eMAXIS Slim米国株式,楽天VTI,SBI・バンガード・S&P500のどれを購入するか

インデックス投資
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2017年から2019年にかけて,米国株の人気を反映するように,複数の運用会社から低コストな商品が拡充されてきました。

2017年9月に「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(楽天VTI)が新規設定されてから,2018年7月に「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」,2019年9月には,「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」が販売開始されています。

これらの商品は,国内で買える米国株式クラスの投資信託のスタンダードとしての立場を固めています。

いずれも優れたファンドと言われていますが,その理由は何でしょうか。また,この3つの中であれば,どのファンドを購入するのがよいでしょうか。つみたてNISA対象商品となっている米国株式インデックスファンドの特徴を比較し,まとめました。

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米国株式インデックスファンドを買うならこの3つから

なまずん

投資経験の有無を問わず,インデックスファンドを選ぶ際には,金融庁が一定の条件を満たすと判断した「つみたてNISA対象ファンド」から考えるのがおすすめです。

米国株式クラスで,つみたてNISAの対象になっているファンドは以下の6本です。信託報酬は税抜で,実質コストや純資産総額の数値は直近の運用報告書からの抜粋です。各ジャンル第1位は太字にしました。

ファンド名称1年
損益率
3年
損益率
5年
損益率
信託報酬実質
コスト
純資産
総額
マザーファンドベンチマーク決算日設定日備考
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
8.49%--0.088%0.163%102,97577,181S&P5002020/4/272018/7/3
iFree
S&P500
8.48%--0.225%0.295%11,5958,142S&P5002019/9/92017/8/31
ステート・ストリート
米国株式
8.18%--0.450%0.583%4,21820,404S&P5002020/3/102017/9/29
農林中金<パートナーズ>
つみたてNISA S&P500
8.06%--0.450%0.868%2,4773,525S&P5002019/11/152017/12/19
楽天
全米株式
7.18%--0.150%0.221%102,60448,492CRSP U.S. Total Market2019/7/162017/9/29信託報酬,実質コストに原資産経費率約0.03%(年率)含む。
SBI
バンガード・S&P500
---0.088%決算前37,8511S&P500決算前2019/9/26信託報酬に原資産経費率約0.03%(年率)含む。
つみたて
米国株式(S&P500)
---0.200%決算前4決算前S&P500決算前2020/3/62020年新規設定。純資産総額は3月16日時点。
NZAM・ベータ
S&P500
---0.240%決算前13決算前S&P500決算前2020/2/132020年新規設定。純資産総額は3月16日時点。

新たに購入するのであれば,すでに紹介している以下の3つから検討すればよいでしょう。

ファンドの比較の際には,私はおもに次の2つを確認しています。

  • コスト(信託報酬や実質コスト)が同クラスの最低レベルかどうか
  • 純資産総額とその増え方が,同クラスのなかで優れているか

一般的には,コストが低いほど最終的な運用成績は高まります。運用会社に支払う費用が少なければ,自分の資産の手残りは多いという考え方です。インデックスファンドの場合はベンチマークへの連動をめざすため,コスト差が運用成績の差に大きな影響を及ぼします。

なお,ファンドの実力をはかるには,開示されているコスト以外の要因もすべて織り込んだ基準価額の推移を比べることが最もよい方法です。しかしながら,運用期間が短いファンドが多いことから,便宜的にはコストを比較すればよいと思います。

純資産総額とその増え方については,長期的にファンドが運用されそうであるかという視点で確認します。他社に比べて規模がかなり小さいファンドや資金が流出しているファンドは,将来,運用を終了されてしまうかもしれません。

なまずん

ただし,私だったら運用開始直後の「SBI・バンガード・S&P500」は第1期運用報告書が出るまでは様子を見ます。

◆なお,楽天VTIだけベンチマークが異なりますが,値動きはほとんど同じです。

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それぞれのファンドの強み

それぞれのファンドの強みをまとめるとこのような感じです(数値は2020年5月31日時点)。

運用方法などの比較
eMAXIS Slim米国株式自社のマザーファンドで運用「eMAXIS Slim」シリーズは業界最低水準の低コストシリーズとして支持が確立している。純資産総額はこの3ファンドの中で最も順調に増加し,トップの1019億円。
SBI・バンガード・S&P500バンガードのVOOを買うファンド。原資産のVOOに定評がある。最後発ながら資金を集めるスピードが速い。
楽天VTIバンガードのVTIを買うファンド。原資産のVTIに定評がある。この3ファンドの中では,設定が最も早く,純資産総額も1000億円を超えている。他社に比べて信託報酬は高止まりしている。
なまずん

私は楽天証券iDeCoで楽天VTIを購入していました。ですが,2020年3月に,信託報酬が下がった「たわらノーロード先進国株式」にスイッチングしたため,現在はいずれも保有していません。

コスト面での比較

直近の運用報告書に記載された実質コストでは,楽天VTIが年率0.221%,eMAXIS Slim米国株式が0.163%と,eMAXIS Slim米国株式に軍配が上がります。信託報酬の差が0.62%あるため,それがそのまま現れたような形となりました。2019年にSBI・バンガード・S&P500が圧倒的な低コストで参入し,eMAXIS Slim米国株式がそれに追随したことで,楽天VTIは信託報酬が割高になりました

ベンチマークが異なるため単純比較ができませんが,直近1年間の損益率ではeMAXIS Slim米国株式が楽天VTIを上回りました。運用実績については,SBI・バンガード・S&P500は未知数です。

純資産総額の比較

純資産総額は,先行していた楽天VTIがリードしていましたが,2020年5月末にeMAXIS Slim米国株式が逆転しました。

2020年3月のコロナ・ショックで,楽天VTIはeMAXIS Slim米国株式やSBI・バンガード・S&P500に比べて大きく純資産総額を減らしました。一方で,eMAXIS Slim米国株式はかなり純資産総額を積み上げています。SBI・バンガード・S&P500も純資産総額を減らすことなく,ここまで積み上げています。

この間,ベンチマークは同じような動きをしているため,この動きについては私は以下のように分析しました。

  • コロナ・ショックでの新規参入や追加投資にて,投資家が楽天VTIではなく,信託報酬がより低いeMAXIS Slim米国株式を選んだ。
  • コロナ・ショックで含み益がなくなった投資家が楽天VTIを売却し,信託報酬がより低いeMAXIS Slim米国株式を購入した。

課税口座で運用している場合,含み益がなくなる暴落時は投資信託の乗り換えのタイミングです。含み益があると利益に課税されてしまうためです。

新規参入するならば,本命はeMAXIS Slim米国株式

第2期の決算次第ではありますが,いまから新規参入するならば,本命はeMAXIS Slim米国株式です。次いで,楽天VTIやSBI・バンガード・S&P500になるでしょう。

信託報酬・実質コスト・純資産総額とその推移・基準価額の推移といったデータをみても,他ファンドを抑えて優秀な成績です。

とはいえ,どれもかなり低コストなファンドであるため,小型株も含むベンチマークに連動する楽天VTIを保有したいと思ったり,米国株式クラスの低コスト化に一役買ったSBI・バンガード・S&P500に魅力を感じるならば,それらを選んでも,ほとんどかわらない結果が期待できるでしょう。

何より,いずれのファンドも資金をしっかり集めているところが,評価されている証です。今後も適切な競争を繰り広げ,かつ堅実な運用をしていただきたいと思います。今後の米国株式インデックスファンドのさらなる成長を願うばかりです!

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