2月14日の楽天証券トウシルに、経済評論家の山崎元さんの寄稿「新NISAの論理的に正しい唯一の活用法」が掲載されています。
いつも通り切れ味鋭い良い記事でした。何に本当に注意すべきか、何がピットフォールかをうまくまとめていますね。
すでに記事を紹介したり感想を言っているインデックス投資ブロガーさんも多々いますが、これは良い記事です。主なメッセージは以下の3つです。
- 新NISAの枠はなるべく早く、優先して埋めていく
- つみたて投資枠も成長投資枠も全世界株式インデックスファンドに投資する
- さまざまな事情でその他の方法を勧めてくる人に注意
新NISAの枠はなるべく早く、優先して埋めていく
新しいNISAの枠を最大に使おうとした場合、「つみたて投資枠」で年間120万円、「成長投資枠」で年間240万円の合計360万円を使うことができます。
山崎さんの主張を要約すれば、「NISAは運用益(譲渡益・配当金・分配金)が非課税になる『有利な資産の置き場所』であるため、運用している資産があれば、なるべく早く、なるべく多くの金額をここに置いておくのが適切」ということです。
年間投資額が360万円未満で、いま課税口座で保有している資産があるなら、課税口座からNISAに入れ直すことも勧めています。
わが家も年間投資額は1人あたりでは200万円台なので、埋まらない分は特定口座で保有しているものから入れ直します。ついでにファンドの整理も実施しようと思います。
もちろん、最近投資を始めた人は焦って埋める必要はなく、月に1万円からでも、できるペースで積立投資をしていけば十分です。
つみたて投資枠も成長投資枠も全世界株式インデックスファンドに投資する
ここまでは「NISA口座の埋め方」の話でしたが、記事では次に「何で埋めるか」という話題になっています。
新しいNISAには積立投資ができる「つみたて投資枠」と、それより制約が少なくより幅広い投資対象が購入できる「成長投資枠」があります。結論からいえば、「全世界株式のインデックスファンド」が推奨されています。
具体的な商品名は書いていませんが、コスト面やこれまでの実績からみれば「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が、次点で「SBI・V・全世界株式」「楽天・全世界株式」あたりが適当でしょう。
記事ではアクティブファンドではなくインデックスファンドを選ぶ理由が延々とならんでいますが、端的に言えばインデックスファンドの運用成績がアクティブファンドの運用成績の平均を上回っているからです。
その理由は「主にインデックスファンド(時価総額加重で市場平均を持つタイプ)が市場に存在する「アクティブ運用の平均」をもって「余計なトレードコストを払わずにじっとしている」からだ(加えて、商品としても運用管理費用の設定が低い)」と解説されています。
全世界株式のインデックスファンドは、リバランス不要で手間もかからず、NISA口座に置いておくには優れた選択肢だと思います。
私はこれまで、日本株・先進国株・新興国株を別々のファンドを購入することで全世界の時価総額比率に近づける方法で運用してきましたが、これを機に全世界株式のインデックスファンドを購入してもいいかなと思ってきています。
さまざまな事情でその他の方法を勧めてくる人に注意
このように、全世界株式インデックスファンドでなるべく早く・大きく運用するのが新しいNISAの有効な使い方であるように紹介されていますが、他の執筆者による記事や各社のセミナーなどでは実にさまざまな運用方法が紹介されています。
同じトウシルの「新しいNISAの使い方」特集の「新NISA使い方ガイド」にも、さまざまな内容が並んでいます。
もちろんNISAの使い方は自由で、ほかのファンドを買ったり個別株で運用したりしてもいいのですが、一部には高コストなファンドを買ってもらうなどして収益を稼ぎたい「大人の事情」で動いている情報もあるんですよね。
投資が「趣味や仕事」の人はともかく、そうではない私たちは、「大人の事情」を説明している記事はスルーして、将来の資産増加のためにインデックスファンドへお金を投じていくのがいいのではないでしょうか。
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