【2022年12月】米国株式インデックスファンドのリターン比較とおすすめ【リターン・信託報酬・実質コスト・純資産総額の一覧】

220103米国株式インデックスファンドのリターン比較とおすすめ 証券会社・運用会社
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【2024年3月】最新ファンド比較記事一覧
当ブログではNISAつみたて投資枠対象のインデックスファンドとアクティブファンドのリターン・信託報酬・実質コスト・純資産総額などを一挙に比較しています。 最新情報を毎月更新。 「本...

つみたてNISAの対象商品には14本の米国株式インデックスファンドがあります。

しかし、同種のインデックスファンドでも、その運用成績はまったく同じにはなりません。コストや運用によって差がでます。

では、最も運用成績がよいファンドはどれでしょうか?

この記事では、基準価額の推移をもとに過去の損益率を比較しました。最終的な損益を分析することで、見えないコスト面も含んだファンドの総合的な実力を知ることができます。

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米国株式インデックスファンドの対象指数は2種類

つみたてNISA対象の米国株式インデックスファンドには、2種類の対象指数(ベンチマーク)があります。

S&P500

S&P500は、米国S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出する時価総額加重平均型の株式指数です。米国を代表する約500銘柄で構成されます。

指数を構成するトップ5社は次の通りです。

銘柄 構成比
アップル 6.70%
マイクロソフト 6.41%
アルファベット 4.28%
アマゾン・ドット・コム 3.94%
テスラ 2.40%
S&P500指数は約500社から構成されますが、上位5社だけで指数の約24%を占めているんですね。

S&P500指数に連動するおもなインデックスファンドは8本あります。信託報酬は税抜、純資産総額の単位は百万円です。ファンドは、①信託報酬率が安い、②運用期間が長い(設定日が古い)、という順に並べています。

ファンド名称 1年
損益率
3年
損益率
5年
損益率
信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
決算日 設定日 備考
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
5.14% 65.49% 0.088%
以内
0.112% 1,630,154 2022/04/25 2018/07/03
SBI・V
S&P500
5.07% 64.74% 0.088% 0.104% 726,322 2022/09/14 2019/09/26 信託報酬に原資産経費率約0.03%(年率)含む
SMBC・DCインデックス
S&P500
5.06% 0.088% 0.128% 9,927 2021/11/22 2020/07/22
iシェアーズ米国株式
S&P500
4.82% 63.04% 96.20% 0.088% 0.419% 14,885 2022/05/02 2013/09/03 信託報酬に原資産経費率約0.03%(年率)含む
My SMT
S&P500
0.088% 未決算 2,853 未決算 2022/03/29
つみたて
米国株式(S&P500)
5.01% 0.200% 0.238% 5,730 2022/06/27 2020/03/06
Smart-i
S&P500
4.72% 0.220% 0.386% 6,257 2022/06/27 2020/07/29
iFree
S&P500
4.99% 64.87% 99.24% 0.225% 0.273% 76,446 2022/09/07 2017/08/31
NZAM・ベータ
S&P500
4.94% 0.240% 0.440% 261 2021/12/13 2020/02/13
ステート・ストリート
米国株式
4.65% 63.73% 97.17% 0.450% 0.541% 44,237 2022/03/10 2017/09/29
農林中金<パートナーズ>
つみたてNISA S&P500
4.69% 62.91% 0.450% 0.653% 8,933 2021/11/15 2017/12/19

信託報酬が最も低い「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の運用成績が最も良い結果となっています。これは2022年1月以来12か月連続です。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は純資産総額でもトップです。コスト面では「SBI・V・S&P500」が優位な結果ですが、リターンでは下回っています。

そのため、S&P500指数に連動するインデックスファンドを買うなら、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のほうが安心ではないかと考えています。

なお、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「SBI・V・S&P500」は運用方法が異なります。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は構成銘柄を自社のマザーファンドで直接買い付け、「SBI・V・S&P500」はマザーファンドを通じてバンガードのVOO(バンガード・S&P500ETF)を購入することで構成銘柄をそろえていきます。

VOOを購入する方法は、ファンドの規模が小さいうちは有効な手段です。一方で規模の拡大にともなうメリットは得づらいかもしれません。

なお、過去2年ほどの運用状況では、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のほうが良好な成績でした。運用方法が異なるため、運用報告書上には出てこないコスト差などが発生している可能性はあります。

CRSP U.S. Total Market

CRSP U.S. Total Market指数は、米国株式市場に上場する約4000銘柄をほぼ全てカバーする時価総額加重平均型の株式インデックスです。S&P500と比較して、時価総額の小さい銘柄(小型株)も組み込むことが特徴です。

S&P500指数と比較して、組入銘柄数は8倍です。でも、時価総額が小さい銘柄はごく少ない割合にしかなりません。

指数を構成するトップ5社は次の通りです。

銘柄 構成比
アップル 5.59%
マイクロソフト 5.35%
アルファベット 3.51%
アマゾン・ドット・コム 3.25%
テスラ 1.98%
膨大な銘柄数からなる指数ですが、上位5社で約20%以上を占めています。ただ、S&P500と比較するとその割合は低くなりますね。

この指数に連動するインデックスファンドは2本です。

ファンド名称 1年
損益率
3年
損益率
5年
損益率
信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
決算日 設定日 備考
SBI・V
全米株式
2.60% 0.088% 0.110% 120,166 2022/07/11 2021/06/29 信託報酬、実質コストに原資産経費率約0.03%(年率)含む
楽天
全米株式
2.49% 61.68% 93.27% 0.150% 0.187% 742,372 2022/07/15 2017/09/29 信託報酬、実質コストに原資産経費率約0.03%(年率)含む

2022年6月に、「SBI・V・全米株式」が運用開始から1年を迎えました。以降、5か月連続で「SBI・V・全米株式」のほうが運用成績が良好です。

「SBI・V・全米株式」と「楽天・全米株式」の運用方法は同じです。マザーファンドを通じて米国バンガードのVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)を購入しています。

「SBI・V・全米株式」のほうが信託報酬が安いのが一因でしょう

といっても差はわずかなので、優位性がはっきりするまでは「楽天・全米株式」を選んでもよいかもしれません。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が最も安心か

ウォール街のランダム・ウォーカー』のバートン・マルキールや『敗者のゲーム』のチャールズ・エリスをはじめ、インデックス投資に関する研究の多くはS&P500指数を主な対象にしてきました。また、米国で最初に組成されたインデックス商品もS&P500指数に連動するものです。

一方で、CRSP U.S. Total Market指数にも定評があり、バンガードのVTIがベンチマークとしています。S&P500指数もCRSP U.S. Total Market指数も米国株の人気の指数です。

S&P500指数は大型株で、CRSP U.S. Total Market指数はそれ以外の株も含んでいます。そのため、大型株の株価の騰落率がその他を上回れば、S&P500指数のリターンのほうが高くなり、逆であればCRSP U.S. Total Market指数のリターンのほうが高くなります。

しかしながら、時価総額において中・小型株の占める割合は大きくありません。どちらの指数を選ぶかによって、最終成績に大きな違いはないでしょう。

中小型株の有無にこだわりのある人でなければ、これらの指数の差を考える必要はありません。この点は、全世界株式のMSCI ACWIとFTSE Global All Cap指数の関係に似ています。

指数の差に必要以上に悩むよりも、投資を始めて、継続していくほうがずっと重要です。

今から投資商品を選ぶのであれば、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が最も安心であるように思います。または信託報酬が同水準に安い「SBI・V・S&P500」を選ぶのがよいでしょう。

個人的にはこれまでの運用成績がよい「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のほうを評価しています。

ただ決め手には欠けていて、SBIやiFreeと差があってもわずかです。また、CRSP U.S. Total Market指数に連動する「SBI・V・全米株式」と「楽天・全米株式」も優れていて悩ましいのですが、運用実績の少なさや信託報酬の差がばかり気になります。

とはいえ、大きな懸念はありません。これらはどれも運用の相棒にふさわしいのではないかと思います。

◆全世界株式や先進国株式など、その他の指数に連動するファンドの比較はこちらから!

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