2023年3月15日、三菱UFJ国際投信が「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の信託報酬を引き下げることを発表しました(プレスリリース)。
これまでも米国株式インデックスファンドでは、信託報酬は税抜で最安値でしたが、競合するファンドがより低コストな商品を発表したため、それに追随した信託報酬の引き下げとなりました。
実質的な信託報酬は税抜0.084%台前半に
発表された信託報酬は次のとおりです(画像はプレスリリースより)。
変更点は2つあり、1つは表の2列目のように信託報酬が下がること、もう1つは表の1列目に書かれている「ファンドの純資産総額に応じて」信託報酬を引き下げる部分の基準が変わりました。
2つ目の変更によって、これまでより資産規模に応じて信託報酬が切り替わる基準が上がったものの、そもそもの信託報酬がより低く改定されたことから、投資家にとっては全体的には朗報です。
なお、信託報酬の内訳は、変更前は委託会社(=運用会社、つまり三菱UFJ国際投信)の取り分が減っていくことで信託報酬が下がっていきましたが、変更後は委託会社の取り分は0.0001%ずつしか減らず、受託会社(三菱UFJ信託銀行)の取り分を減らして捻出する構造になりました。
どうしてこうなっているのかは不明ですが、合計の信託報酬は資産規模が増えるにしたがって、最大0.0012%減っていくようになりましたね。
なお、3月15日時点の純資産総額1,805,810万円で信託報酬を試算すると下表のようになります。
信託報酬 | |
変更前 | 0.087042% |
変更後 | 0.084498% |
実質的には0.0025%ほどの信託報酬引き下げとなりました。
税抜で0.085%を切って、さらに超低コストになりますね。
なお、信託報酬の引き下げは4月25日の予定です。
「たわらノーロード S&P500」が同水準の信託報酬で新規設定見込み
今回の信託報酬の引き下げのきっかけとなったのは、アセットマネジメントOneによる「たわらノーロード S&P500」の新規設定(設定日:2023年3月30日)であることが予想されます。
ファンド情報を継続的にウォッチしていらっしゃるしんたろうさんのブログは本当に情報が早いです。
これまで信託報酬が業界最低水準だった「SBI・V・S&P500」が同様に信託報酬を引き下げるのか、またそれ以外の運用会社のファンドにも影響が及ぶかどうかも気になるところです。
業界最低水準を更新する新規設定日ファンドを企画しているアセットマネジメントOneにも、それに迅速に対応する三菱UFJ国際投信にも、投資家の期待に応える姿勢には好感を持てます。
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