

インデックスファンドのリターンは、「配当込み指数の動き」と「運用のコスト・誤差」によって決まります。同種のインデックスファンドであれば指数の動きは同じですので、運用のコストや誤差がなるべく小さいファンドが投資家にとって優れた商品ということになります。





そこで、この記事では、基準価額の推移をもとにこれまでの運用状況を比較しています。
最終的な損益を分析することで、見えないコスト面も含んだファンドの総合的な実力を知ることができます。
2026/09/06 2026年8月末の情報にて新規公開。
欧州株式インデックスファンドは、2種類の対象指数(ベンチマーク)があります。2026年の税制改正に伴ってつみたて投資枠対象商品の指数が追加され、新たに仲間入りを果たしました。
該当するファンドはそれぞれ1本ずつであり、他のシリーズ記事と比べて「徹底比較」のタイトル負け感があるのですが、つみたて投資枠対象ファンドは今後充実してくる可能性があるため独立した記事としています。
MSCI Europe Index
MSCI Europe Indexは、米国MSCI社が算出している株価指数です。欧州の先進国15か国の大型株・中型株396銘柄で構成され、この地域の浮動株調整後の時価総額の約85%をカバーしています(2026年8月末時点)。
指数を構成する上位5社は次のとおりです(2026年8月末時点)。
| 銘柄 | 構成比 |
| ASML | 4.53% |
| HSBC | 2.46% |
| ロシュ | 2.12% |
| ノバルティス | 1.93% |
| シェル | 1.76% |
国別では、英国22.64%、フランス15.27%、スイス14.49%、ドイツ13.63%、オランダ8.75%⋯⋯と続き、突出した国はありません。
業種別では金融が25.63%、資本財・サービスが18.9%、ヘルスケアが12.89%を占め、情報技術は8.65%にとどまります。





情報技術の比率が1割に満たないところが米国株式との大きな違いですね。
MSCI Europe Indexに連動するインデックスファンドは1本です。
なお、信託報酬は税抜、純資産総額と資金流出入の単位は百万円です。ファンドは、①信託報酬率が安い、②運用期間が長い(設定日が古い)順に並べています。また、緑色の欄は「前月末までの◯年間の総リターン」を示し、黄色の欄は過去5年における1年ごとのリターンを示しています。
| 名称 | 信託 報酬 |
実質 コスト |
純資産 総額 |
前月までの長期リターン | 過去5年における1年ごとのリターン | 過去1年の 資金流入 (概算) |
総経 費率 |
決算日 | 設定日 | 備考 | ||||||||
| 過去 1年 |
過去 3年 |
過去 5年 |
過去 10年 |
過去 15年 |
過去 1年 |
1~2 年前 |
2~3 年前 |
3~4 年前 |
4~5 年前 |
|||||||||
| 楽天・欧州株式 インデックス・ファンド |
0.28000% | 0.942% | 1,974 | 30.34% | – | – | – | – | 30.34% | – | – | – | – | 1,129 | 0.57% | 2026/04/22 | 2025/08/14 | 実質コストは1年あたりに換算後 |
「楽天・欧州株式インデックス・ファンド」は2025年8月14日に設定されたファンドです。
直近1年のリターンは30.34%でした。同じ期間のS&P500連動ファンドも同程度でしたので、この1年に限れば、欧州株式は米国株式とほぼ並ぶ成績だったことになります。





「欧州は米国に見劣りする」という印象を持たれがちですが、直近1年はそうでもありませんでした。
資金流入傾向ではありますが、純資産総額はまだ小さいことが気になる点です。
◆米国株式インデックスファンドの比較記事はこちら


STOXX Europe 600
STOXX Europe 600は、ドイツ取引所グループのSTOXX社が算出する時価総額加重平均型の株価指数です。欧州の取引所に上場する企業から、時価総額や流動性をもとに600社を選んで構成されます。
欧州17か国の11業種をカバーし、対象市場の時価総額の9割近くが組み入れられています。
大型株・中型株で構成されるMSCI Europe Indexに対して、STOXX Europe 600は小型株も含みます。とはいえ、上位5社の顔ぶれはまったく同じです。





これは、どちらも時価総額加重で構成される指数であるためですね。
この指数に連動するファンドは「インデックスファンドSTOXXヨーロッパ600(欧州株式)」の1本です。
| 名称 | 信託 報酬 |
実質 コスト |
純資産 総額 |
前月までの長期リターン | 過去5年における1年ごとのリターン | 過去1年の 資金流入 (概算) |
総経 費率 |
決算日 | 設定日 | 備考 | ||||||||
| 過去 1年 |
過去 3年 |
過去 5年 |
過去 10年 |
過去 15年 |
過去 1年 |
1~2 年前 |
2~3 年前 |
3~4 年前 |
4~5 年前 |
|||||||||
| インデックスファンド STOXXヨーロッパ600(欧州株式) |
0.43500% | – | 188 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | 2026/06/04 | 初回決算日は2027/06/25。「その他の費用・手数料」のうち諸費用(目論見書の作成費用など)は年率0.1%が上限 |
2026年6月の設定であり、決算を迎えていません。そのため実質コストもリターンも算出できず、比較表はほぼ空欄になっています。なお、ベンチマークは税引後配当込み・円換算ベースの指数です。





評価できるようになるのは、少なくとも1年分の運用実績が出てからでしょう。
「これを選べばよい」といえるファンドはない
結論を書くと、欧州株式については「これなら安心」というファンドはありません。
その理由は、①2本とも設定から日が浅いことと、②純資産総額が小さいことです。長く保有し続ける前提で考えると、自信を持って判断するのは難しいといえます。
そもそも、欧州株式に絞って投資する意味についても考えてみる必要があるでしょう。欧州株式というのは、先進国株式から米国や日本などの国々を除いた残りにあたります。





米国は世界の株式市場の時価総額の過半を占めており、日本はそれに次ぐ2位です。この2つの市場には投資しないファンドということになります。
たとえば日本株と米国株を個別株で運用していて、それ以外の先進国株にも分散しておきたいという場合には、すでに持っている部分と重ならないので、活用の候補に入ってくるかもしれません。
ただし、その場合でもカナダやオーストラリア、シンガポールといった欧州以外の先進国は入りません。「先進国株式(除く日本・米国)」を直接代替しているわけではないことには留意が必要です。





欧州株式のファンドは、あくまで「欧州」という一地域を買う商品です。そこに絞り込む理由がはっきりしているかをまずは確かめましょう。
なお、つみたて投資枠対象商品には「FTSE Developed Europe All Cap Index」に連動するファンドも登録可能になりました。現在は対象商品がありませんが、この指数に連動する商品も今後提供されてくるかもしれませんね。
◆全世界株式や先進国株式など、その他の指数に連動するファンドの比較はこちらから!





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