【2023年1月】米国株式インデックスファンドのリターン比較とおすすめ【リターン・信託報酬・実質コスト・純資産総額の一覧】

230102 米国株式インデックスファンド比較証券会社・運用会社
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この記事はつみたてNISA対象の商品のリターンを比較する以下のシリーズの「米国株式」編です。
【2023年1月】最新ファンド比較記事一覧
当ブログではつみたてNISA対象のインデックスファンドとアクティブファンドのリターン・信託報酬・実質コスト・純資産総額などを一挙に比較しています。リターンは最大20年の長期の騰落率...

インデックスファンドのリターンは、「配当込み指数の動き」と「運用のコスト・誤差」によって決まります。同種のインデックスファンドであれば指数の動きは同じですので、運用のコストや誤差がなるべく小さいファンドが投資家にとって優れた商品ということになります。

そこで、この記事では、基準価額の推移をもとにこれまでの運用状況を比較しています。

最終的な損益を分析することで、見えないコスト面も含んだファンドの総合的な実力を知ることができます。

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米国株式インデックスファンドの対象指数は2種類

米国株式インデックスファンドには、2種類の対象指数(ベンチマーク)があります。

S&P500

S&P500は、米国S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出する時価総額加重平均型の株式指数です。米国を代表する大型株約500銘柄で構成され、米国市場における企業の時価総額の約80%をカバーします(2022年12月時点)。

指数を構成するトップ5社は次の通りです。

銘柄構成比
アップル6.50%
マイクロソフト5.53%
アマゾン・ドット・コム2.49%
アルファベット1.76%
バークシャー・ハサウェイ1.67%
S&P500は約500銘柄から構成されますが、上位5社だけで指数の約18%を占めているんですね。

S&P500に連動するインデックスファンドは以下のとおりです。

なお、信託報酬は税抜、純資産総額の単位は百万円。ファンドは、①信託報酬率が安い、②運用期間が長い(設定日が古い)順に並べています。また、緑色の欄は「前月末までの◯年間の総リターン」を示し、黄色の欄は過去5年における1年ごとのリターンを示しています。

名称信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン過去5年における1年ごとのリターン決算日設定日備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
0.088%
以内
0.112%1,598,017-6.09%49.71%-6.09%44.52%10.30%30.51%2022/04/252018/7/3
SBI・V
S&P500
0.088%0.104%710,199-6.11%49.23%-6.11%44.23%10.20%2022/09/142019/9/26信託報酬に原資産経費率約0.03%(年率)含む
SMBC・DCインデックス
S&P500
0.088%0.128%10,245-6.16%-6.16%44.09%2021/11/222020/7/22
iシェアーズ米国株式
S&P500
0.088%0.419%14,811-6.40%47.69%76.81%-6.40%43.37%10.06%29.69%-7.69%2022/05/022013/9/3信託報酬に原資産経費率約0.03%(年率)含む
My SMT
S&P500
0.088%未決算3,3872023/03予定2022/3/29
つみたて
米国株式(S&P500)
0.200%0.238%5,935-6.20%-6.20%44.35%2022/06/272020/3/6
Smart-i
S&P500
0.220%0.386%6,297-6.42%-6.42%43.57%2022/06/272020/7/29
iFree
S&P500
0.225%0.273%73,539-6.25%49.12%79.48%-6.25%44.30%10.23%30.39%-7.69%2022/09/072017/8/31
NZAM・ベータ
S&P500
0.240%0.440%271-6.23%-6.23%43.96%2021/12/132020/2/13
ステート・ストリート
米国株式
0.450%0.541%44,273-6.56%48.02%77.44%-6.56%44.05%9.97%30.12%-7.87%2022/03/102017/9/29
農林中金<パートナーズ>
つみたてNISA S&P500
0.450%0.653%8,706-6.47%47.43%75.79%-6.47%43.65%9.72%29.69%-8.06%2021/11/152017/12/19

直近1年間のリターン(緑色の欄の一番左)では、信託報酬が最も低い「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の運用成績が最も良い結果となっています。これは2022年1月から13か月連続です。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、過去5年における1年ごとのリターン(黄色の欄)でも好成績ですので、直近で上方乖離して長期リターンがよく見えているのではなく、コストや運用の面で継続的に優位にあると推測されます。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は純資産総額でもトップです。コスト面では「SBI・V・S&P500」が優位な結果ですが、リターンではどの切り口でも下回っています。

そのため、S&P500指数に連動するインデックスファンドを買うなら、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を検討するのがよいでしょう。

なお、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI・V・S&P500」は運用方法が異なります。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は構成銘柄を自社のマザーファンドで銘柄を直接買い付けるのに対して、「SBI・V・S&P500」はマザーファンドを通じて米国バンガード社のVOO(バンガード・S&P500ETF)を購入することで構成銘柄をそろえていきます。

運用方法が異なるため、そのコスト差などがリターンの差につながっている可能性があります。

同じく信託報酬が最安圏のファンドはあと3本あり、1つは2021年にDC専用ファンドからつみたてNISA対象になった「SMBC・DCインデックスS&P500」ですが、これは販売会社が三井住友銀行のみであるのが難点です。

また、2022年8月に信託報酬を0.375%から0.088%へと大幅に引き下げた「iシェアーズ米国株式S&P500」は今後、同種ファンドとのリターンが改善するのではないかと期待しています。

もう1つは「My SMT S&P500」ですが、2022年3月に設定されたばかりなので、検討するのは運用状況がある程度わかってきてからにしたほうがよいでしょう。

CRSP U.S. Total Market

CRSP U.S. Total Market指数は、米国株式市場に上場する約4,000銘柄をほぼ全てカバーする時価総額加重平均型の株式インデックスです。S&P500と比較して、時価総額の小さい銘柄(小型株)も組み込むことが特徴です。

S&P500指数と比較して、組入銘柄数は8倍です。でも、時価総額が小さい銘柄はその分、小さな割合になるため、S&P500とかなり近い値動きをします。

指数を構成するトップ5社は次の通りです(2022年9月時点)。

銘柄構成比
アップル5.95%
マイクロソフト4.90%
アルファベット3.04%
アマゾン・ドット・コム2.76%
テスラ1.99%
膨大な銘柄数からなる指数ですが、上位5社で15%以上を占めています。ただ、S&P500と比較するとその割合は低くなりますね。
名称信託
報酬
実質
コスト
純資産
総額
前月までの長期リターン過去5年における1年ごとのリターン決算日設定日備考
過去
1年
過去
3年
過去
5年
過去
10年
過去
15年
過去
1年
1~2
年前
2~3
年前
3~4
年前
4~5
年前
SBI・V
全米株式
0.088%0.110%118,286-7.66%-7.66%2022/07/112021/6/29信託報酬,実質コストに原資産経費率約0.03%(年率)含む
楽天
全米株式
0.150%0.187%717,868-7.76%46.54%74.28%-7.76%40.90%12.75%29.84%-8.41%2022/07/152017/9/29信託報酬,実質コストに原資産経費率約0.03%(年率)含む

2022年6月に「SBI・V・全米株式」は運用開始から1年を迎えました。それ以降は6か月連続で「SBI・V・全米株式」のほうが運用成績が良好です。

「SBI・V・全米株式」「楽天・全米株式」の運用方法は同じで、マザーファンドを通じて米国バンガード社のETF、VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)を購入しています。

「SBI・V・全米株式」のほうが信託報酬が安いのが、リターンが良い理由の1つでしょう

「SBI・V・全米株式」のほうがリターンがよい傾向が続くのではないかと私は考えていますが、購入できるのがSBI証券のみというのが難点です。それ以外の証券会社で買っているなら、そのまま「楽天・全米株式」を選んでもよいかもしれません。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が最も安心か

ウォール街のランダム・ウォーカー』のバートン・マルキールや『敗者のゲーム』のチャールズ・エリスをはじめ、インデックス投資に関する研究の多くはS&P500指数を主な対象にしてきました。また、米国で最初に組成されたインデックス商品もS&P500に連動するものです。

一方で、CRSP U.S. Total Market指数にも定評があり、バンガードのVTIがベンチマークに採用しています。S&P500もCRSP U.S. Total Market指数も米国株の人気の指数です。

S&P500は大型株で、CRSP U.S. Total Market指数はそれ以外の株も含んでいます。そのため、大型株の株価のリターンが中・小型株を上回れば、S&P500のほうがリターンが高くなり、逆であればCRSP U.S. Total Market指数のリターンのほうが高くなります。

大型株が強いターンと、中・小型株が強いターンは短期的には見られますが、長期的にはどっこいどっこいでしょう。

どちらの指数を選ぶかによって、最終成績に大きな違いはないといえます。この点は、全世界株式のMSCI ACWIとFTSE Global All Cap指数の関係に似ています。

指数の差に必要以上に悩むよりも、投資を始めて、継続していくほうがずっと重要です。

もし1つのファンドだけを選ぶとすれば、純資産総額が最も大きく、かつ運用も問題なく行われていると考えられる「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が最も安心だと思います。

または信託報酬が同水準に安い「SBI・V・S&P500」や、CRSP U.S. Total Market指数に連動する「SBI・V・全米株式」「楽天・全米株式」も有力です。

これらのファンドは低コストかつ大きな問題なく運用されているので、大きな懸念はありません。どれも運用の相棒にふさわしいのではないかと思います。

◆全世界株式や先進国株式など、その他の指数に連動するファンドの比較はこちらから!

【2023年1月】最新ファンド比較記事一覧
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コメント

  1. 17 より:

    いつも有益な情報を発信いただきありがとうございます。
    1点質問させてください。

    掲載されている長期リターンや1年あたりのリターンについて、どのように算出されているのでしょうか。
    ファンド元が発行している運用報告書を見た内容と値が違うため、何か独自で計算されていると推測し、質問させて頂きました。
    当方の単なる認識違いであれば、ご指摘いただけると幸いです。
    (なお、例としてSBI・V・S&P500で拝見しておりました)

    当方が初心者で理解が薄いということもあり、何卒ぶしつけな質問ですが、ご容赦ください。

    • なまずんなまずん より:

      17さん、記事を御覧いただき、またコメントを頂戴し誠にありがとうございます。

      このシリーズ記事に掲載されているリターンは、月末時点の基準価額の変動をもとに計算されています。
      たとえば、「SBI・V・S&P500」の場合なら、直近の月末(2022年12月末)の基準価額は16530円、1年前の月末(2021年12月末)は17606円、2年前の月末(2020年12月末)は12207円、3年前の月末(2019年12月末)は11077円ですので、この値を用いました。
      過去1年のリターンは、直近の月末の基準価額と1年前の基準価額を比較して算出し、過去3年のリターンは直近の月末の基準価額と3年前の基準価額を比較しています。
      1年あたりのリターンは、たとえば2年前~3年前の1年間のリターンであれば、2年前の月末と3年前の月末の数値を用いて計算しています。

      運用報告書におけるリターンも基準価額をもとに計算されますが、決算期の期首(SBI・V・S&P500であれば、9月14日)を基準にリターンが計算されていますので、月末を基準とする私のブログの記事とは計算に用いる期間が異なり、値が異なることになります。
      この記事は決算期が異なる複数のファンドを比較する目的があるので、計算に用いる期間を月末に揃えて計算しています。

      今後もなにかご不明点があればご指摘ください。よろしくお願いいたします。

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