2022年1月22日に,「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」(FOY2021)の表彰式が開催されました。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年からオンライン開催になっています。
FOYは今年で15周年!
FOYは今年で15回目の開催です。公式ページによれば,表彰式は2008年の第2回から行っているそうです。個人投資家だけでなく,近年は運用会社からの注目も高まっているイベントです。
証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず,自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び,それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
引用元:投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020
表彰式は2部構成
表彰式の配信は2部構成でした。昨年と同様に,第1部では投票者の投信に寄せる熱いコメントが紹介されました。そして第2部が投票結果です。この記事では,おもに第2部の結果と私の感想を紹介します。
FOY2021の上位入賞ファンド
第1位から第5位まで
第2位 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式(前年2位)
第3位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)(前年3位)
第4位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(前年9位)
第5位 iFreeレバレッジ NASDAQ100(前年12位)
第1位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が3年連続のトップです。圧倒的な強さ。
全世界にこの1本で分散投資できるうえに,信託報酬は業界最低水準。設定から3年以上が経ちましたが,同種ファンドと比べて運用実績は申し分ありません。「資産運用を1本の投資信託だけで進めるなら? と聞かれたら,このファンド!」と推薦するブロガーも多いです。
第2位は「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式」。8年連続のトップ10入り……というより,8年連続で4位以上を維持しています。受賞コメントにあったように,2013年の設定以来ずっと資金流入が続いていて,長く積立購入している人が多いのでしょう。これまでに何度も信託報酬を引き下げていて,その点を評価する人も多いです。
第3位は「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」。2008年に初めて入賞してから,こちらも上位の常連です。バンガードのETFはそのしくみからして投資家目線が徹底しており,純資産総額も桁違いという安心感があります。
第4位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」でした。2021年も米国株式は順調な成績で,前年よりも順位を大きく上げました。第1位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を純資産総額では大きく上回り,「売れ筋」で考えればこれがトップです。
第5位は「iFreeレバレッジ NASDAQ100」が10位以内に初入賞。2021年は「レバナス」が流行語になるほど注目を集めました。この数年のNASDAQ100の上昇はすさまじく,それに2倍レバレッジをかけたこともあって,3年リターンランキングでは投信数千本のなかでトップを獲得したそうです。
大和投信投資顧問のコメントにもありましたが,「リスクを十分に検討するように」とのこと。レバレッジ型ならではの特徴には賛否両論の面がありますので,自分にとってどんな影響があるかを理解したうえで購入するか判断しましょう。
第6位から第10位まで
第7位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(前年4位)
第8位 楽天・全米株式(前年11位)
第9位 たわらノーロード先進国株式(前年14位)
第10位 SBI・V・全米株式(初)
第6位から第9位までは,これまでに入賞歴があるファンドが入りました。初めてランクインした「SBI・V・全米株式」は2021年6月に設定された新しいファンドです。SBI・VシリーズにはS&P500連動のファンドもありますが,こちらがより上位に入りました。
過去5年間の順位の入れ替わり
過去5年間の上位入賞ファンドの推移を表にしてみました。
- 赤=eMAXIS Slimシリーズ
- 緑=楽天バンガードシリーズ
- 青=<購入・換金手数料なし>シリーズ
- 灰=バンガードETF
- 紫=アクティブファンド
今回はアクティブファンドが1本も入らない結果となりました。また,今回はS&P500と全米株式2本,NASDAQ100と米国株式関連のファンドが4本を占めました。
2022年はここまで株価が下落基調ですが,今年はどんなファンドが注目を集めていくのでしょうか。
次回は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が4連覇するのか,他のファンドが盛り返すのか,はたまた新星が現れるのか。いずれにしても楽しみです!
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