「入金力」よりも,私が見たいもの

投資信託・ETF

積立投資家のなまずんです。

「入金力」という言葉を聞くようになりました。インデックス投資が浸透する中,最近言われるようになった言葉のようです。

言葉の発祥は知りませんが,水瀬ケンイチさんが指摘する通り「投資に回せるお金の多寡」という意味で使われていると感じます。特に,株式市場の長期的成長に期待し,インデックスファンドをドルコスト平均法で購入する積立投資家に対して使う場面が多いように見受けられます。

今日はこの言葉について,私見100%で記事を執筆します。

結論から言えば,自分・他人の運用記録からは,積立投資額や資産の実額ではなく,損益の上下を繰り返しながら継続するプロセスの重要性を読み取りたいと考えています。

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原資が損益の大きさを反映するインデックス投資

そもそもインデックス投資に限らず,投資は「原資」と「購入後の値動き」でリターンが決定します。

個別株は日々の変動だけでなく,銘柄による値動きの違いが大きく現れます。そのため,原資が少なくても銘柄ごとの「購入後の値動き」によって,運用結果が全く違うものとなります。

原資も重要ですが,2倍程度の差であれば銘柄選択によって短期間で逆転することもあるでしょう。リターンには勉強量,経験,運の要素など多くの変数が絡んできます。

一方で,インデックス投資で選べる変数は,投資金額,投資期間,投資する指数が主です。「投資する指数」にはさまざまありますが,総じて個別株と比べると購入後の値動きが激しくありません。投資対象にすべき指数も,短時間勉強するだけである程度絞り込まれます(例えば,全世界株式を時価総額比で購入するなど)。

特に,同時期に同じ指数に連動するファンドを購入すれば,投資家の経験によらずパフォーマンスはほぼ同じになります。そのため,原資が少なくても資産額を大きく伸ばせる可能性のある個別株などと違い,投資額が損益に与える影響が結果的に大きいです。

毎月70万円を入金して資産2億円を築いたybさんは日経新聞の投信コラムの中でこのように述べています。

「インデックス投資は再現度が高いので同時期に同金額で同じ指数に連動するファンドを積み立てた場合,ほぼ同じ成果が得られます。例えば,『毎月の積立額を7万円にして私と同じサボテン投資を継続すると13年間で2000万円になったはず』と考えると,分かりやすいのではないかと思います」
日本経済新聞投信コラム:ybさん,夫婦で資産2億円の秘訣(投信ブロガー)

2億円と2000万円では大きな違いです。「億」という響きは非常にインパクトがありますね。

10倍の違いの源泉は投資額そのものなのですから,インデックス投資における「積立金額の大きさに比例して,期待できる利益額が大きい」との結論には説得力があります。

体験談は実践を確かめる場として

しかし,月に70万円を積立投資できる人はほとんどいません。多くの人にとって,2億円を築いたybさんの実践録は参考にならないのでしょうか。

私はそうは思いません。裏を返せば,同期間に月に7万円の積立で2000万円,3.5万円の積立で1000万円の資産を作ることができたというメッセージでもあるからです。

その間には元本割れの時期もあり,一筋縄とはいかなかったでしょう。インデックス投資では継続が重要というのは歴史からのメッセージです。継続するために,その瞬間の体験談は,積立金額にかかわらず実践を確かめる場として重要と考えています。

インデックス投資は投資の手段の一つに過ぎません。あくまで,「投資信託を購入し,長期に保有するなら」アクティブ運用よりもインデックス運用のほうが,リターンが上回るとのデータや理論があるだけ。資産形成の万能薬ではなく,将来に必ず収益が出ることすら約束されていません。

私が資産運用を行う当面の目標は,「余剰資金の活用」です。

インデックス投資を選ぶ理由は,なるべく早く余剰資金をリスクにさらし,収益機会につなげたいからです。仕事やプライベートで忙しく,投資を手取り足取り教えてくれる先生がいるわけでもない。勉強時間が限られる中では,「余剰資金を活用する」目的には,投資信託を中心にするのが現実的でもあります。

語調があまり積極的ではないのは,値下がり株もまとめて購入して持ち続けるというインデックス投資のスタンスにあります。「資産を最大化する」という目標のもと,勉強量・経験・運を味方につけられるのであれば,インデックス投資は最適解ではないとも考えるためです。

積立額が多いと,損失も比例して大きくなる点に注意

現在,私は余剰資金が比較的多いので,幸運にも毎月の積立金額は比較的高い水準です。しかし,インデックス運用の積立投資でリターンを得るには2つ,重要な要素があります。

それは,株価が下がったときも買い続けられるか,持ち続けられるか。積立投資額が多ければ,損失が発生したときにはそれだけ大きな損失額を抱えることとなります。

インデックス投資のリターンの源泉は,株価が下がったときに新規に入金して購入した株と,自動で行われる配当金再投資です。一時的に収入が減ったとしても生活資金がショートしないように一定の貯蓄(生活防衛資金)を用意するとともに,心理的に株価の下落に耐えられるかどうかも重要です。

「株価の下落に耐えられるか」に関して,私は経験がないので確実なことは言えません。しかし,あくまで余剰資金の運用であり,月々の収支は健全です。仮に長期的に元本割れが起こっても問題なく継続できると考えています。

積立金額よりも,資産のリアルな変動率を見ていきたい

「インデックス投資」という枠組みの中では,積立投資額の大きさが結果を左右します。しかし,積立金額以外では自己努力によってリターンを改善することは難しく,この点は「資産を増やす」という投資の目的において,インデックス投資の弱点とも言えるでしょう。

「インデックス投資の場合,積立投資額が多ければ多いほど結果として利益も損失も大きい」との主張は,そりゃそうだと私も思います。ただ,インデックス投資の実践録の価値は,「資産が◯◯万円に増えました!」という数字よりも,「原資と比べて,紆余曲折を経ながら現在〇〇%です」というプロセスの共有,イメージの交換にあると考えています。

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