【2025年1月】先進国株式インデックスファンドのリターン比較とおすすめ【リターン・信託報酬・実質コスト・純資産総額の一覧】

240104 先進国株式インデックスファンド比較 証券会社・運用会社
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この記事は主要なインデックスファンドのリターンを比較するシリーズの「先進国株式」編です。NISAのつみたて投資枠対象の商品を取り扱っています。

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インデックスファンドのリターンは、「配当込み指数の動き」と「運用のコスト・誤差」によって決まります。同種のインデックスファンドであれば指数の動きは同じですので、運用のコストや誤差がなるべく小さいファンドが投資家にとって優れた商品ということになります。

そこで、この記事では、基準価額の推移をもとにこれまでの運用状況を比較しています。

最終的な損益を分析することで、見えないコスト面も含んだファンドの総合的な実力を知ることができます。

◆最近の更新
2025/01/18 2024年12月末の情報にて新規公開

先進国株式インデックスファンドには日本を含む指数と含まない指数があり、さらに為替ヘッジの有無によって4種類の対象指数(ベンチマーク)があります。

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MSCI Kokusai

MSCI Kokusai(MSCIコクサイ)指数は米国MSCI社が算出する時価総額加重平均型の株式指数です。先進国の指数であるMSCI World指数から日本を除いたもので、日本を含まない先進国22か国の約1,200銘柄から構成されています。大型株・中型株を中心に、対象国の時価総額の約85%をカバーしています。

通常はMSCI Kokusai指数と言われますが、MSCI World指数の1類型です。

国別では米国が約78%を占めています。以降は英国・フランス・カナダなどが続きますが、いずれも5%未満です。「先進国株式」という名称からは先進国全体へ広く分散投資するイメージですが、大半は米国株ということですね。

指数を構成するトップ5社は次の通りです(2024年12月時点)。

銘柄 構成比
アップル 5.76
エヌビディア 4.98
マイクロソフト 4.50
アマゾン・ドット・コム 3.14
メタ・プラットフォームズ 1.94

この5社で指数の約20%を占めています。多くの銘柄に投資していますが、米国のトップ企業の動向にかなりの影響を受けることになりますね。

このMSCIコクサイ指数に連動するインデックスファンドには、為替ヘッジをかけていないものとかけているものがあります

MSCI Kokusai 為替ヘッジなし

為替ヘッジなしのファンドは以下の通りです。

なお、信託報酬は税込、純資産総額の単位は百万円。ファンドは、①信託報酬率が安い、②運用期間が長い(設定日が古い)順に並べています。また、緑色の欄は「前月末までの◯年間の総リターン」を示し、黄色の欄は過去5年における1年ごとのリターンを示しています。「過去1年の資金流入(概算)」は1年前と現在の純資産総額の差を過去1年のリターンで補正する方法で概算しています。

名称 信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン 過去5年における1年ごとのリターン 過去1年の
資金流入
(概算)

決算日 設定日 備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
野村スリーゼロ
先進国株式投信
0.00000% 0.013% 32,932 34.78% 69.09% 34.78% 32.57% -5.36% 38.52% 13,789 2024/12/20 2020/03/16 信託報酬は2030年12月31日まで0%,その後は0.10%以内
ステート・ストリート
グローバル株式
0.07480% 未決算 20 2024/12/02 2024/01/11
楽天・プラス
先進国株式(除く日本)
0.08800% 0.231% 8,032 34.68% 34.68% 5,793 2024/07/16 2023/12/22 実質コストは概算
eMAXIS Slim
先進国株式
0.09889% 0.137% 886,739 34.67% 68.72% 154.44% 34.67% 32.46% -5.42% 38.35% 9.01% 227,172 2025/04/25 2017/02/27 信託報酬は5000億円以上の部分が0.0893%、1兆円以上の部分が0.0887%
<購入・換金手数料なし>
ニッセイ
外国株式
0.09889% 0.127% 814,112 34.61% 68.52% 153.98% 248.66% 34.61% 32.45% -5.48% 38.23% 9.03% 164,091 2024/11/20 2013/12/10
たわらノーロード
先進国株式
0.09889% 0.129% 744,578 34.56% 68.48% 153.99% 34.56% 32.48% -5.49% 38.33% 8.98% 236,912 2024/10/15 2015/12/18
My SMT
グローバル株式
0.10230% 0.138% 24,164 34.63% 68.60% 153.45% 34.63% 32.42% -5.43% 38.16% 8.81% 12,439 2024/10/21 2017/11/24
SMBC・DCインデックス
MSCIコクサイ
0.10230% 0.154% 28,120 34.52% 68.01% 34.52% 32.29% -5.59% 37.95% 14,665 2024/12/02 2020/07/22
iFree
外国株式
0.20900% 0.240% 71,230 34.47% 68.12% 152.90% 34.47% 32.30% -5.50% 38.21% 8.84% 22,274 2024/12/02 2016/09/08
東京海上
外国株式
0.22000% 0.264% 95,921 33.96% 67.67% 152.41% 246.77% 33.96% 32.25% -5.36% 38.59% 8.62% 27,304 2024/04/15 2010/04/28
つみたて
先進国株式
0.22000% 0.260% 331,638 34.50% 68.10% 152.90% 34.50% 32.30% -5.53% 38.19% 8.88% 113,845 2024/06/25 2017/08/16
Smart-i
先進国株式
0.22000% 0.274% 102,986 34.44% 67.75% 152.61% 34.44% 32.22% -5.62% 38.47% 8.75% 39,137 2024/06/25 1899/12/30
NZAM・ベータ
先進国株式
0.22000% 0.783% 5,217 34.23% 34.23% 1,009 2024/03/25 2023/03/28
SMT
グローバル株式
0.55000% 0.588% 249,661 34.05% 66.51% 148.67% 237.70% 624.43% 34.05% 31.86% -5.79% 37.70% 8.46% 46,078 2024/11/11 2008/01/09
三井住友DS
外国株式指数ファンド
0.55000% 0.601% 12,474 34.18% 66.81% 149.94% 240.62% 638.64% 34.18% 31.97% -5.80% 37.87% 8.67% 3,510 2024/12/02 2009/10/19
野村インデックスファンド
外国株式
0.60500% 0.618% 76,896 33.97% 66.05% 148.13% 235.74% 33.97% 31.76% -5.93% 37.69% 8.53% 18,992 2024/09/06 2010/11/26
日興・インデックスファンド
海外株式(為替ヘッジなし)
0.63800% 0.880% 29,785 33.90% 65.25% 145.94% 228.30% 599.60% 33.90% 31.49% -6.14% 37.38% 8.33% 5,539 2024/10/28 2001/10/17
eMAXIS
先進国株式
0.66000% 0.690% 112,515 33.92% 65.92% 147.34% 233.60% 618.36% 33.92% 31.72% -5.94% 37.54% 8.39% 22,850 2024/01/26 2009/10/28

直近1年間のリターン(緑色の欄の一番左)では、2022年1月以来、「野村スリーゼロ先進国株式投信」が28回、「東京海上・外国株式」が11回トップを獲得しています。

「野村スリーゼロ先進国株式投信」は2030年までの期間限定で信託報酬がゼロです。設定以来、1年リターンの1~2位に入ってきています。

信託報酬は低い他のファンドよりも好成績なことから、このくらいの水準の信託報酬でもリターンへの影響は大きいことがうかがえます。

「東京海上・外国株式」は好成績の期間もありましたが、一時的に指数に連動せず、上方乖離した可能性があります。

リターンや純資産総額などを見る限り、安心感が高いのは「eMAXIS Slim先進国株式」「たわらノーロード先進国株式」「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式」あたりだと思います。

MSCI Kokusai 為替ヘッジあり

続いて、MSCI Kokusaiの為替ヘッジありの投資信託を比較します。

海外資産から得られる損益は、資産そのもののリターンに為替の変動を合わせたものです。為替ヘッジ付きの投資信託は、このうち為替の変動の影響を取り除くように設計されています。ファンド名の後ろにつけた「(H)」は為替ヘッジありのファンドであることを意味しています。

名称 信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン 過去5年における1年ごとのリターン 過去1年の
資金流入
(概算)
決算日 設定日 備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
iFree
外国株式(H)
0.20900% 0.260% 12,626 15.95% 8.70% 53.77% 15.95% 16.12% -19.27% 25.84% 12.42% 2,766 2024/12/02 2017/08/31
たわらノーロード
先進国株式(H)
0.22000% 0.255% 29,304 16.33% 9.27% 54.60% 16.33% 16.25% -19.20% 26.00% 12.29% 5,556 2024/10/15 2016/10/03
つみたて
先進国株式(H)
0.22000% 0.277% 2,598 15.95% 8.61% 53.00% 15.95% 16.05% -19.28% 25.81% 11.97% 552 2024/06/25 2017/08/16
野村インデックスファンド
外国株式(H)
0.60500% 0.628% 8,997 15.59% 7.67% 51.24% 121.89% 15.59% 15.69% -19.48% 25.42% 11.99% 687 2024/09/06 2013/05/07
日興・インデックスファンド
海外株式(H)
0.63800% 0.911% 1,871 16.05% 8.74% 51.76% 118.12% 258.86% 16.05% 15.50% -18.87% 24.83% 11.80% 137 2024/10/28 2001/10/17

直近1年間のリターン(緑色の欄の一番左)では、2022年1月以来、「たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり)」が35回、「iFree外国株式(為替ヘッジあり)」が2回トップを取っています。

信託報酬では「iFree先進国株式(為替ヘッジあり)」が最も安いのですが、1年リターンでは「たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり)」が上回る場合がほとんどです。

1年ごとのリターン(黄色の欄)を見ても「たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり)」を選ぶほうがよさそうです。

なお、為替ヘッジのあり・なしの商品数や純資産総額を比べると大きな差があります。つまり、ほとんどの人は為替ヘッジなしのほうを選んでいるということです。

為替ヘッジにはその分のコストがかかってくるうえに、長期的には価格変動に占める為替の割合は株式の値動きよりも小さいとされているため、株式への長期投資を考えている場合は為替ヘッジなしのファンドでよいと私は考えています。

MSCI World

MSCI World指数は、MSCI Kokusai指数に日本を加えたもので、先進23か国からなる指数です。MSCI ACWI(オールカントリー指数)から新興国を除いたものと同じです。

日本の占める割合は5%程度ですので、値動きには大きな差はありません。

名称 信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン 過去5年における1年ごとのリターン 過去1年の
資金流入
(概算)
決算日 設定日 備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
eMAXIS Slim 先進国株式
(含む日本)<オール先進国>
0.09889% 未決算 1,674 未決算 2024/10/25

設定直後ですが、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」とマザーファンドを共有しているため、運用には大きな心配はないでしょう。

FTSE Developed All Cap Index

FTSE Developed All Cap Indexは、英国FTSE Russell社が提供する指数で、日本を含む先進国25か国を対象としています。約5,700銘柄を組み入れ、各国における株式市場の時価総額の90~95%程度をカバーする指数です。

MSCIコクサイ指数との違いは、日本・韓国を含むことと、時価総額がより小さい銘柄も多数組み入れていることです。

国別では米国が約72%を占めています。日本と韓国を含むため、米国の割合はMSCI Kokusai指数よりは低いですが、大半は米国であることは変わりません。

指数を構成するトップ5社は次の通りです(2024年12月時点)。

銘柄 構成比
アップル 4.59
エヌビディア 4.03%
マイクロソフト 4.02
アマゾン・ドット・コム 2.64
メタ・プラットフォームズ 1.64

この5社で指数の15%を超える程度です。より小型の銘柄も含むため上位5社の占める割合はMSCI Kokusai指数よりも少ないです。

名称 信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン 過去5年における1年ごとのリターン 過去1年の
資金流入
(概算)
決算日 設定日 備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
PayPay投資信託インデックス
先進国株式
0.08720% 1.409% 306 30.27% 30.27% 185 2024/07/16 2023/06/28 信託報酬,実質コストに原資産経費率約0.03%(年率)含む
SBI・先進国株式
(雪だるま)
0.09820% 0.117% 29,978 30.54% 61.42% 133.90% 30.54% 30.92% -5.56% 33.33% 8.68% 7,231 2024/11/12 2018/01/12 信託報酬,実質コストに原資産経費率約0.03%(年率)含む

直近1年間のリターン(緑色の欄の一番左)では、2024年7月以来、「SBI・先進国株式(雪だるま)」が6回トップを取っています。

日本株・韓国株で合計約8%を占めるため、この動向がリターンにも影響します。

低コストのファンドから選ぶ

MSCI Kokusaiに連動する投信の長期成績を見てみると、信託報酬が0.5%を超えるファンドは、0.1%を切るファンドと比較して大きく劣後していることがわかります。

したがって信託報酬が安いファンドから選択するのが賢明です。信託報酬が0.1%を切る「eMAXIS Slim先進国株式」「たわらノーロード先進国株式」「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式」が有力ではないかと考えています。

ただし、つみたて投資枠で先進国株式しか購入しないのであれば、信託報酬がゼロの「野村スリーゼロ先進国株式投信」を検討してもよいでしょう。2031年以降の信託報酬にもよりますが、期間を通してかなり低コストでの運用ができそうです。

信託報酬が最低水準のファンドはネット証券以外での取り扱いが少ない場合があります。ネット証券以外を使っている場合は、取り扱い販売会社が多い「たわらノーロード先進国株式」「iFree先進国株式」「つみたて先進国株式」の有無を確認すると良いと思います。

なお、日本株を含めた先進国全体に1本のインデックスファンドで投資をするには、「eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)」を選んでみてはいかがでしょうか。

◆全世界株式や米国株式など、その他の指数に連動するファンドの比較はこちらから!

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