『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』:新NISA対応、長期投資のための決定版!

240312 『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』:新NISA対応、長期投資のための決定版! 投資の参考書
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2024年2月にインデックス投資ブロガーの水瀬ケンイチさんの新刊が発売されました。

今回は著者の水瀬さんと出版社のご厚意で本をお送りいただき、読み終えたところですので率直にレビューしていきたいと思います!

全体の構成は改訂前の『お金は寝かせて増やしなさい』(2017年発行)を踏襲しており、インデックス投資の骨格となる根拠と、実践経験にもとづく心構えがていねいに書かれています。

インデックス投資の基本的なメッセージは6~7年で変わるものではないので、抜本的な変更がないのは当たり前なのですが(むしろ変わったら困る)、この間にも新NISA開始などの制度変更や、より魅力的な商品の登場、そしてコロナショックのような大きな出来事もあり、それを踏まえた最新の内容にアップデートされていました。

知識ゼロからでもインデックス投資の考え方を学べる本として、これから投資を始める周りの人にオススメしたい一冊です。それだけでなく、多くのデータや原理・原則がまとめられているため、75か月にわたってインデックス投資を実践している私が読んでも実践を裏付けられた(勇気づけられるような)感覚がありました。物足りなさや説明不足感を覚えるところがない充実した内容ですので、インデックス投資を始めてからしばらく経った人にも知識の整理のために非常に役立つと思います。

個人的には最近かなり多忙なのですが、その中でもスキマ時間を活用してスラスラ読めるわかりやすい文章も魅力です。

海外のインデックス投資本ではカバーできない、日本の制度や日本で販売されている商品に合わせた実践法も本書ならではですね。

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目次とおもな内容

プロローグ 私がたどり着いた「寝かせてお金を増やす方法」
第1章 金融のど素人でもプロと互角以上に戦える「インデックス投資」
第2章 寝かせて増やすインデックス投資の実践法
第3章 おすすめの金融機関とNISA・iDeCoの実践ガイド
第4章 始めるのはカンタンだけど続けるのは意外と難しい
第5章 涙と苦労のインデックス投資家20年実践記
第6章 貴重情報!インデックス投資の終わらせ方

第2章で水瀬さんがまずインデックス投資を始めるためのポイントに上げているのは家計の状態の把握から。そこからリスク許容度→生活防衛資金→分散投資→資産配分という重要な概念が丁寧に解説されていきます。

実際に投資する商品選びや口座開設の際の考え方も大事なのですが、インデックス投資を長期に実践していくうえでは、家計の把握から資産配分の基礎がそれ以上に重要と言ってもいいと私は思います。

とくに「自分のリスク許容度から耐えられる最大損失額を『毎年〇〇万円の損失まで』とハッキリと把握し、その範囲に収まるように、資産配分をつくる」(本書p.81)という考え方には私も強く共感します。よく、「将来に〇〇万円必要だから、リターンはこれくらい必要で……」という考え方で投資先や資産配分を決める方法が説明されがちですが、その結果リスクを取りすぎれば暴落時に脱落してしまうかもしれません。

ですので、長期投資を実践するためにも、資産配分は取れるリスクを基準にするのが大事なのです。

本書はそのような考え方がベースになっているところがとても良いと感じており、初めて投資をする人にも、これがすでに運用中の人にもオススメしたい理由です。

第5章は本書だけでしか読めない、水瀬さんが続けてきた20年のインデックス投資の実践記。何度も相場の荒波に襲われていますが、それでも継続してきたことで運用資産1億円を突破していくまでが綴られています。

「涙と苦労の」という章タイトルですが、自動で積み立てられていくだけなので運用そのものには何の苦労もないはずですよね。大変なのは株価が急落したときにも前向きに続けていくことで、ここには知識と信念が必要です。

また、第6章はインデックス投資の終わり方についての情報がまとめられています。ここはまとまった情報がまだ少ない分野であり、すべてのインデックス投資家が通る道として必読です!

長期投資の拠り所としての1冊に!

他にも読み進めながら納得するところは多々あるのですが、第5章の最後「インデックス投資を20年間実践してわかったこと」(p.261~265)がとくに印象に残りました。

①最悪の事態の想定は「厳しめ」に見積もるべきだった
②相場が永遠に下がり続けることはない
③インデックス投資家の仕事は「売りたくなったときに我慢すること」

これらがなぜそう言えるのか、という実体験を踏まえた詳しい解説はぜひ本書を読んでみてください!

全体を読んでからこのメッセージを読み直すと、長期投資の航路にしょっちゅう訪れる「相場の上昇時と下落時」に何を心がければいいか明確になってくると思います。長期投資の拠り所としての1冊としてオススメです!

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