2024年3月8日、クレカ積立に対応する大手ネット証券がほぼ一斉に積立投資のクレジットカード決済(クレカ積立)の上限を毎月5万円から毎月10万円に増額するとのプレスリリースを発表しました(楽天証券,SBI証券,マネックス証券,auカブコム証券)。
過去記事のように近日中に10万円への引き上げられることは既定路線でしたが、いよいよそれが現実になってきました!
ところが、各社とも10万円まで対応するとはしたものの、開始日やポイント還元に関しては差がついています。この記事では、3月8日時点の各社の対応予定などの情報についてまとめました。
各社のクレカ積立10万円対応の比較・一覧
さっそくですが、各社がどのような対応をとるのかを比較できるように一覧表にしてみました。
なお、ポイント還元は超低コストインデックスファンド(「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」など)の場合です。今回の変更点に黄色ラインマーカーを引いています。
また、類似するサービスである投信保有ポイントについても参考までに比較しています。
楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | |
1か月あたり上限 | クレカ10万円+ 楽天キャッシュ5万円 |
クレカ10万円 | クレカ10万円 | クレカ10万円 |
ポイント還元 | 楽天プレミアムカード:1.0% 楽天ゴールドカード:0.75% 楽天カード:0.5% 楽天キャッシュ:0.5% |
未定 *現行は三井住友カード プラチナプリファード:5.0% ゴールド:1.0% 普通カード:0.5% |
マネックスカード ~5万円:1.1% 5~7万円:0.6% 7~10万円:0.2% *10万円積立の場合は0.73%になる |
auPAYカード:1.0% *ゴールドも同率 |
設定変更開始日 | 3月10日から | 未定 | 3月25日から | 3月15日から |
変更後初回積立日 | 4月1日買付分から | 未定 | 4月17日買付分から | 5月1日買付分から |
初回積立日に変更 するための期限 |
3月12日 | 未定 | 4月9日 | 4月5日 |
投信保有への還元 | 基準残高を達成した場合(こちら) ごく一部のファンドでは残高に応じた付与(こちら) |
残高の0.0175% 他ファンドの付与率一覧はこちら |
残高の0.0175% 他ファンドの付与率一覧はこちら |
残高の0.005% 他ファンドの付与率一覧はこちら |
キャンペーン等 | 信託報酬0.4%以上の投信を 購入する場合はどのカードでも1.0%還元 |
– | Xでプレゼントが当たる ハッシュタグキャンペーン *詳細はこちら |
au利用者の「auマネ活プラン」に加入 +auPAYゴールドカードで3.0%還元 (12か月経過後は2.0%) *詳細はこちら |
SBI証券はクレカ積立10万円に対応予定とは発表したものの、気になるポイント還元も開始時期も含めて、具体的な情報は何も出していない状況です。
楽天証券では楽天キャッシュでの月5万円の積み立てが以前から可能でしたが、これは引き続き残ります。そのため楽天証券ユーザーは実質月15万円までクレカ引き落としの積立投資ができるようになりました。ポイント還元は今まで通りです。
マネックス証券は年会費ナシの普通カードのマネックスカードで1.1%還元が魅力でしたが、5万円を超える部分はポイント還元を逓減していくことになっています。
auカブコム証券は普通カードのauPAYカードの還元率を10万円まで1.0%にすると発表しています。ただし、買い付けができるのは他社より遅く、5月に入ってからになっています。
SBI証券の今後の出方が気になりますね。
どのように使うのがお得か?
SBI証券の情報が出てこない限りは確定しませんが、①ポイント還元率と、②投信保有ポイントの2点に各社の違いが出ています。
①のポイント還元率については、MAXの毎月10万円を積み立てた場合には、1.0%還元なら月に1000ポイントが付与されます(年間1万2000ポイント)。
一方で②は保有残高に応じたものであり、100万円分保有していればSBI証券・マネックス証券では年間175ポイント、auカブコム証券では年間50ポイントが付与されます。楽天証券は仕組みが異なりますが、残高が2000万円に達すれば累計2090ポイントが付与されます。
結論からいえば、運用金額が数千万円までの人は、①に比べて②は付与されるポイントがかなり小さいので、①を重視したほうがよいです。億単位を運用していれば話は別ですが……。
さらに言えば、ポイント還元によって得られるメリットよりも、NISAで得られる非課税メリットのほうが長期的にはずっと大きいので、まずはNISA口座を埋めていくのが先決です。
すでに商品を買い付けていれば2024年はもうNISAを開設する証券会社を変更できませんので、すでに新NISAで運用している普通のインデックス投資家は次の順序で証券会社を使い分けるのが良いでしょう。
1)NISA口座を開設した証券会社(年間最大360万円)
2)ポイント還元率が高い証券会社
2)の参考になるように、積立金額が大きくなるに従って還元率が逓減するマネックス証券の場合について触れておきます。
マネックス証券×マネックスカードの還元率が1.0%まで落ちるのは6万2500円積み立てる場合です。それ以上であれば、他社の1.0%還元の組み合わせの方がお得になります。
また、マネックス証券×マネックスカードの還元率が0.75%まで落ちるのは9万6364円積み立てる場合です。それ以上であれば、楽天証券×楽天ゴールドカードの0.75%還元の組み合わせのほうが若干ながら上回ります。
ただ、SBI証券×三井住友カードプラチナプリファードでは、現在5万円まで5.0%還元です。今後も5万円まで5%還元を続けるのであれば、これが最も有利ですね!
2025年以降はこのポイント還元の仕組みの差を考慮して証券会社を変更してもいいと思います。
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