積立投資に最適な分散の規模はわからないけれど

私の投資戦略

なまずんです。

インデックス投資は近年,日本でも徐々に広まりを見せています。投資信託への投資総額に占めるインデックスファンドの比率は年々増加傾向にあり,今後も増加し続けるとの見込みが報告されています。

アクティブファンドは短期的にインデックスファンドより良いパフォーマンスを上げることがあるものの,手数料が高い分だけ長期的にはインデックスファンドより運用成果が下回るするというのが定説です。

しかし,「インデックスファンド選びで,どのくらい銘柄分散すべきか(=どの指数に投資すべきか)」には,答えが出ているとは言えなそうです。世界の投資可能な株式にまんべんなく投資するか,数百銘柄と十分な分散性を保つ程度の株価指数に投資するか。私はこれまで前者がより有利と考えていたのですが,最近,必ずしもそうと言い切るだけの理由はないと感じています。

検討してみたものの,結論を先に言えば「一定以上(500銘柄など)であれば良いだろう」と考えています。

「どのくらい銘柄分散すべきか」は,「国語辞典にどのくらい単語を収載するか」と似たような議論になりそうです。たくさん入っていればいるほど取りこぼしは減るものの,全くいらないものまで入ってきてしまいます。

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名著の研究対象は,分散性が限られたS&P500が多い

米国株の代表的な株価指数と言えば「S&P 500(Standard & Poor’s 500 Stock Index)」です。インデックス投資家にとっても身近な指数ではないでしょうか。

S&P 500はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが運営する株価指数です。ニューヨーク証券取引所,NYSE American,NASDAQに上場する代表的な500銘柄の株価を時価総額加重平均しています。

S&P 500は1957年から現在まで,60年以上にわたって現在の形で株価指数を提供してきました。歴史が長いため,アクティブファンドとインデックスファンドを比べる書籍ではS&P 500を研究対象としている場合が多いです。

いうなれば,アクティブファンドに対するインデックスファンドの長期的な優位性を証明してきた代表的な指数です。

例えば,『ウォール街のランダム・ウォーカー』のバートン・マルキール,『敗者のゲーム』のチャールズ・エリスによる検証。『株式投資の未来』(ジェレミー・シーゲル)ではS&P 500構成企業の興亡を執念深く検討しています。

これらの書籍に通底するメッセージは,「よく分散された低コストの投資信託を購入して,持ち続けろ」というものです。

「低コストの投資信託を購入して,持ち続けろ」というメッセージは,日本株(TOPIX),新興国株,それらを含む全世界株にもそのまま適用できると私は考えています。どの投資対象でも,一般的にアクティブファンドのほうが手数料が高いからです。

ただ,「低コストの投資信託を購入して,持ち続けろ」という点は明快なのですが,「よく分散された」は実際,どの程度分散されていればよいのか不明です。3氏の研究では,S&P 500は十分に分散されていると考えて良さそうです。

しかし,どのくらい分散されていればよいのでしょうか。書籍から伝わるメッセージは,「投資先は分散すればするほど良い」ではなく,「(他の指数ではなく)S&P 500を買え」でもありません。

では,広く分散することについては?

では,米国市場に上場する500銘柄を集めたS&P 500と,米国市場全体や日本市場・欧州市場・新興国市場などまで含めたより広い分散のどちらが有利でしょうか。

この疑問については,上に挙げたような名著は役立ちそうにありません。S&P 500を対象に,アクティブファンドとインデックスファンドの比較をしたに過ぎないからです。

結論から言えば,私にはわかりません。考えれば考えるほどわからなくなっていきました。

できるだけ広く分散投資すべきとの立場

以下のような考えがありそうです。

  • リターンのばらつきの低減
  • リバランスによる効果
  • 小型株・割安株効果

「リターンのばらつきの低減」は,現代ポートフォリオ理論によります。効率的市場仮説やランダムウォーク理論が成り立つと仮定すると,結局,個別株の値動きは市場の値動きに個別株の要素を加えただけで,市場ポートフォリオが最も効率的になるためです。故に,市場全体をポートフォリオに組み込む分散投資がリスク・リターンのバランスが最も優れていると考えられます。

「リバランス」はあらかじめポートフォリオにおける資産の保有割合を決め,一定期間(例えば1年)ごとに割合を是正する手法です。価格が上昇した資産は売り,下落した資産は買うことになります。割高資産を売り,割安資産を買うことになるので,リターンの向上につながるとされます。

「小型株・割安株」効果は,効率的でない市場によるアノマリーから生じます。これらの株は投資家から正当に評価されず,しばしば低価格のまま放置されがちです。市場全体をカバーすることで,こういった株も購入できる利点があるでしょう。

他にも,買わなかった株が大きく上昇したときは心理的負担になるため,分散投資はその軽減にもなりそうですね。

全世界まで幅広い分散が不要と考える立場

以下のような声が上がりそうです。

  • ある程度以上の分散には効果がない
  • 赤字企業を組み込むのは非効率的

分散効果は銘柄数が増えれば増えるほど大きくはなりますが,下限が存在します。100銘柄を均等に買った場合,その銘柄が全体に与える影響は1%です。200銘柄を均等に買えば0.5%で,その値動きはほとんど全体へ影響を及ぼしません。まして時価総額での購入では追加される銘柄の割合はどんどん小さくなるため,ポートフォリオに与える影響はますます小さくなります。

また,全ての銘柄を購入する場合,投資に値しないような企業の株まで購入してしまいます。株式投資の利益の源泉は企業の上げる黒字で,それが配当金収入や株価の上昇につながります。投資に値しない企業の株を持つ選択は,リターンを下振れさせる可能性が高いです。

他にも,新興国株には先進国株にないリスクも存在しそうです。政治体制,企業のガバナンス,企業から株主への利益還元の仕組みが不十分といった点がリターンに及ぼす影響もあるでしょう。

したがって,米国の優良企業を集めたS&P 500や,広くても先進国市場だけに投資する手法には合理性があると言えます。書籍では500銘柄も分散すれば,十分と考えられていますしね。

ひとまず500銘柄以上に分散しておく

インデックス長期投資を資産形成の中核と私は位置づけています。現在のところ,世界にかなり広く分散投資する派です。ある程度の分散が必要なことは間違いありません。しかし,分散すればするほどよいかどうかはつまるところわかりません。長期的に投資成績を最大化する分散の程度を探ることはかなり難しいものでしょう。

というわけで,今回考えた「分散の程度」については,一定以上(500銘柄など)であれば良いだろうと結論づけておきます。中途半端ですが,調べれば調べるほどわかっていないことがわかります(どの程度差が出るかも含めて)。

 

今後の投資においては,確実に正しいと考えられる「低コストの投資信託を購入して,持ち続けろ」という名著のメッセージの部分を変わらず重視していきます。今後も,できるだけ長く持ち続けるつもりです。

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