2022年3月から円安傾向が続いています。3月上旬には1ドル115円だったものが、6月8日には約133円台後半に達しました(画像は外為どっとコムより)。3か月で約15%の変動がありました。
この水準は20年ぶりの出来事のようです。この円安は日米の金融政策による影響も大きく、政策に差が縮まる雰囲気はないので、しばらく続くのかなと思っています。
私は20年前は小学生でしたので、その頃は投資家ではないどころか円安の記憶すらありません。意識のある範囲では、人生で最も円安水準を経験している感じです。
なお、対ドルほどではありませんが、ユーロやポンドなどの他の主要通貨に対しても円安傾向にあります。
円安は資産形成を進める層にとっては嬉しくない話
円安というのは資産形成を進める段階の私にとってはありがたくない状況です。その理由は2つあります。
- 輸入品の価格が上がるため消費金額が大きくなる
→生活コストが上がる
→投資できる金額が減る - 購入対象の海外資産が相対的に割高になる
→同じ金額で買える海外資産の量が減る
投資金額が減りやすく、かつ買える量も減るダブルパンチです。
この2つの意味は、要するに「円の価値が下がっている」こと。言い換えれば「日本円でもらう給与の価値が下がっている」と同じことです。せっかく働いて得た給与で、買える物や資産が減ってしまうのは残念です。
積立投資をしている私の資産形成は、「給与の一部を毎月運用に回していく」という構造です。ですので、円の価値が下がる円安は直接的に悪影響を及ぼしています。
幸いにも当分は投資金額を維持できそうです。が、海外資産が割高になってしまうのはどうしようもない。
円安になれば海外から輸入する製品・商品の価格は上がります。国産のものでも、私たちの手元に届くまではエネルギーをはじめとした輸入品が必要ですので、やはり価格は上がります。
すでに保有している外国株などの海外資産は見かけ上膨らみます。そのため、ある程度の対応ができているという見方もできるでしょう。ただ、それは現時点で十分に資産額が大きい人の話で、私のようにまだ投資金額が大きくない段階の人にとっては嬉しくない影響のほうが大きいです。
一方で、円安は輸出産業には好影響です。そういった国内企業の株価が上がるなどして、長い目で見ればバランスが取れてくるのではないかとも思います。
長期的な目線でこれまで通りに運用していく
ただし、円安傾向にあるからといって「追加投資をやめて様子を見る」という選択をとるつもりはありません。
その理由は、①将来は円安がもっと進むかもしれないこと、②物価上昇には円安以外の要因もあることの2つです。
海外から輸入する品目の価格上昇については円安の影響だけでなく、海外のインフレの影響も大きな部分を占めています。長期的にはインフレの要素のほうを考えて準備しておいたほうがいいでしょう。
株式投資は企業の収益がリターンの源泉になるので、大局的に見ればインフレ対策としても効果的な方法といわれます。
円安になると海外資産への投資へのモチベーションが少し下がってしまいますが、為替がもとに戻るかどうか、戻る場合はいつになるかは現時点ではわかりません。また、外国株式からの長期的なリターンにおいては、為替の変動よりも株式のリターンのほうが大きい(決定要因として1対4くらい)という研究結果も出ています。それを考えると、ある程度のデメリットがあるとはいっても、入金と運用を続けておくメリットのほうが上回りそうです。
タイミングをとってうまくいく保証もないため、私としては、現在の状況でもこれまで通りの入金と運用を続けていくのが妥当だろうと思っています。
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