「コスパ」は「パ」のほうこそしっかり考えるべき

221013「コスパ」は「パ」のほうこそしっかり考えるべき 雑記
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「コストパフォーマンス(コスパ)」とは、投入した費用に対して得られる価値やメリットのことをいうビジネス用語です。簡単にいえば費用対効果のことをいいます。

良いイメージにも悪いイメージにも使われがちな言葉ですが、この「コスパ」を考えていくことは、単に資産形成を進めるだけでなく、より良い人生を送るためにもとても重要だと私は考えています。

とことんコストを抑えれば資産は増えます。そこで、どうやってコストを抑えるかという話はよく聞くのですが、良い人生を送ることと、金融資産を増やすことはイコールの関係ではないですよね。もちろん、反対の関係でもありません。

1番良いのは、お金の持つポテンシャルを最大限活かして得られる「パフォーマンス」を踏まえて、コストとのバランスを取っていくことではないでしょうか。

これが大きな視点からみた「コストパフォーマンス」の意義だと思っています。

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コストパフォーマンスの基準

「コストパフォーマンス」の「コスト」の部分は、すでに書いたように投入した費用のことです。簡単にいえばモノやサービスの価格です。ただ、費用だけでなく労力を含める場合もあります。

このうち、費用は価格として数量化されているので比較は簡単です。労力は計測しにくい場合もありますが、かかった時間やどれくらい気力を使うかなどで、だいだい客観的にはかることもできます。

対して「パフォーマンス」は少しややこしく、例えば価値観やそのときの状況にかなり左右されます

たとえば、東京から大阪へ移動するときには新幹線・高速バス・自家用車といった移動手段があります。移動時間の短縮を考えるなら新幹線、早朝に到着する必要があるなら高速バス、荷物が多いなら自家用車などと、何を求めているかによってパフォーマンスの高い手段は異なります。常にどれかを選べば正解、というわけではないのです。

ビジネスでこの「コストパフォーマンス」の用語を使うときは、「パフォーマンス÷コスト」という計算で評価します。言い換えれば、コスト1単位あたり、どれくらいのパフォーマンスがあるかを推定し、定量化して比べています。

さすがに日常でパフォーマンスを数量化する必要はないので、私は大まかに直観的に意思決定に役立てています。大まかにその流れをまとめてみました。

コストパフォーマンスを上げるには

家具・家電や旅行から日用品・食品まで、モノやサービスの購入を検討するときは、私はおよそ次のような順番で3段階の意思決定をしています。

自分が求めるパフォーマンスの上限を考える

最初はコストではなく、求めるパフォーマンスから検討していきます。具体例がないとわかりにくいので、例えば新しいデスクトップPCと周辺機器を購入する場合をざっと考えてみます。私がPCを使うのはおもに次の用途です。

  • ブログの執筆
  • ブラウザでの検索
  • YouTubeで動画・音楽再生
  • 撮影した写真の編集
  • 4K動画の編集

そうすると求められる要素はだいたい次のとおりです。

  • 写真編集を高速処理できるCPU、メモリ
  • スムーズな4K動画編集に耐えるGPU
  • 検索と執筆を同時にできる大きさの4Kモニタ
  • ある程度の音質のスピーカー

ほかにも収納スペースなども制約になります。ほかに制作などもやるので、ミキサーなどの外部機器も用意したりしていますが、ここでは省略。

パフォーマンスから考えていくとコストが爆上がりするのでは? と疑問に思う方もいると思いますが、最初はそれでよいのです。要求を全く満たさなかったり、逆に部分的にオーバースペックな選択をしてその他がより不足するといった事故を防ぐ意味もあります。これらはどちらも「コスパ」を下げる要因です。

ここでは最高品質のものを求めているのではなく、「これ以上は意味がなくなる」という分岐点を見極める操作です。

このとき、最優先したい項目と重要度が比較的低いものに分けて考えておくのがオススメです。何を削るか、別のもので代替できないかを考えていくときのために必要だからです。

その場合のコストを検討する

次は、このパフォーマンスの実現に必要なコストを計算してみます。

家計には使えるお金の上限があります。残念ながら予算を超えてしまう場合は、使える予算を検討し、これを新たな上限とします。

一方で、もし許容できるコストに余裕があるならここで購入しても良いと思いますが、次で述べるように少しスペックを落とすとコスト面が大きく改善する場合もあります。それなら予算に余裕があってもコストを圧縮する価値があるかもしれません。

 

ふだんはコストを2番めに検討していますが、不動産や自動車など、明らかに高額な商品で、明らかにコストの制約が大きい場合は、許容できるコストを最初から検討したほうがスムーズです。

ただコストを先に考え始めると、コストありきで中途半端な選択になる場合もあるので注意は必要です。とくに効果を実感しにくく、あとあとになって効いてくるような自己投資などはコストから考えると本末転倒な判断になりやすいと思います。

どこまで削っても納得できるパフォーマンスが得られるかを考える

1段階目でパフォーマンス、2段階目ではコストの制約を検討しているので、あとはこれらのバランスを取っていくことになります。

具体的には、スペックを落とすと、どれくらいコスト負担が変わるかを検討していく段階です。PCの例で言えば、モニタを2枚にするか1枚にするか、利用頻度の少ない機能への投資を妥協するかどうかなどがこれにあたります。

そしてもし、コストとパフォーマンスが際どく見えて、どちらを取るかを迷ったときには、パフォーマンスのほうを優先したほうが良いと私は思っています。

わかりやすい例で言えば、知らない土地に行くときに心配であれば、多少コストが高くてもタクシーを使ったり、サービスの多い宿に泊まったり、価格が高くてもレビューの良いお店に行ったほうが、トラブルや失敗といったパフォーマンスを大きく下げる確率をへらすことができます。超過コストは「保険料」のようなものですね。

お金の効能を最大に活かすのが「コスパ」の良い使い方

資産を築いていく方法の1つとしては、「コスト」を意識して支出を圧縮し、投資資金を準備していく方法があり、これは高い再現性で金融資産を作っていくことができます。だからコストを頭のなかにおいておくのは重要です。

しかし、投資でせっかくお金を増やしても、それを「コスパ」よく使う訓練をしていないと、お金が果たせる役割を使い切れないで時を過ごしていくことになるかもしれません。「コスト」は数量化しやすく明快で比較しやすいのに対して、「パフォーマンス」は気づく意識を多少は持っていないと見落としやすいからです。

快適な環境や質の良いモノ・サービス、そして人間関係。お金はそういった自分の人生のパフォーマンスにも当然役立てたいものです。

一度きりしかない人生のなかで、最終的には人生という俯瞰的な目線から、どんな「パフォーマンス」をお金自体にも求めるのかまでも整理していきたいと私は考えています。

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