ついにこの日がやってきました。2026年2月27日、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が、これまで公募投信の純資産総額でトップだった「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を逆転しました。
この2つのファンドは2018年に設定されて以来、純資産総額では「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が一貫してリードを保ってきました。

2026年1月には「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が、2月には「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が、相次いで純資産総額10兆円の大台を突破しました。




3位には3倍以上の差をつけており、この2ファンドが群を抜いた存在になっています。
設定から約7年半、逆転に至るまでの推移
2つのファンドの純資産総額の推移を比較したのがこちらのグラフです。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の設定日は2018年7月3日、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の設定日は2018年10月31日です。
設定は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が約4か月遅く、当初の資金流入ペースも「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のほうが優勢でした。資金流入が増え始めた2020年以降も、米国株の好調さを背景にS&P500への注目が高く、両者の純資産総額の差は開き続けていきました。





2023年末時点では、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の純資産総額は約3.0兆円、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は約1.8兆円と、その差は約1.2兆円に達していました。
この流れの転換点になったのが、2024年1月からの新しいNISA制度です。非課税保有限度額が1,800万円に大幅拡充され、投資信託への資金流入が急増しました。
この頃から「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」への流入額が「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を次第に上回るようになり、両者の差は徐々に縮まっていきました。
この変化にはいくつかの背景が考えられます。まず、新NISAで投資を始めた層は、SNSやネット記事、書籍などで「NISAは全世界株式1本で十分」という情報に触れる機会が多かったのでしょう。





「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」でも、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が連続1位に選ばれていることや、「オルカン」というキャッチーな愛称が広まったことも一因です。
また、2024年後半以降に米国株に集中するリスクへの意識がやや高まったことも背景にあるのではないでしょうか。





なお、わが家も2024年1月からは「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」を積み立てています。
2つのファンドは20兆円に届くか
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」がトップに躍り出たとはいえ、2つのファンドの純資産総額はほぼ同額であり、相場の変動次第では再び入れ替わる可能性も十分にあります。





とはいえ、資金流入は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の優位が続いているため、おそらく「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」がリードを広げていくでしょう。
年間の資金流入ペースと市場のリターンが現在と同程度で推移すれば、早ければ2027年〜2028年頃にはいずれも20兆円の大台に乗せる可能性があります。
この2つのファンドはすでに日本の公募投信の歴史において前例のない規模になっています。しかも、それが低コストのインデックスファンドであるという事実は、個人投資家の資産形成にとって大きな意味を持っていると思います。



コメント