金融情報サービスのQUICKが5月18日に配信したニュースによれば,三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が,国内の運用会社によるインデックス型投資信託のなかで純資産総額がトップになりました。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の純資産総額は2021年5月18日時点で4,196.43億円。設定から3年も経たずに到達しました。
アクティブ型の投資信託も含めると19番目の大きさだそうです。
なお,「インデックス型」という定義はややあいまいです。記事中には具体的な線引きが示されていませんが,おそらく単一の指数に連動するファンドであると思います。
トップ10に米国株式インデックスファンドが3本入る
記事にはインデックス型投資信託のうち,純資産総額の多い第10位までが紹介されていました。そのうちつみたてNISA対象ファンドは太字の7本です。
ファンド名 | 純資産総額(億円) |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 4,138 |
ダイワJ-REITオープン(毎月分配型) | 4,078 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 2,754 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 2,611 |
インデックスファンド225 | 2,007 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 1,994 |
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド | 1,985 |
DIAM世界リートインデックスファンド(毎月分配型) | 1,931 |
日経225ノーロードオープン | 1,853 |
ニッセイ日経225インデックスファンド | 1,848 |
上位に目をひくのは米国株式インデックスファンドです。第1位となった「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のほかにも,「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」,「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」も入ってきました。2021年に入ってからの資金流入額はどのファンドも500億円を超えていて,速いペースで資金を集めています。
日本を除く先進国株式インデックスに連動する「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」も合わせれば,5本が外国株式のインデックスファンドです。
いずれもつみたてNISA対象のファンドですね。
旧来からある信託報酬が高い日経平均インデックスファンドは順位を下げ,この数年で設定された低コストの外国株式のインデックスファンドが駆け上がってきました。
三菱UFJ国際投信は投信の運用残高でランクをあげた
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を筆頭に,eMAXIS Slimシリーズの売れ行きは好調です。すでに三菱UFJ国際投信の公募型の追加型株式投資信託の純資産総額にも影響を及ぼしています。
三菱UFJ国際投信の純資産総額は4月末で約7.7兆円でしたが,eMAXIS Slimシリーズはその7分の1を占めるまでになりました。
◆およそ1か月前の4月13日に,eMAXIS Slimシリーズの純資産総額が1兆円を突破しました。
直近の三菱UFJ国際投信の週間販売ランキングでも,eMAXIS Slimシリーズが3本入っています。
このような状況も背景に,2021年4月末には三菱UFJ国際投信は投信の運用残高の合計で業界3位に浮上しました。運用会社の規模の順位はその他の要因でも変動しますが,安定して個人投資家から買われていくのは良いことでしょう。
日本にいながら外国の資産を保有できるのは素晴らしい
ファンドの純資産総額からわかるように,多くの人が優れた外国株式インデックスファンドを活用できていることは素晴らしいことです。
パソコンやスマートフォンの前にいながら,外国の資産を低コストで保有できるのは本当に,本当に便利なことです。これを私たちの武器にしないわけにはいきません。
外国企業の収益の一部を,投資を通じて日本にいながら得ていく。この流れは,この先も日本で豊かに暮らすうえで重要な選択でしょう。
株式時価総額でも,世界に占めるGDPでも日本は5~8%に過ぎません。日本を切り捨てる必要はありませんが,よく言われるように,資産運用はグローバルに考えていく必要があると私も考えています。
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