2024年10月28日、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の純資産総額が、ETFやMRFを除く公募投信として過去最大になりました(プレスリリースはこちら)。
ついにeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が史上最大のファンドにまで上り詰めたか。おめでとうござeMAXIS Slim✨ https://t.co/wS35YdaXu1
— なまずん🐟20代からインデックス投資をスタート🐟 (@gameoftheweak) October 28, 2024
投資家の皆さんと三菱UFJアセットマネジメントの皆さん、おめでとうございます!
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の設定は2018年7月3日ですので、設定から約6年4か月で記録を更新しました。
運用開始から30か月が過ぎたころから爆売れ
ツイートされているグラフを再掲しますが、ここまで人気になった「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」も、大きく売れ始めたのは30か月が過ぎたころでした。
爆発的に売れ始めた時期は、COVID-19による経済混乱が多少落ち着いてきた2021年ごろからです。株高と円安の影響で、2022年を除けば継続的に驚異的なリターンを上げてきたことが米国株人気にもつながっていたように思います。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の期間リターンをみてみました。
期間 | リターン |
2019年 | +36.91% |
2020年 | +11.33% |
2021年 | +43.97% |
2022年 | -6.51% |
2023年 | +37.26% |
2024年(10/28まで) | +33.27% |
2020年と2022年を除けば、「月利3%」と言われながら2024年10月に倒産した投資会社のエクシアを思い出させるような成績です。
また、この成績とは別にも、2018年からはつみたてNISAの開始、2024年からはNISAの大幅なアップデートがあり、そもそも投資人口が一気に増えたことも人気の背景です。
その後「グロソブ」はどうなったのか
さて、これまで純資産総額の最大値でトップに君臨していた「グローバル・ソブリン・オープン(毎月分配型)」ですが、このファンドは主に先進国の国債・政府機関債に投資し、その利子収入をおもなリターンとしている商品です。私はブームの渦中の頃は10代半ばでしたので、「グロソブ」の愛称も歴史的な文脈の中でしか聞いたことがありませんが、現存しています。
現在はどのような状況なのかというと……(画像は三菱UFJアセットマネジメントより)
現在は純資産総額2668億円ほど。ピークをつけた後には純資産総額は急減しています。リーマン・ショックなどの影響もあったと思いますが、その後も回復せずにどんどんお金が抜けている状態ですので、それが主たる理由というわけではないでしょう。
では、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」もいずれはこのような推移をたどる可能性が高いのかというと、現状では過度に心配する必要はないと私は思います。それは当時と比べて、販売会社からオススメされているというより個人が自らの判断で積立で購入している傾向が強いことや、NISAは長期に保有し続けたほうが有利な設計になっていることが理由です。毎月分配型で、定期収入がほしいという考え方とは違った商品ではあるのです。
また、当時よりも投資に関する情報が増えて、株式を長期保有することでリターンを得ようという考え方が定着してきたことも大きいでしょう。8月に株価が急落した際にも、煽るようなネット記事やSNSの投稿に対して冷静に対応できる人が増えているように感じます。
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