3月30日、「eMAXIS Slim」シリーズを展開する三菱UFJ国際投信が、シリーズの8種のファンドの信託報酬の引き下げを発表しました(プレスリリース)。
3月24日に発表された「たわらノーロード」シリーズの信託報酬の引き下げに対抗したものでしょう。
「eMAXIS Slim」シリーズは業界最低水準の運用コストをめざすことをシリーズ方針に掲げており、信託報酬を他社類似ファンドの最安値に合わせていくという手法をとってきました。
今回も、「たわらノーロード」シリーズが信託報酬を引き下げて業界最低になったため、それに対抗して信託報酬の引き下げがなされました。このような他社の動向に敏感になり、徹底的に対抗する姿勢には安心感があります。
信託報酬が改定される8ファンド
今回、信託報酬が改定されるのは次の8種のファンドです(数値はいずれも税抜)。
ファンド名(一部省略) | 変更前の 信託報酬 |
変更後の 信託報酬 |
引き下げ幅 |
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 0.140%以内 | 0.130%以内 | 0.01% |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.140%以内 | 0.130%以内 | 0.01% |
eMAXIS Slim国内株式(日経平均) | 0.140%以内 | 0.130%以内 | 0.01% |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 0.104%以内 | 0.103%以内 | 0.001% |
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 0.104%以内 | 0.103%以内 | 0.001% |
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | 0.104%以内 | 0.103%以内 | 0.001% |
eMAXIS Slim先進国株式 | 0.0930%以内 | 0.0899%以内 | 0.0031% |
eMAXIS Slim新興国株式 | 0.170%以内 | 0.169%以内 | 0.01% |
引き下げ幅は0.001%~0.01%とわずかではありますが、これで「業界最低水準」のコンセプトが引き続き実現することとなりました。
なお、信託報酬の引き下げは5月11日からで、「たわらノーロード」シリーズは4月7日から新しい信託報酬が適用されるため、約1か月間は「たわらノーロード」シリーズのほうが信託報酬が安い状態になります。
純資産総額に応じた段階的な引き下げを考慮すると業界最低に
「eMAXIS Slim」シリーズは、純資産総額に応じて信託報酬を段階的に引き下げる仕組みを取り入れています。
今回の信託報酬改定に合わせて基準が変更され、この段階的な引き下げが適用されるのは、現時点では「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」のみです(画像はいずれもプレスリリースより)。
段階的な信託報酬の引き下げが現時点で適用されないファンドも信託報酬は他社ファンドと並ぶ業界最低であり、純資産総額が増えればわずかながら単独で業界最低になります。
今回も、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズは他社ファンドの動向に応じて迅速な対応を見せてくれました。信託報酬の引き下げは投資家にとってリターンが多くなる要素であり、喜ばしいことです。
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