投資信託協会「投資信託ガイド」等の感想・レビュー(2)

投資信託・ETF

投資信託協会ファンクラブ第1号のなまずんです。

一般社団法人投資信託協会が発行し、個人投資家に無料でプレゼントしている「投資信託ガイド」等7冊の感想・レビュー第2弾です。

2018年7月に新しい版が出ました。私が読んでいるのもこの最新版。
協会として,個別の商品ではなく投資の仕組みを解説しています。

冊子は投資信託協会のページから申し込むことができます。

◆今回は以下を精読しました。
「わかりやすい投資信託ガイド」


自らわかりやすいと名乗りハードルを上げているこの冊子,本当にわかりやすのでしょうか?

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結論:とてもわかりやすかった

この冊子は全45ページもの大部で,情報量が多かったです。
目次立てはこの通り。

Chapter 1 投資信託とは
Chapter 2 投資信託いろいろ
Chapter 3 申込み・換金
Chapter 4 いろいろな制度
参考

目次を見るだけでも総合的なガイドですね。

Chapter 1~2では投資信託の仕組みと種類だけでなく,購入方法とリターンが解説されていて,Chapter 3では分配金の仕組み,運用コストの種類,税制,Chapter 4では非課税口座の活用などまで記述されています。
内容は詳細ながら,仕組みについては図や例示を交えた明快な記述です。
プラスアルファの情報はコラムにまとめるなどの工夫がなされていることも好感でした。

全てをレビューすることは難しいので,私が特に気になった3点を紹介します。

いきなり「自己責任」を主張

批判ではなく感心として,私が少し驚きをもって受け止めたのは,Chapter 1の最初の見開きページで「自己責任」に言及していること。
しかも,文句のつけようのない秀逸な解説です。

元本保証のない金融商品金融商品に投資する場合,投資の運用収益は投資家自身にもたらされますが,その反面,損失も投資家自身に及ぶことになります。
(中略)「自分で決めた(選んだ)運用の結果は,自分で受け止める。」あるいは,「投資では損をするかもしれないから,何に投資するかは,後悔しないように自分で決める。」

最近,好調な運用成績を続けてきたあるひふみ投信が数日連続で下落した際に,保有者がSNS上で感情的な文句をつけたことが話題になりました。
そのような人たちには,「自分で決めた(選んだ)運用の結果は,自分で受け止める」意識があるのでしょうか。

私としても投資の基礎として考え直すきっかけになりました。

投資信託の基準価額が変動する主なリスクは4つある

非常によくまとまっているこの冊子から勉強になったことの一つに,投資信託の基準価額の変動要因があります。
主な4つは以下です。「⇒」は冊子の記述をもとに私が要約しました。

  • 価格変動リスク
    ⇒投資信託が組み入れている株式や債券の価格変動の可能性
  • 信用(デフォルト)リスク
    ⇒債券などを発行する国・企業が債務を変換できなくなる可能性
  • 為替変動リスク
    ⇒外貨建て資産の場合,円高でマイナス,円安でプラスの影響がある
  • 金利変動リスク
    ⇒一般に金利上昇で債券価格は下落,金利下落で債券価格が上昇する

当然といえば当然で,全て私としては知識として持っていたものですが,冊子を読むまであまりつなげて理解していませんでした。

思えば,基準価額の変動リスクには複数の資産クラスへの分散,時間分散,長期保有で対処するという「対処」ばかりを意識していたかもしれません
その根本にある基準価額の変動要因について振り返る良い機会となりました。
株式相場や為替相場の変動だけでリターンが決まるわけではないのです。

超初心者を脱してしまうと,このような基礎的なところは理解したつもりで飛ばしがちですが,あらためて振り返るきっかけとなりました。

投資信託にかかる費用

投資信託にかかる費用については表を使って一覧になっています。
投資家が直接負担するものと間接的に負担するものに分けて解説してあり,ここにも本当に力が入っています。

◆直接投資家が負担するもの

  • 購入時手数料
    ⇒購入時に販売会社に支払うもの。申込価額に一定の率を掛けたものです。ファンドによってかからないものもあると触れられています。
  • 所得税と地方税
    ⇒収益分配時(分配金受取時)と解約・償還時に利益が出た場合に納めます。それぞれ15%と5%で,復興特別所得税2.1%が加算されて合計20.315%を納める必要があります。
  • 信託財産留保額
    ⇒ファンドを購入・解約する際手数料と別に徴収される費用。信託財産に留保するもの。ファンドによってかからないものもあります。

協会の冊子にはこれ以上踏み込んで書けないと推測しますが,コストはリターンをその分押し下げるので,手数料はなるべくかからないものを選ぶべきです。

◆間接的に投資家が負担するもの

  • 運用管理費用(信託報酬)
    ⇒委託者(運用会社),受託者(信託銀行),販売会社に支払います。支払額は日割り計算です。
  • 監査報酬
    ⇒法律に基づく監査にかかる費用です。日割り計算です。
  • 売買委託手数料
    ⇒組み入れる株式の売買に発生する費用です。売買時に発生する費用で,頻度や金額によって異なります。

これらの費用は投資信託説明書(目論見書)や運用報告書で確認できます。信託報酬を低コスト化する競争は激化していますが,事前に把握することができない売買委託手数料までを含めて間接的なコストです。

困ったときのリファレンスに

投資信託協会が個人投資家にプレゼントしている7冊のうちで最も分厚い冊子であるだけあって,この「わかりやすい投資信託ガイド」一冊で投資信託を取り巻く環境から運用中の疑問点まで,制度的要素は全てを網羅しています。

紹介しきれなかったのですが,「普通分配金と特別分配金(元本払戻金)の違い」の理解はこの冊子を読んで私は初めて納得しましたし,「特定口座と一般口座の違い」などもまとまっている深い解説書です。

一回で全てを理解するのは難しい量なので,通読したあとは困ったときのリファレンスとして,次版が出るまで末永く活用したいと思います。

◆同梱されていた入門編冊子2冊のレビューはこちら
「知っておきたい投資の基本」
「未来につむぐ 投資信託つみたてBook」
参考 投資信託協会「投資信託ガイド」等のレビュー(1)

◆REITの情報を網羅するリファレンス「REIT GUIDE」はこちら
参考 投資信託協会「投資信託ガイド」等のレビュー(3)

◆投資信託説明書(目論見書)運用報告書の読み方はこちら
参考 投資信託協会「投資信託ガイド」等のレビュー(4

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