクの許容度を認識する(リスク=下落幅の許容度……③)

いずれも間違ってはいないはずです。しかし,これだけで十分とは言えなかったようです。

「リスク」を2つに分けて考えたい

すでに述べたリスク認識にも出てきたように,長期投資でリスクと呼ばれるものは複数あると思います。私が注目しているのは2つです。一つは,②の「リスク=平均からの乖離」の考え方。もう一つは③の「リスク=下落幅の許容度」です(なお,①「超過リターンの源泉」は,リスク資産の金利は無リスク資産の金利より高いとするCAPM(資本資産価格モデル)の基になっています)。

前者の,平均からの乖離を指すリスクの特徴は,

  • リターンを(増やす)減らす要因
  • 平均期待リターンからのずれ
  • 投資家の状況によらず,同じポートフォリオなら誰にとっても同じ

このリスクは過去実績と将来予測をもとに近似的に計算可能です。リターンの確率分布など,未来に対する不確実性そのものを指す数学的なものです。「資産クラスごとのリスク」といった文脈で使われ,このリスクは将来のリターンの原因となります。

後者の,下落幅の許容度としてのリスクの特徴は,

  • リターンの結果に対するもの
  • 資産価格の下落が及ぼす生活への影響
  • 生活環境によって異なるため,同じポートフォリオでも人によって異なる

このリスクは運用方法ではなく運用結果に依存し,結果が生む経済的環境や感情を生み出します。具体的には自分の将来の生活がどう変わるかや,元本を超えるリターンを得られたかどうかなどです。「低リターンという結果に対するリスク管理」と言えそうです。

一般的にリスクと言えば後者でしょう。「投資のリスク許容度」と言う場合,多くはこちらのイメージで語られていると思います。

なお,その他に資産価格に影響を及ぼすファンダメンタルズ要因もリスクと言われます(地政学的リスクなど)。長期積立によるインデックス投資ではこのリスクは深追いしなくても良いと思いますので,今回は割愛します。

まとめ

一口にリスクと言っても,さまざまな意味があります。特に,注目した2つのリスクはオーバーラップする点も多いですが,それぞれ分けて管理したほうが良さそうです。

次回から,私の陥っていた勘違いや今後の考え方をまとめたいと思います。

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