投資信託協会「投資信託ガイド」等の感想・レビュー(4・最終回)

投資信託・ETF

「投資信託の基礎」のマスター,なまずんです。

一般社団法人投資信託協会が発行し,個人投資家に無料でプレゼントしている「投資信託ガイド」等7冊の感想・レビュー第4弾です。
一連のレビューも今回がいよいよ最終回!

冊子は投資信託協会のページから申し込むことができます。

◆今回は以下の3つから学びを得ました。
「なるほど! 投資信託説明書ガイド」
(A4判 4ページ)
「まるわかり!! 運用報告書」(A4判 4ページ)
「あなたに合う制度はどれ? 資産形成 × 相性診断」(A4判 2ページ)

今回レビューする3冊はいずれもページが少ないです。
「あなたに合う制度はどれ? 資産形成 × 相性診断」に至っては両面印刷の紙。
ただ,いずれも小粒ながらピリリと辛い充実した冊子です。

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交付目論見書の読み方の解説をしっかり受けたのは初めて

まずは「なるほど! 投資信託説明書ガイド」
投資信託を購入するときに必ず目を通すように促されるのが「投資信託説明書(交付目論見書)」
ネット証券では新規購入前にPDFファイルで表示されるアレです。必ずを見たかどうかチェックを求められますし,改訂されれば通知が来て,見るように説得されますよね。

それほど重要な目論見書ですが,その読み方のレクチャーって受けたことがありますか?
私はこれまでありませんでした。証券会社に促されるまま,なんとなく見ているだけであまり情報を得られていなかったように思います。

その分,冊子から読み方の要点をしっかり学ぶことができました!

目論見書の要点4つは?

  1. 何で運用しているか
    ⇒投資信託の性質が「ファンドの目的」「ファンドの特色」欄に記載されている
  2. リスクはどの程度か
    ⇒「価格変動リスク」「為替変動リスク」などが記載されている
  3. 過去の運用実績は?
    ⇒基準価額や純資産の推移,分配の推移,主要な資産の状況などが記載されている
  4. コストは?
    ⇒「お申込みメモ」,「ファンドの費用」などに条件や手数料などが記載されている

1.の運用の目的・特色については,①どのエリアに投資するか,②何に投資するか,③インデックスかアクティブかの3点をポイントに挙げています。①では海外資産は為替リスクが生じ得ることと分散投資がリスク低減に役立つこと,②では安定運用なら債券,値上がり益の追求なら株式の割合が多いものが勧められていました。③ではTOPIXやMSCIコクサイなど代表的な指標を紹介しています。

2.のリスクでは,投資家の「好み」と「資金の余裕度」からリスク許容度が変わることを指摘しています。若い人ほどリスク許容度が高く,今後の収入が限られる人ほど安定運用を心がけるべきと説いています。代表的な他の資産クラスとの騰落率の比較など,リスク・リターンの図示なども活用したいと感じました。

3.では運用のうまさとして,ベンチマークとの関係を見るべしと伝えています。アクティブファンドはベンチマークに負けていないか,インデックスファンドは指標にピッタリ連動しているかのチェックが大切です。

4.のコストでは特に,運用成果に大きく影響する「運用管理費用(信託報酬)」に注目するように促しています。投資信託各社の利害が関係する点で,投資信託協会の冊子としてはかなり踏み込んだ内容です。引用させていただきます。

手数料が安ければいいというものでもありませんが,投資対象が同じで,実績も同様のファンドであれば,低コストのものを選んだほうが,実質的なリターンは高くなります。

ついつい読み飛ばしがちな目論見書の注目すべき点を端的に解説している冊子で勉強になりました。
ファンドの今後の実績は私たちには想定できませんが,コストは低コストファンドを選ぶことである程度コントロールできます。
投資家目線では,より低コストなファンドの選択が重要だと考えています。

運用報告書のチェックポイント!

続いて,「まるわかり!! 運用報告書」です。運用報告書は運用実績を投資家に示す重要書類ですが,こちらも読み方を学ぶ機会は多くありません。
今回は決算期ごとに作られる「交付運用報告書」の見方を学びました。

運用報告書の要点4つは?

  1. 運用実績
    ⇒「基準価額」「騰落率・純資産総額」の推移,「ベンチマーク」「他の資産」の騰落率の比較をチェック
  2. 投資環境
    ⇒この成績になった理由が記載されている
  3. 今後の運用方針
    ⇒ファンドを継続保有すべきかの判断基準に
  4. 費用明細
    ⇒「信託報酬」「売買委託手数料」「その他費用」をチェック

1.の運用実績は目論見書における過去の運用実績と見方が似ています。運用報告書ならではの見方としては,ベンチマークとの連動性の再チェック,他の資産クラスとの値動きの確認などが有用かと感じます。

2.投資環境については,基本的には投資家がむしろ解説を読んで勉強すべき箇所です。世の中で起こる出来事が経済にどのようなインパクトを及ぼしたかを知る機会として活用できそうです。

3.今後の運用方針は私の保有するインデックスファンドでは簡素なものですが,アクティブファンドでは熟読する必要があるでしょう。

4.の費用明細は最も重要だと私は感じます。あらかじめ決まっている信託報酬以外に,売買委託手数料とその他費用(監査費用,法定書類等の作成費用など)が結果としてどの程度かかったかは運用報告書でしかわかりません。細かい点は難しくもありますが,ファンドの信託報酬だけでなく,売買委託手数料とその他費用も含めてファンドを比較すべきと考えます。

ただの紙かと思えば

投資信託協会提供の全7冊の最後は「あなたに合う制度はどれ? 資産形成 × 相性診断」
この両面印刷だけの冊子の魅力は裏面にあります。

「自分に合った『長期資産形成』で賢く運用」と題する裏面はNISA,つみたてNISA,iDeCoの比較が充実したリーフレットです。

比較の一覧表とともに,おすすめの人も記載されています。

  • 柔軟な資産運用が可能な「NISA」
    非課税期間は5年間で,最大600万円の投資元本を非課税で運用できる。対象商品が株式や株式投資信託,REITなど幅広いのが特徴
  • 少額・長期投資に適した「つみたてNISA」
    非課税期間は20年間で,最大800万円の投資元本を非課税で運用できる。対象商品は金融庁が定めた要件を満たすものに限定されるのが特徴
  • “私的年金“の税制優遇制度「iDeCo」
    私的年金制度。掛金拠出時,運用益,受取時の3回にわたり税制上の優遇措置を受けられ,節税メリットが大きい。対象商品は投資信託と保険商品,定期預金で,原則60歳まで引き出せない

説明とともにきれいにまとまった表で端的にまとまっていて素晴らしいです!

番外編:幻の8冊目

7冊セットと言いながら,実は8冊目の同封物が。

(……お茶をこぼしてしまって,一部がよれよれ)
この冊子は各所で見たことがありますね。
国民年金基金連合会と厚生労働省が作った,iDeCoのパンフレットです。

本パンフレットもよくまとまっています。
このシリーズは投資信託協会発行の冊子のレビューなので,iDeCoパンフレットのレビューはまた後日!

ふと疑問ができたら読み返したい!

以上,全4回にわたって投資信託協会の「投資信託ガイド」等の感想・レビューをまとめました。
入門者向け冊子から,経験を積んだ人にとってもリファレンスになる貴重な資料でした。

このような資料を無料で提供してくださる投資信託協会さま,ありがとうございます!
リーフレットの申込みはこちら申込から2週間程度で手元にとどきます。

<他の冊子のレビュー>

◆入門編冊子2冊のレビューはこちら
「知っておきたい投資の基本」
「未来につむぐ 投資信託つみたてBook」
参考 投資信託協会「投資信託ガイド」等のレビュー(1)

◆困ったときの総合リファレンスとして活用できる「わかりやすい投資信託ガイド」のレビューはこちら
参考 投資信託協会「投資信託ガイド」等のレビュー(2)

◆REITの情報を網羅するリファレンス「REIT GUIDE」はこちら
参考 投資信託協会「投資信託ガイド」等のレビュー(3)

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