3月24日、「たわらノーロード」シリーズを展開するアセットマネジメントOneからびっくりなニュースが飛び込んできました。「たわらノーロード」シリーズ8本の信託報酬を引き下げるというものです。
そのうち6本は業界最低水準に並ぶだけでなく、最低水準を更新しました! また、先進国株式も期間限定で信託報酬ゼロの「野村スリーゼロ先進国株式投信」を除けば最低です。素晴らしい取り組みだと思います。
たわらノーロードシリーズはつい最近にも、S&P500に連動するインデックスファンドを新規設定し、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」などよりも安い信託報酬としたことで話題になりました。
信託報酬が更新されたのは「たわらノーロード先進国株式」など8本
信託報酬が更新されたのは次の8本です(表はプレスリリースより)。更新は4月7日からです。
このうち7本の信託報酬はわずかながら業界最低水準を更新しています。先進国・新興国・全世界・日経225・バランス(8資産均等型)のこれまでの業界最低水準のものと比較してみました。
たわらノーロード | 他社ファンド | |
先進国株式 | 0.0899% | 野村スリーゼロ 0.0000%(期間限定) eMAXIS Slim 0.0930%以内(期間限定以外) |
新興国株式 | 0.169% | eMAXIS Slim 0.170%以内 |
全世界株式 | 0.103% | eMAXIS Slim 0.104%以内 |
日経225 | 0.13% | PayPay投信 0.13% |
8資産均等型 | 0.13% | eMAXIS Slim 0,14%以内 |
日経225に連動するインデックスファンドには「PayPay投信 日経225」がもともと信託報酬0.13%(税抜)で設定されており、これは業界最低に並ぶことになりました(「eMAXIS Slim日本株式(日経平均)」は0.14%以内で、業界最低ではありません)。
なお、今回設定された信託報酬はやたらと細かく刻んでいるようにも見えるのですが、これはeMAXIS Slimシリーズの受益者還元型信託報酬を考慮しても最低となるラインを意識していると思われます。
下図は「eMAXIS Slim」の信託報酬(青枠は筆者)ですが、この青枠部分、すなわちeMAXIS Slimシリーズはこれ以下には下がらないというギリギリを攻めたようです。
◆eMAXIS Slim先進国株式の信託報酬
◆eMAXIS Slim新興国株式の信託報酬
◆eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬
◆eMAXIS Slim国内株式(日経平均)とeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の信託報酬
eMAXIS Slimシリーズは純資産総額に応じて受益者還元型の信託報酬を導入していますが、このままではどんなに純資産総額が増えても業界最低にはなりません。たわらノーロードは徹底対抗ということですね。
たわらノーロードシリーズは一時、信託報酬の引き下げ競争から脱落してしまっていましたが、ここにきて最前線に舞い戻ってきました。他社の低コストインデックスファンドシリーズよりも取扱金融機関が多く、ネット証券以外でも買える場合があります。
他社ファンドの動向は?
信託報酬が業界最低水準を更新したことで気になるのが、「業界最低水準の信託報酬をめざす」と銘打っている「eMAXIS Slim」シリーズの動向です。
PayPay投信のファンドが設定されたときは、業界最低水準の信託報酬を掲げる「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」が追随しないという判断をしたようですが、相手が実績もある「たわらノーロード」シリーズだとそうもいかないはずです。
先日の「たわらノーロードS&P500」が業界最低を更新する信託報酬で設定されたときは、即座に対応を見せました。
また、これまで業界最低水準の信託報酬を同率で維持していたニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>」シリーズなど、他社の動向にも注目したいと思います。
私は、楽天証券のiDeCoで「たわらノーロード先進国株式」を持っていますが、このような積極的な姿勢を見せてくれる運用会社だと安心感もあり、今後も安心して買い付けていけそうです。
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