この記事では米国籍ETFのQQQ(Invesco QQQ Trust Series 1;インベスコ QQQ 信託シリーズ1)を紹介します。QQQはレバレッジをかけない指数連動型のETFですが,かなり値動きが激しい商品です。

2009年のリーマン・ショック後の底値から,10年ちょっとでi一時約13倍になりました。
人気の高いETFで,資産総額は約2137億ドル(約24.5兆円)に及んでいます。
QQQはナスダック100指数に連動する米国籍ETF
QQQはナスダック100指数への連動をめざす米国籍のETFです。ナスダック100指数は米国の新興企業向け株式市場NASDAQの企業のうち,以下の企業の時価総額を加重平均して算出されます。
- 非金融銘柄
- 時価総額上位100社
NASDAQには米国内外の3000以上の企業が上場しています。そのなかで時価総額の大きな100銘柄ですから,QQQの構成銘柄はどれも世界的な大企業ということです。
組入銘柄:IT関連企業の影響が大きい
組み入れの上位10銘柄は以下の通りです(2021年9月1日時点,Bloombergより)。
銘柄 | 割合(%) |
---|---|
アップル(AAPL) | 12.61 |
マイクロソフト(MSFT) | 10.36 |
アマゾン・ドット・コム(AMZN) | 6.08 |
テスラ(TSLA) | 4.08 |
アルファベット(GOOG) | 3.81 |
アルファベット(GOOGL) | 3.63 |
メタ・プラットフォームズ(FB) | 3.63 |
エヌビディア(NVDA) | 3.31 |
ブロードコム(AVGO) | 2.14 |
ペプシコ(PEP) | 2.07 |
NASDAQは米国企業以外も上場できる市場ですが,上位は米国企業が独占しています。そして,TOP10に入る企業の多くはテクノロジー関連企業です。

フェイスブックは2021年に「メタ」に名称が変わりました。
とくに,アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベット(グーグル)・メタが上位で,指数の約40%を占めています。QQQは100銘柄に分散投資するETFですが,実質的にはこの5社の値動きが大きな影響を及ぼしています。
セクターアロケーションでは,ITセクターが最大です。次いで消費財セクターが多くを占めています。IT関連企業のAmazonは消費財セクターに含まれることから、図中の数字よりも実質的にはIT関連企業が多くなります。(画像はQQQ – Invesco QQQから)。
株価の長期推移:S&P500より激しい値動き
設定(1999年10月3日)以来の長期推移は以下の通りです(画像はYahoo Financeより)。
2000年後半~2002年のITバブル崩壊と,2008~09年のリーマン・ショック時に激しく値を下げました。
直近では,2020年の「コロナ・ショック」で大きく下げ,200ドルを割り込みました。しかし,その後は急回復して,直近の高値は400ドルを超えています。

しかし,最近は緩和政策が見直されてきたこともあり,「コロナ・ショック」と同程度の下落(直近高値から約-30%)という値動きになりました。
なお,ITバブルが崩壊した2000年から2002年では,約5分の1に値を下げたこともあります。その後回復基調だったものの,リーマン・ショックで再び大暴落。2009年の一時期は30ドルを下回る価格で取引されていました。

リーマン・ショック後の底値からは,12年ほどで13倍以上になったわけですね。
米国の代表的な株価指数であるS&P500と比較しても上下に大きく振れていることがわかります(赤:QQQ,グレー:SPY〔S&P500に連動するETF〕)。
S&P500も値動きは小さくありませんが,QQQと比べるとかなり落ち着いているように見えますね。このように,QQQはETFの中では値動きがかなり激しい商品です。
1999年の設定来では約5.96倍となり,S&P500指数が3.15倍であることを考えると,驚異的なパフォーマンスを上げています。
配当利回り:1%未満
過去12回の配当は以下の通りです(単位はドル,1株あたり)。
2020/03 | 2021/12 | 2021/9 | 2021/6 | 2021/3 | 2020/12 | 2020/9 | 2020/6 | 2020/3 | 2019/12 | 2019/9 | 2019/6 |
0.433 | 0.491 | 0.414 | 0.397 | 0.395 | 0.561 | 0.388 | 0.424 | 0.363 | 0.458 | 0.384 | 0.416 |
配当利回りは,直近で0.57%です。
S&P500に連動するVOO(バンガードS&P500ETF)の2021年12月の配当利回りが1.42%であることを踏まえると,QQQの配当利回りはとても低いです。

配当の少ない企業を多く含むことがその理由です。QQQへの投資ではほとんどキャピタルゲイン(値上がり益)狙いになります。
経費率:0.20%
QQQの経費率は0.20%です。

ナスダック100に連動する国内の投資信託と比較すると,QQQの経費率は低いです。
たとえば投資信託では,iFreeNEXT NASDAQ100(大和アセットマネジメント)の信託報酬は年0.45%+税,NZAM・ベータ NASDAQ100(農林中金全共連アセットマネジメント)の信託報酬は年0.40%+税です。投資信託の場合はこの他にもコストがかかってきます。

ただし,投資信託は証券会社によっては100円から売買できることや,配当金の再投資の際に課税を繰り延べられるメリットがあります。
◆QQQを購入する投資信託「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」「NZAM・ベータ NASDAQ100」も紹介しています。どちらを選ぶかという考え方は以下の記事をご覧ください!

資産形成の中核ではなく,サテライトに


さて,ここからは私の運用方針についてです。こんな投資法もあるのだという程度にお楽しみください。
保有状況:32株
表にしました。購入単価と株数は以下の通りです。
購入日 | 単価(ドル) | 株数 |
2018/12/17 | 162.93 | 9 |
2019/08/05 | 188.72 | 9 |
2019/12/24 | 211.60 | 9 |
2020/02/26 | 220.00 | 1 |
2020/06/29 | 245.00 | 1 |
2020/09/14 | 267.00 | 1 |
2021/06/08 | 335.00 | 1 |
2022/05/09 | 310.00 | 1 |


平均取得単価は202.38ドルです。2022年5月17日時点では1株約306ドルですので,+51%の含み益です。
購入基準:999が来るたびに……
QQQは完全にサテライト運用の「記念購入枠」として買っています。買付ルールは,Twitterのフォロワー数の下3桁が999となるごとに,1株購入する(当初の3回は9株購入)というものです。


単なるゴロ合わせです。なお,QQQが設定されたのは1999年。1999年だったから,QQQ(qqq)にしたのでしょうか?
現在のところ売却予定はありません。
保有方針:当面はホールド


過去の値動きは激しいものでした。しかし,世界を代表する企業を多く含むETFですので,長期的には成長を続け,株価は高値を更新する可能性が高いと私は見ています。
IT企業の将来に期待するならば保有してもよいのではないかと考えます。
ただ,QQQを資産形成の中核に据えるのは私はおすすめしていません。予想どおりに株価が上昇すればとてもよいものの,短期間のうちに株価が暴落し,5分の1や6分の1になった過去もあります。また,配当金には当面は期待できないでしょう。値動きに惑わされずに保有し続けることが難しい面もあります。


「それでも長期保有できる!」という人はメインで保有してもいいかもしれません。これらの企業は当面,成長を続けそうですよね。
テクノロジー企業と共にあると言っても過言ではないQQQ。私としては今後も大きな成長を期待しています。
独自ルールで2018年から買っているQQQの損益が本日+99.9%を超えてしまったー!🎉 https://t.co/PAzdT8ikDk pic.twitter.com/VqJZqNk4eM
— なまずん🐠20代からインデックス投資🐠 (@gameoftheweak) November 5, 2021


ちなみにこのツイートのあと,大きく下がっています。
◆2020年・2021年の最も「買ってよかった」金融商品に選びました!




◆人気の投資信託「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」との使い分けについて,私はこう考えます。



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