日本を含む全世界株式インデックスファンドへの資金流入が続いています。
最も純資産総額が多い「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が2021年6月15日に純資産総額2000億円を突破しました。その1日前の6月14日には「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(楽天VT)が1000億円に到達しました。
設定からの純資産の推移
設定来の推移をグラフにまとめました。設定が早かった楽天VTが先行していましたが,2020年10月にeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が逆転。以降は差が開いています。
逆転してからはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の勢いがどんどん加速しています。
昨日の記事でも紹介した,金融ニュースを配信するQUICKの記事によれば,2021年に入ってから6月14日までの資金流入量はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がかなり上回る状態です。
2020年1月~6月14日の資金流入量 | |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 992億円 |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 225億円 |
楽天VTの225億円というのもかなり大きな数字です。こちらもたくさんの人に選ばれています。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がより多く選ばれている理由には,信託報酬が安いことと,運用方法の違いにあると考えられます。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は自社でファンドを組成する形式で,楽天VTは米国バンガードのETFであるVTを購入する仕組みです。
運用方法が異なると,配当にかかる税に差が出てくることもあります。両ファンドとも米国に投資している分には差がありませんが,その他の国には差があります。楽天VTの場合,米国以外の国からの配当は米国と投資国にて二重に課税されてしまうという不利な点があります。
ただ,最大の要因は信託報酬を低く抑える姿勢に差を感じたところかもしれません。eMAXIS Slimシリーズはこれまで他社のファンドにコストで負けないような運営をしてきました。楽天のファンドよりも,eMAXIS Slimシリーズのほうが他社を意識した低コスト化の傾向は強いです。
投資に詳しい人こそ魅力を感じて買っている
世の中にはさまざまな投資法があります。そのなかでも,全世界株式インデックスファンドでの運用は,世界のどの国の成長も取りこぼすことがない優れた方法です。
また,積立投資をはじめとした長期投資とも相性は良いです。たとえば30年,40年,50年……と考えたときに,どの国が高いリターンを上げるのかを言い当てるのは簡単ではありません。全世界株式での運用によって,特定の国に投資するよりも,当たり外れの影響を少なくすることができます。
そのような優れた手段を低コストで実現している両ファンドは,投資にそれほど詳しくない人の資産運用の強い味方になってくれています。それどころか,資産運用に詳しい人こそ,このファンドの魅力を感じて購入しているとも言えそうです。
このようなファンドを継続的に購入し,長期に保有していくことが資産形成の基本の一つであることは間違いありません。今後も長くファンドが運用されていくことを切に願います。
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