私が保有するなかで最も値動きが激しい指数連動型の商品は,この記事で取り上げるQQQ(Invesco QQQ Trust Series 1;インベスコ QQQ 信託シリーズ1)です。
QQQは人気のETFで,2020年11月7日時点で資産総額は約1418億ドル(約14.6兆円)に及んでいます。
世界的にみても規模の大きなETFです。
◆QQQを購入する投資信託「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」も紹介しています。どちらを選ぶかについては以下の記事をご覧ください。
QQQはナスダック100指数に連動する米国籍ETF
QQQはナスダック100指数への連動をめざす米国籍のETFです。ナスダック100指数は米国の新興企業向け株式市場NASDAQに上場する企業のうち,非金融銘柄で時価総額上位100銘柄の時価総額を加重平均して算出されます。
マウスが3つ並んだようにも見える「QQQ」というティッカーどおりと言うべきなのか,QQQはIT関連株を多く組み込んだ,値動きの激しい新興市場の大型株ETFです。
激しい値動きはときに多くの投資家を魅了してきました。大きな利益を上げた人もいる一方で,その裏側には涙を飲んだ投資家もたくさんいるでしょう。
組入銘柄:IT関連企業の影響が大きい
NASDAQには,米国内外の3000以上の企業が上場しています。そのなかで時価総額の大きな100銘柄ですから,QQQの構成銘柄はどれも世界的な大企業です。
組み入れの上位10銘柄は以下の通りです(2020年11月7日時点,Bloombergより)。
銘柄 | 割合(%) |
---|---|
アップル(AAPL) | 12.99 |
マイクロソフト(MSFT) | 10.78 |
アマゾン・ドット・コム(AMZN) | 10.69 |
フェイスブック(FB) | 4.52 |
アルファベット(GOOGL) | 3.88 |
アルファベット(GOOG) | 3.75 |
テスラ(TSLA) | 3.32 |
エヌビディア(NVDA) | 2.84 |
ペイパル・ホールディングス(PYPL) | 1.95 |
アドビ(ADBE) | 1.94 |
NASDAQは米国企業以外も上場できる市場ですが,上位は米国企業が独占しています。そして,TOP10に入る企業の多くはテクノロジー関連企業です。
直近ではテスラやエヌビディア,ペイパルといった企業も入ってきました。
とくに,アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベット(グーグル)・フェイスブックが上位で,指数の45%を超える勢いです。100種の銘柄に分散投資するETFとはいえ,この5社の値動きがかなり大きな影響を及ぼします。
セクターアロケーションを見てもITセクターが最大です。次いで消費財セクターが多くを占めています。Amazonは消費財セクターに含まれるので,実質的にかなりの割合がIT関連企業ですね(画像はQQQ – Invesco QQQから)。
株価の長期推移:S&P500より激しい値動き
設定(1999年10月3日)以来の長期推移は以下の通りです(Yahoo Financeより)。
2000年後半~2002年のITバブル崩壊と,2008~09年のリーマン・ショック時に激しく値を下げました。直近では,2020年の「コロナ・ショック」でも短期的に大きく下げています。しかし,その後は急回復して,直近では一時300ドルに到達しました。現在も過去最高水準にあります。
なお,ITバブルが崩壊した2000年から2002年では,約5分の1に値を下げています。その後回復基調だったものの,リーマン・ショックで再び大暴落。2009年の一時期は30ドルを下回る価格で取引されていました。
その後の約10年で,約10倍になりました。
米国の代表的な株価指数であるS&P500と比較しても上下に大きく振れていることがわかります(赤:QQQ,グレー:SPY〔S&P500に連動するETF〕)。
S&P500も値動きは小さくありませんが,QQQと比べるとかなり落ち着いているように見えますね。このように,QQQはETFの中では値動きがかなり激しい商品です。
1999年の設定来ではS&P500の2倍を超えるパフォーマンスを上げています。
配当利回り:1%未満
過去12回の配当は以下の通り(単位はドル,1株あたり)
2020/9 | 2020/6 | 2020/3 | 2019/12 | 2019/9 | 2019/6 | 2019/3 | 2018/12 | 2018/9 | 2018/6 | 2018/3 | 2017/12 |
0.388 | 0.424 | 0.363 | 0.458 | 0.384 | 0.416 | 0.324 | 0.421 | 0.330 | 0.378 | 0.277 | 0.239 |
配当利回りは,直近で0.53%です。
S&P500に連動するVOO(バンガードS&P500ETF)の2019年12月の配当利回りが2.01%であることを踏まえると,QQQの配当利回りは低いものです。
というのも,IT企業の多くは低配当,無配当です。リターンの源泉は株価上昇に頼るしかないのがQQQを買う上で留意しておきたい点です。
経費率:0.20%
経費率は0.20%です。
ナスダック100に連動する国内の投資信託と比較するとQQQの経費率は低いです。
たとえば投資信託では,iFreeNEXT NASDAQ100(大和アセットマネジメント)の信託報酬は年0.45%+税,NZAM・ベータ NASDAQ100(農林中金全共連アセットマネジメント)の信託報酬は年0.40%+税です。投資信託の場合は,この他にもコストがかかってきます。
資産形成の中核ではなく,サテライトに
さて,ここからは私の運用方針についてです。こんな投資法もあるのだという程度にお楽しみください。
保有状況:30株
表にしました。購入単価と株数は以下の通りです。
購入日 | 単価(ドル) | 株数 |
2018/12/17 | 162.93 | 9 |
2019/08/05 | 188.72 | 9 |
2019/12/24 | 211.60 | 9 |
2020/02/26 | 220.00 | 1 |
2020/06/29 | 245.00 | 1 |
2020/09/14 | 267.00 | 1 |
平均取得単価は194.32ドルです。2020年9月15日時点では1株約279ドルですので,2,540ドル(約26万8000円)の含み益です。
購入基準:999が来るたびに……
QQQは完全にサテライト運用でお楽しみ枠として買っています。買付ルールは,Twitterのフォロワー数の下3桁が999となるごとに,1株購入する(2019年12月までは9株)というものです。
なぜQQQを購入したかというと,それは単に999とのゴロ合わせです。なお,QQQが設定されたのは1999年。米国ではQと9は何も関係ないので,偶然だと思います。
現在のところ売却予定はありません。次回はTwitterで6999人,またはInstagramで999人になることがあれば購入します。
保有方針:当面はホールド
過去の値動きは激しいものでしたが,世界を代表する企業を多く含むETFですので,長期的には成長を続け,株価は高値を更新する可能性が高いと私は見ています。GAFAM(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)を始めとしたIT企業の将来に期待するならば,サテライト的に保有してもよいのではないかと考えます。
保有しておきながらこのようなことを申し上げるのはどうかと思いますが,QQQを資産形成の中核に据えるのはあまりおすすめできません。
予想どおりに株価が上昇すればとてもよいものの,短期間のうちに株価が暴落し,5分の1,6分の1になった過去もあります。また,配当金には当面は期待できないでしょう。
テクノロジー企業と共にあると言っても過言ではないQQQ。世界分散投資を中核にする私としては,資産運用の「スパイス」的に購入・保有を続けてみたいと思います。
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