8月18日、三菱UFJ国際投信が「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)など、「eMAXIS Slim」シリーズのファンド4本の信託報酬の引き下げを発表しました(プレスリリース)。
また他社の同種ファンドの最低水準にそろえる形での信託報酬の引き下げです。
「eMAXIS Slim」シリーズは業界最低水準の運用コストをめざすことをシリーズ方針に掲げており、これまでも信託報酬を他社類似ファンドの最安値に合わせていくという手法をとってきました。
今回も、他社のファンドが業界最低を更新する形で設定されたため、それに対抗して信託報酬が引き下げられました!
オルカンは信託報酬が約半分の0.0525%に!
今回、信託報酬が改定されるのは次の4種のファンドです(数値はいずれも税抜)。
ファンド名(一部省略) | 変更前の 信託報酬 |
変更後の 信託報酬 |
引き下げ幅 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 0.103%以内 | 0.0525%以内 | 0.0505% |
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 0.103%以内 | 0.0525%以内 | 0.0505% |
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | 0.103%以内 | 0.0525%以内 | 0.0505% |
eMAXIS Slim新興国株式 | 0.169%以内 | 0.138%以内 | 0.031% |
MSCI ACWIに連動するファンドでは「業界最低水準」のコンセプトが引き続き実現します。また、日本を除く全世界株式や3地域均等型も信託報酬が引き下げられた結果、これらは同種ファンドよりも低コストになりました。
指数の使用料を信託報酬に含めなかった「Tracers MSCIオール・カントリー(全世界株式)」には対抗してきませんでしたが、指数使用料を信託報酬に含める「はじめてのNISA・全世界株式(オール・カントリー)」には徹底的に対抗してきました。
ここまで低コストになったこともあり、2024年からの新しいNISAではもう「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」1本ですべての枠を埋めていこうと思います。「投信を買ってそのまま持ち続ける」のが最も効率のよい新NISAを埋めるのに最適でしょう。
また、「eMAXIS Slim新興国株式」も大幅な信託報酬の引き下げとなりました。これは「SBI・V・新興国株式」にそろえた信託報酬の引き下げです。
この4種のファンドは2023年4月にも信託報酬を引き下げています。三菱UFJ国際投信は他社への対抗というきっかけがないと動かないとはいえ、シリーズのコンセプトには忠実に信託報酬の引き下げには積極的です。
段階的な信託報酬の引き下げも維持
「eMAXIS Slim」シリーズは、純資産総額に応じて信託報酬を段階的に引き下げる仕組みを取り入れています。今回も同様の仕組みが維持されました。現時点でこの段階的な引き下げが適用されるのは、現時点では「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」のみです(画像はいずれもプレスリリースより)。
段階的な信託報酬の引き下げが現時点で適用されないファンドも、信託報酬は他社ファンドと並ぶ業界最低であり、純資産総額が増えればわずかながら単独で業界最低になります。
今回も、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズは他社ファンドの動向に応じて迅速な対応を見せてくれました。信託報酬の引き下げは投資家にとってリターンが多くなる要素で、非常にありがたい判断です!
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