eMAXIS Slim米国株式,楽天VTI,SBI・バンガード・S&P500のどれを購入するか

インデックス投資
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米国株式の人気を背景に,次々と信託報酬の安い米国株式インデックスファンドが販売されるようになりました。

この記事ではその一覧と,なかでも人気の高い「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」,「楽天・全米株式インデックス・ファンド」,「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」(それぞれ以下,eMAXIS Slim米国株式,楽天VTI,SBI・バンガード・S&P500)の特徴を比較します。

どのファンドを購入するか迷っている方の参考になるようにまとめました。

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低コストな米国株式インデックスファンドがそろってきた

まずは,信託報酬が税抜0.3%を下回る低コストな米国株式インデックスファンドを設定順に並べました。

2017年8月に「iFree S&P500インデックス」が出てから,続々と新たなファンドが販売されてきました。信託報酬と純資産総額は記事更新時点の数値で,ETFを購入するファンドは投資対象の経費率を加算した実質的な値です。

設定月ファンド名信託報酬(税抜)純資産総額(百万円)運用会社
2017年8月iFree S&P500インデックス0.225%17,018大和アセットマネジメント
2017年9月楽天・全米株式インデックス・ファンド0.150%173,697楽天投信投資顧問
2018年7月eMAXIS Slim米国株式(S&P500)0.088%以内228,924三菱UFJ国際投信
2019年9月SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド0.088%102,694SBIアセットマネジメント
2020年2月NZAM・ベータ S&P5000.240%31農林中金全共連アセットマネジメント
2020年3月つみたて米国株式(S&P500)0.200%119三菱UFJ国際投信
2020年7月Smart-i S&P5000.220%250りそなアセットマネジメント
多くの選択肢が出てきましたが,資金の集まる人気ファンドとそうでないファンドの差ははっきりしています。

米国株式インデックスファンドを買うならこの3つから

インデックスファンドを選ぶ際には主に次の2つに注目します。

  • コスト(信託報酬や実質コスト)が低いこと
  • 純資産総額の規模と増え方が大きいこと

これらの視点で米国株式インデックスファンドを見ると,購入に値すると考えられるファンドは,eMAXIS Slim米国株式,SBI・バンガード・S&P500,楽天VTIです。

これらの商品は,国内で買える米国株式クラスの投資信託のスタンダードとしての立場を固めています。

コストについては低ければ低いほど,最終的な運用成績は高まります。同じ投資対象に連動するインデックスファンドであれば,運用会社に支払う費用が少ないほうが自分の資産の手残りは多くなるからです。

純資産総額とその増え方は,長期的に運用されるかどうかの目安になります。規模が小さいファンドや資金が流出しているファンドは,将来に運用を終了してしまうかもしれません。償還されたときに利益が出ていればその段階で税金がかかってしまいますし,基準価額が下がっていれば損が出てしまいます。

絶対的な基準はありませんが,今なら100億円を超えていないファンドは私は購入対象から外しています。

eMAXIS Slim米国株式,SBI・バンガード・S&P500,楽天VTIの特徴

ここからは,この3つのファンドについて,その特徴をみていきます。

eMAXIS Slim米国株式

eMAXIS Slim米国株式は,現在,米国株式クラスで信託報酬は税込で2番目に安く,純資産総額は最も多いファンドです。米国を代表する500社の株価指数であるS&P500に連動する運用成績をめざします。

特に信託報酬については,すばらしい点が2つあります。

  • 純資産総額の増加に応じて少しずつ信託報酬が下がる
  • 他社のファンドが信託報酬を下げた場合,対抗して信託報酬を切り下げる

信託報酬が純資産総額に応じて少しずつ低減されていく仕組みは次のようになっています。

 500億円までの部分500億~1000億円の部分1000億円以上の部分
信託報酬0.0880%0.0875%0.0870%

執筆時点では純資産総額が2289億円まで増えています。そのため実質的には,信託報酬は税抜では0.08733%,税込では0.09606%です。

目論見書やウェブサイトで,信託報酬が「0.0880%以内」と記載されているのはこの仕組みがあるためです。

また,eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストをめざす」と掲げています。この言葉の通り,類似のファンドの信託報酬が下がると,即座に対抗して信託報酬を切り下げてきました。現在の信託報酬が税抜0.0880%となっているのも,後から設定されたSBI・バンガード・S&P500に対抗した結果です。

この点に安心感を持ってeMAXIS Slimを選ぶ人も多いです。

なお,運用は米国のETFを購入する他の2つと異なり,自社のマザーファンドから米国の個別株式に投資しています。マザーファンドを維持するのは労力がかかるため,ここに「本気度」を見出すような意見もあります。

eMAXIS Slimシリーズの実績があり,かつ純資産総額の伸び方が最も大きいという安心感があるため,総合的に評価の高いファンドです。

SBI・バンガード・S&P500

SBI・バンガード・S&P500税込の信託報酬では最安で,純資産総額は3番手となっています。その名前の通り,S&P500への連動をめざしています。

運用は米国バンガード社のETFであるVOO(バンガード・S&P500 ETF)を購入する仕組みです。

信託報酬では,純資産総額に応じた信託報酬率を取り入れているeMAXIS Slim米国株式のほうが税抜ではコストが安くなりますが,税込ではSBI・バンガード・S&P500が最も低コストになります。その理由は,買付対象のETFの経費率には消費税がかからないからです。

信託報酬とETFの経費率を分解してみると下表の通りです。
信託報酬(税抜)信託報酬(税込)ETFの経費率合計
SBI・バンガード・S&P5000.05800%0.06380%0.03%0.09380%
eMAXIS Slim米国株式0.08733%0.09606%0%0.09606%

純資産総額では,下図のように先に設定されたeMAXIS Slim米国株式と楽天VTIを猛追しています。

純資産総額の増加ペースはeMAXIS Slim米国株式に及びませんが,1000億円を突破するまでの期間はeMAXIS Slim米国株式や楽天VTIを上回っています。

また,原資産であるVOOは世界的にも定評のあるETFですので,これを買っているのはSBI・バンガード・S&P500の大きな特徴です。

以上を踏まえると,SBI・バンガード・S&P500は,少しでも低コストであることを追求したい人や,間接的にVOOを保有したい人に適しています。

楽天VTI

楽天VTI信託報酬では3番目に安く,純資産総額は2番目に多いファンドです。

運用方法はSBI・バンガード・S&P500と同様に,米国バンガード社のETFを買い付けています。買い付けるファンドはVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)です。S&P500とほぼ同じような値動きとなりますが,500社に入らない小型株を含むことが特徴です。

この小型株の成長の恩恵を受けたいと考えてVTIを選ぶ人もいます。

信託報酬は税込で0.162%です。税抜の信託報酬が0.120%で,さらに原資産のETFの経費率0.03%がかかります。設定当時は最安でしたが,現在ではSBI・バンガード・S&P500やeMAXIS Slim米国株式と比べて差ができてしまったのはやや残念です。

もちろんこれでもかなり低い水準ですが,売れているファンドだけに他社との競争に参加してほしい気持ちもあります。

しかし,純資産総額ではeMAXIS Slim米国株式に抜かれてしまったものの,依然として速いペースで資金が集まっています

VTIに投資できるインデックスファンドならこの1本です。ファンの多い投資信託ですので,より低コストをめざしてほしいですね。

◆楽天VTIだけベンチマークが異なりますが,これまでほとんど同じような値動きで推移してきました。

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長期的には運用面で差が出るかどうかに注目

このように,どのファンドも十分な実績があります。投資信託をウォッチしている投信ブロガーによる「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」(FOY)でも揃って表の通り受賞歴があります。

FOY2017FOY2018FOY2019
eMAXIS Slim米国株式(未販売)第8位第2位
SBI・バンガード・S&P500(未販売)(未販売)第10位
楽天VTI第3位第4位第6位

そもそも,どのファンドも資金をしっかり集めているところが,多くの人に評価されている証です現時点の売れ行きやスペックを見る限りでは,いずれも安心して購入できるファンドと言えます。

したがって,特徴のうちの何を重視するかで,買うべき商品を判断していきましょう。

しかしながら,まだ歴史が浅く,比較できる点はコストと純資産総額くらいです。今後はしっかりインデックスに連動する堅実な運用をしているかどうかや,投資家に対する姿勢などにも注目していきたいですね。

◆先進国株式や全世界株式などの比較もどうぞ!

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