なまずんは12月の夜空を見上げてこう言った。
「ドルコスト平均法は手段ではなく結果だ」「全力投資していたら結果的にドルコスト平均法になったのだ」。
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前回の記事ではドルコスト平均法の特徴をもとに,下落相場におけるドルコスト平均法の強みを訴えました。ドルコスト平均法の利点を享受するには,下落局面でも定額の積立を実施しなければなりません。
私もドルコスト平均法で投資信託を購入しています。
しかしながら,私の場合は投資の原資を給与所得に依存するが故に,結果的にドルコスト平均法になっているだけ,というのが今日のテーマです。
「毎月の余力を全力投資」
その意味は,こういうこと。
毎月の余力を打ち込む全力投資が、結果としてドルコスト平均法になる
— ミドノン (@LearnMidonon) 2018年12月27日
ミドノンさんが指摘するのは,毎月の余力をもとに投資すると,結果的にドルコスト平均法になるという投資パターンです。
退職金や遺産の運用のように大金を運用開始するのと違って,そもそもサラリーマンには資金余力が少ないものです。投資を続けるためには給与から投資する必要があります。もちろん,本当に余力の全額を投資しているわけではないでしょうけれど(一部を貯蓄,一部を投資に回したときも,結果的には同じように余力投資法になります)。
期待値だけを考えれば,一括投資が有利とされる
ドルコスト平均法は資産の平均取得価額を平準化できる特徴があるため,高値づかみを防ぐには効果的な方法です。一方で,すでに持っている大金を原資にドルコスト平均法で投資を始めると,資金効率が悪いです。積み立て当初は運用資産の大部分を現金で持つことになり,現金を本当に「寝かせておく」ことになるためです。
現金で保有している資産は価格が上昇することもなく,配当金も出ません。リターンを得るにはリスクを取らなければならないのです。より多くのリターンがほしいのであれば,より多くの資産をリスク資産で持たなければなりません。
「暴落のタイミングを待って,一括投資する」という考えもあります。しかし,いつ来るかわからない暴落を待ち続けるのはある意味「賭け」です。しかも,暴落が来たからといって買い向かえるとは限りません。
将来の株価は予測できないとの考え方に立てば,収益機会を最大化するために,理論上はできるだけ早い時期に投資を開始するのがよいのです。
給与の「分散した一括投資」の効率は
多くのサラリーマンには大きな資産がありませんから,投資をしようと思えば毎月の給与の一部を投資に回すことになります。
これを,「ドルコスト平均法で毎月投資している」と言えばその通りですが,見方を変えれば「余剰資金の一括投資」を毎月繰り返している構図です。
そもそも,「投資可能な現金を一括投資」という方法は,資産を持たないサラリーマンには取れない選択肢なのですから。
結局のところドルコスト平均法とか分割投資は有利なのかどうかの議論は
そんなこと言っても給料から出せる分を毎回全力投資するとそうなるんですけど・・・
という元も子もない結論で幕が引かれる
手に入れたお金はなるべく早くリスクにさらした方が儲かるという、一括投資が有利であるのと同じ理由で— いぬデックス (@binboinvest) 2018年8月26日
いぬデックスさんの言及した通り,理屈に従えば,運用予定の資金はなるべく早くリスク資産に換えたほうがよいです。したがって前向きにとらえれば,サラリーマンにとって毎月の給与を原資とした投資法は,ドルコスト平均法の特徴である平均取得価額を平準化しながら,得た資金を効率良く運用できる方法と考えてもよいかもしれません。
◆下落相場こそ継続しましょう。ドルコスト平均法は下落相場で積み立てを続けて初めてメリットが生まれます。
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