シェア20%に迫るインデックスファンドの純資産総額

210627 シェア20%に迫るインデックスファンドの純資産総額 インデックス投資
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6月24日の日本経済新聞投信コラムによると,2021年5月末の段階でインデックスファンドの純資産総額の合計が15兆円を突破しました。

アクティブファンドとインデックスファンドを合計すると,国内の公募の追加型投資信託の純資産総額は80兆円に迫ります。インデックスファンドが全体に占める割合は2割に届きませんが,それでも一定の存在感があります。

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インデックスファンドのシェアは高まる傾向にある

ここで,過去10年の調査結果を見てみましょう(図は上記記事より)。

この10年で,インデックスファンドの純資産総額は5兆円から15兆円へと約3倍,シェアは8%から20%へと約2.5倍になりました。

インデックスファンドのシェアの推移

絶対的な金額では流入金額ではアクティブファンドのほうが多い状態は続いています。もうすぐにインデックスファンドのシェアは20%を超えるでしょう。

米国株に資金が集まり,日本株からは抜けている

記事によれば,純資産総額の大きいインデックスファンド10本のうち,3本が米国株式インデックスファンドです。いずれもつみたてNISA対象の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「楽天・全米株式」「SBI・V・S&P500」の3つです。

米国株式には過去1年で合計5000億円に迫る資金流入がありました。なかでも「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は2500億円を超える流入です。

一方で日経平均株価に連動する2本のファンドからは資金が流出しています。

世界における株式時価総額の大半は米国です。そのため,米国株に資金が集まるのはわかるのですが,日本株から資金が抜けている……というのは注目すべき動向です。

記事では「日経平均株価が歴史的高値圏で推移しているため」と分析していますが,米国株も同様ですよね。果たして理由はそこなのかどうかは少しあやしいと感じます。

単に,日本株と米国株への期待度の差が出ているのではないかと思います。ただし,投資では人気の資産がつねによいリターンを生むわけではないので注意は必要です。私は米国株も日本株も買っています。

暴落時にインデックスファンドを売った人は少なそう

もう一つ,このグラフから読み取れるのは,インデックスファンドのシェアを示す赤線が横軸の「20/5」の手前あたりで急に増えていることです。

ここでなにがあったかの補足は不要でしょう。そう,新型コロナウイルス感染症の拡大で世界的に株価が急落しました。

インデックスファンド・アクティブファンドの両方で純資産総額が下がっています。ですが,相対的にインデックスファンドのほうが下がり方が少なく,ここでインデックスファンドのシェアは1~2%跳ね上がりました。あくまで推測ですが,次の3つのような要因があったことでしょう。

  • アクティブファンドを売却した人が多かった
  • インデックスファンドを購入した人が多かった
  • インデックスファンドよりもアクティブファンドのほうが基準価額が大きく下がった

いずれも要因としてはあったと思われます。グラフの純資産総額を見れば,「暴落時にインデックスファンドの保有者から売りが殺到する」という危惧された状況はこの3月にはほとんどみられなかったといえます。むしろ新たに買われた分もありそうです。

アクティブファンド・インデックスファンドの全体としては,暴落を経ても純資産総額が戻り,過去最高を更新したことはよいことです。そして,安定して資金が入っているインデックスファンドのシェアが20%を超えるのはもうすぐのところまできています。

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