すでに約1か月が経ってしまっているのですが、2026年9月24日、「たわらノーロード先進国株式」の純資産総額が「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)」(以下、「eMAXIS Slim先進国株式」)を上回り、先進国株式のインデックスファンドで初めてトップに立ちました。

たわらノーロード先進国株式がトップになるのは初めてのことです。おめでとうございます!
この日の差はわずか5000万円ほどで、その後いったん抜き返されましたが、9月30日に再び逆転しています。それ以降の差は広がる一方で、10月19日時点では、たわらノーロード先進国株式が1兆3733億円、eMAXIS Slim先進国株式が1兆3693億円となりました。
先進国株式インデックスファンドは、2013年12月設定の「ニッセイ外国株式インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」(以下、「ニッセイ外国株式」)、2015年12月設定のたわらノーロード先進国株式、2017年2月設定のeMAXIS Slim先進国株式(設定当時の名称は「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」)の3本を中心に、低コスト競争が繰り広げられてきました。
いまは全世界株式や米国株式が選ばれることが多くなりましたが、かつてインデックスファンドでもっとも人気を集めていたのは先進国株式でした。現在、3本の純資産総額は合わせて約3兆8600億円、過去1年の資金流入の概算では約2900億円にのぼり、いまも多くの資金を集めていることに変わりはありません。
◆先進国株式インデックスファンドの比較はこちら。


この3本はコストも成績もほぼ互角
ニッセイ外国株式、たわらノーロード先進国株式、eMAXIS Slim先進国株式の3本を比べてみると、コストや運用成績には大差がないことがわかります。
| 項目 | ニッセイ外国株式 インデックスファンド <購入・換金手数料なし> |
たわらノーロード 先進国株式 |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス (除く日本) |
| 運用会社 | ニッセイアセットマネジメント | アセットマネジメントOne | 三菱UFJアセットマネジメント |
| 設定日 | 2013年12月10日 | 2015年12月18日 | 2017年2月27日 |
| 連動指数 | MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース) | ||
| 信託報酬 (税抜) |
0.0899% | 0.0899% | 0.0899%以内 |
| 実質コスト (税込) |
0.112% | 0.121% | 0.115% |
| 純資産総額 (2026/10/19) |
1兆1151億円 | 1兆3733億円 | 1兆3693億円 |
| 販売会社数 | 35社 | 208社 | 38社 |
| リターン (過去1年) |
22.04% | 22.00% | 22.03% |
| リターン (過去3年) |
89.07% | 88.93% | 89.13% |
| リターン (過去5年) |
148.18% | 148.13% | 148.58% |
| リターン (過去10年) |
440.12% | 441.16% | - |
※実質コストは直近の運用報告書ベース。リターンは2026年9月末までの基準価額の騰落率。販売会社数は各運用会社のウェブサイトの一覧より。
3本とも同じMSCIコクサイ・インデックスに連動し、信託報酬は税抜0.08%台になっています。
2023年4月にたわらノーロード先進国株式が信託報酬を引き下げ、5月にeMAXIS Slim先進国株式、6月にニッセイ外国株式が追随し、それ以来、信託報酬の差はほとんどありません。eMAXIS Slim先進国株式には純資産総額が増えるほど信託報酬が段階的に下がるしくみがあり、執筆時点の純資産総額で計算すると税抜約0.0894%となることから、わずかに有利です。
◆3本の信託報酬引き下げ競争(2023年)の記事はこちら。






運用成績も、過去1年・3年・5年のリターンの差はわずかです。10年でも、ニッセイ外国株式とたわらノーロード先進国株式の差は小さいと言えるでしょう。





結果的には、どれを選んでも正解だったと言えると思います。
純資産総額の推移は?
現在はいずれも1兆円以上の純資産総額をもつこれら3本の投信は、約10年にわたって先進国株式インデックスファンドの純資産総額のトップを分け合ってきました(縦軸の単位は億円)。
先行したのはニッセイ外国株式です。<購入・換金手数料なし>シリーズは信託報酬の引き下げを何度も重ね、低コストインデックスファンドの競争をけん引してきました。3本の中で最初に純資産総額1000億円に乗せたのもニッセイ外国株式で、2024年2月まではトップを守っていました。
次に資金を集めたのが、「業界最低水準の運用コスト」を掲げて2017年に登場したeMAXIS Slim先進国株式です。2018年12月にたわらノーロード先進国株式を、2024年2月にはニッセイ外国株式を抜いてトップに立ちました。
たわらノーロード先進国株式が伸びてきたのはその後です。2025年6月にニッセイ外国株式を抜き、2026年9月にはeMAXIS Slim先進国株式も逆転しました。年ごとの資金流出入を推計すると、この流れがより鮮明になります(2026年は10月19日まで)。
推計の資金流入が3本の中でもっとも多かったのは、2018年まではニッセイ外国株式、2019〜2022年はeMAXIS Slim先進国株式、2023年以降はたわらノーロード先進国株式でした。
たわらノーロード先進国株式は資金流入額を年々増やしています。反対にニッセイ外国株式は、2021〜2022年の年600億円前後をピークに激減し、2025年は約76億円にとどまりました。eMAXIS Slim先進国株式も頭打ちの傾向が見られます。





近年は米国株式、そして全世界株式に人気が移ってきましたが、そのなかでもたわらノーロード先進国株式だけは資金流入を伸ばし続けているのです。
たわらノーロード先進国株式は何が違うのか
コストも成績も互角なのに、なぜ資金流入にこれほどの差がついたのでしょうか。この3本以外も含めたMSCIコクサイインデックスに連動するファンドの過去1年の資金流入(概算)が多い順に第10位までを見てみましょう。
| ファンド名 | 信託報酬(税抜) | 過去1年の資金流入(概算) |
| たわらノーロード 先進国株式 |
0.0899% | 1907億円 |
| つみたて 先進国株式 |
0.2000% | 896億円 |
| eMAXIS Slim先進国株式 インデックス(除く日本) |
0.0899%以内 | 878億円 |
| Smart-i 先進国株式インデックス |
0.2000% | 228億円 |
| SMBC・DCインデックス ファンド(MSCIコクサイ) |
0.0930% | 186億円 |
| 東京海上セレクション・ 外国株式インデックス |
0.2000% | 166億円 |
| iFree 外国株式 インデックス(為替ヘッジなし) |
0.1900% | 156億円 |
| My SMT グローバル株式 インデックス(ノーロード) |
0.0930% | 154億円 |
| 野村スリーゼロ 先進国株式投信 |
0.0000% | 132億円 |
| ニッセイ外国株式インデックス ファンド<購入・換金手数料なし> |
0.0899% | 110億円 |
ニッセイ外国株式は10位で、信託報酬が2倍以上のファンドにも後れをとっている状況です。一方、たわらノーロード先進国株式は2位以下を大きく引き離しています。





私は、この差の背景には販売会社の幅広さがあると考えています。
各運用会社のウェブサイトで確認すると、ニッセイ外国株式を現在取り扱っている販売会社は35社です。ネット証券のほか一部の対面証券や銀行も扱っていますが、メガバンクは三菱UFJ銀行だけで、信用金庫は3つにとどまります。
これに対し、たわらノーロード先進国株式はネット証券に加えて、みずほ銀行・三菱UFJ銀行、大和証券・みずほ証券、多くの地方銀行、そして信用金庫や労働金庫まで、200社以上が取り扱っています。銀行や証券会社、信用金庫などの窓口で低コストのインデックスファンドを選ぶなら、たわらノーロード先進国株式が候補に挙がりやすいと考えられます。





これらの販売会社の多くでは、特に人気を集める「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の取り扱いがなく、競合しないという面もあるでしょう。
なお、2位の「つみたて先進国株式」はeMAXIS Slim先進国株式と同じ三菱UFJアセットマネジメントのファンドで、信託報酬が高いにもかかわらずeMAXIS Slimより多くの資金を集めています。これも、eMAXIS Slimの主戦場であるネット証券以外の市場も十分に大きいことを示していると言えるでしょう。
また、確定拠出年金(DC)の存在も見逃せません。たわらノーロード先進国株式はDCでの採用も見られ、iDeCoでは楽天証券や、みずほ銀行などの商品ラインナップに入っています。DCは自動的に買い付けが続くため、これは安定した資金流入につながっている可能性があります。





ネット証券以外では選択肢が限られることが多く、たわらノーロード先進国株式はそこで強みを発揮しているのではないかと思います。
これから買うならどれか?
たわらノーロード先進国株式やeMAXIS Slim先進国株式と比べて、激減したように見えるニッセイ外国株式の先行きが不安になるという人もいるでしょう。
資金流入は、買われた額(設定)から売られた額(解約)を差し引いたものです。ニッセイ外国株式の近年の動向を把握するために、請求目論見書に載っている決算期ごとの設定口数・解約口数をもとに、金額を概算してみました。
| 決算期 | 期間 | 設定額(概算) | 解約額(概算) | 差し引き |
| 第7期 | 2019年11月 〜2020年11月 |
921億円 | 433億円 | +488億円 |
| 第8期 | 2020年11月 〜2021年11月 |
988億円 | 451億円 | +537億円 |
| 第9期 | 2021年11月 〜2022年11月 |
1011億円 | 401億円 | +610億円 |
| 第10期 | 2022年11月 〜2023年11月 |
955億円 | 447億円 | +508億円 |
| 第11期 | 2023年11月 〜2024年11月 |
1061億円 | 916億円 | +145億円 |
| 第12期 | 2024年11月 〜2025年11月 |
948億円 | 868億円 | +80億円 |
| 第13期 (中間) |
2025年11月 〜2026年5月 |
489億円 | 493億円 | −4億円 |
※設定口数・解約口数に、期中の平均基準価額を掛ける方法で概算。
設定額は年1000億円前後を維持していて、この6年ほとんど変わっていません。変わったのは解約額で、新NISAが始まった2024年を含む第11期から大幅に増えました。直近の半年では、設定と解約がほぼ同額です。





つまり、新たに買われなくなったのではなく、これまでの保有者の売りが増えたことが主因です。
実は私もその1人です。これまで旧一般NISAではニッセイ外国株式を中心に購入していましたが、2023年から2025年まで毎年、旧NISAの運用終了に合わせて年末に売却し、年始に新NISAで「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」を買ってきました。
参考までに、たわらノーロード先進国株式とeMAXIS Slim先進国株式も、2024年前後に解約額が前期の約2倍に増えています。ただ、この2つのファンドは設定額も大きく伸びていました。この点は解約額が設定額に迫っているニッセイ外国株式とは異なる部分です。
将来の純資産総額に大きな影響を及ぼす資金流出入はファンド選びの大きなポイントです。とくに数十年にわたって保有するつもりであれば、現在の純資産総額が多く、かつ資金流入も多いファンドを選ぶべきです。





そこで、これから先進国株式のインデックスファンドを買うなら、①たわらノーロード先進国株式、②eMAXIS Slim先進国株式を選ぶのが望ましいでしょう。
とはいえ、ニッセイ外国株式の運用の継続を10年・20年程度で心配する必要はないでしょう。純資産総額は1兆円を超えていますし、いまも年1000億円規模で買われているファンドです。コストも成績も互角ですから、すでに持っている人が乗り換える理由もありません。





3本が抜きつ抜かれつで競ってきたからこそ、先進国株式のコストはここまで下がりました。これからも、いい意味での競争を続けてほしいですね!




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