厚生労働省が導入する「職場iDeCo・つみたてNISA」とは

iDeCo

つみたてなまずんです。

私が更新情報をキャッチしているウェブサイトの一つが,厚生労働省新着情報8月22日に厚生労働省が「厚生労働省で『職場iDeCo・つみたてNISA』を導入します」という通知を出しました。

厚生労働省が何を始めるのやら? 疑問に思って,概要や経緯の調査と考察を行いました!

スポンサーリンク

老後の保障,国は個人の自助努力を促す姿勢を一層鮮明に

概要について,厚生労働省の通知を引用します。

本制度は,職員が職場において,「iDeCo」や「つみたてNISA」の制度概要や申込み手続きなどに関する情報のほか,投資教育の機会についても提供を受けられる制度です。金融庁が本年1月に「職場つみたてNISA」を導入したことも参考に,「iDeCo」を所管する厚生労働省としても率先して本制度を導入することにしました。

最初に導入したのは金融庁だったようです。厚生労働省版ではつみたてNISAだけでなく,iDeCoを対象に加えたようですね。この制度は厚生労働省職員に対して投資教育を行う金融機関を募集しています。以下に付した細かい制度概要を見ると,投資教育を行うのが目的で,どの金融機関に口座開設を行うかは個人に任されている仕組みのようです。

説明を受けた金融機関に口座を開設してしまいそうという問題を別にして概略すれば,厚生労働省が職員個人向けに資産形成を考えるよう促していると言えるでしょう。

官公庁は民間企業の経済活動との関係にシビアです。「投資」という形で職員の資産形成に関するiDeCoやつみたてNISAについて,厚生労働省が省を挙げて取り組もうという姿勢に驚きました。

引用部分とは別ですが,付随した目的として,別の官公庁,さらには民間企業でも同様の制度を導入する際の参考にしてほしい旨が挙げられています。労働者の資産形成を支援する姿勢は頼もしい一方で,老後資金は国ではなく,自助努力で確保してもらう期待が見えています。

iDeCoやつみたてNISAを始める人は少なく,商品選びも疑問がある現状

少子高齢化が進み,現役世代は年金だけで老後の生活を維持するのがますます難しくなっていくと見込まれています。そのために国はiDeCo,NISA,つみたてNISAなどの非課税投資制度を拡充し,自助努力を求めています。2017年1月からは,公務員や確定給付企業年金のある企業の労働者もiDeCoに加入できるようになりました。

私もこれらの制度を活用しながら資産運用を行っています。

2018年2月に閣議決定された「高齢社会対策大綱」では,個人の自助努力と同時に,職場に対して個人が資産形成の開始や継続に当たって正しい知識が身近に得られるような環境整備も提言しました。

確かに,制度ができたからといって活用しているのはごく一部の人です。iDeCoって何? という質問はよく受けます。銀行窓口にほとんど行かなくてすむ時代ですから,証券口座を持たない人にとってiDeCoやつみたてNISAは遠い存在でしょう。

「資産形成の開始」にかなりのハードルがあるのは明らかです。iDeCo公式サイト「加入者等について」によれば,2018年6月のiDeCoの加入者は約94.6万人で,2018年度は月間3万人前後の増加ペースです。8月末を迎える現在,ちょうど100万人ほど。日本人の人口ベースで考えれば全然普及していませんから,関心の高い人しか始めていないのでしょう。どの金融機関で始めるか,申し込み手続きはどう行うかなど,口座開設までに知識が必要な点がネックになっていそうです。

「資産形成の継続」に関しても高い壁があります。2017年11月に金融庁が発表した「確定拠出年金統計資料」ではiDeCoの運用資金の35.6%が預貯金,18.0%が保険と5割以上が元本保証型商品の選択となっています。また,株式クラスでは国内株式が12.9%,外国株式が7.6%であり,世界の時価総額を考えると適切な商品選択ができているかは疑問です。

若い世代であればあるほど,自分で学ぶ姿勢を

厚生労働省が職員向けの福利厚生の拡充策の一つに,iDeCoやつみたてNISA等の投資教育支援を行うのは衝撃的な出来事です。近年,非課税投資制度が次々と拡充される中で,「年金に頼らず,自助努力を」という暗に込められたメッセージがより明確になってきました。

閣議決定の内容とはいえ,目的に官公庁,民間企業への広まりを期待する内容が含まれていたことにも驚きですね。職場を通じて投資教育が行われることは歓迎すべきことですが,口座を開設してもらいたい金融機関の説明をうのみにしたり,自分で考えずに投資してしまう人が増えることも危惧しています。

金融機関に顧客本位の業務運営を迫る機運の中で,金融機関の責任を問う風潮もあります。しかし,結局,投資は自己責任の世界です。優秀で親身な金融機関の担当者に出会えても,その実力を活かすのは「自分で学ぶ姿勢」でもあります。若い世代であればあるほど,自分の資産を守り,育てる意識と勉強が求められていると感じます。

コメント

▼ ▽ ▼

当ブログでは有用な情報提供に努めていますが,情報の確実性を保証するものではありません。また,情報の誤り等がありましたらコメント等でお知らせいただけますと幸いです。