バズった結果と要因――Twitter,ブログ,考え方の変化

雑記
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なまずんです。

2月3日の10時12分に投下したツイートが大爆発しました。人生初のバズり経験でした。

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バズるとは何か

実用日本語表現辞典によれば,「短期間で爆発的に話題が広がり,多くの人の耳目や注目を集め,巷を席巻すること,といった意味で用いられる言い回し」とのこと。

どの程度の反響からが「バズる」なのか明確な定義はないものの,「『いいね』数が1万件を超えると「バズった」状態というのが通説」(地域シンクタンクの山梨総合研究所)だそうです。

いいね1万件という定義だと,当該ツイートは執筆時点ではわずかにバズってません。とはいえ大差ないので「バズった」前提で執筆します。

バズって何が変わったか

スマホの挙動と通知欄

「バズるとTwitterアプリがフリーズする」「バズると通知が止まらなくてスマホの電池が激しく消耗する」などの通説がありますが,いずれもそんなことはありませんでした。

通知設定を切っていたからです。ただ通知欄には「〇〇さんと他212人がリツイートしました」「〇〇さんと他227人がいいねしました」など異次元の人数の数値が並んでいて,もはや実感がわきませんでした。

投資で数千万単位の損失を出したアカウントさんが「実感がわかない」とつぶやくのを垣間見ますが,数字が大きくなると実感がわかないのはRTやいいねも同じようです。行動経済学のプロスペクト理論と同じですね。

TLはいつも通り見ることができましたが,いただいたリプライは波に飲まれるように埋もれていきました。

ツイートの表示数など

該当のツイートのインプレッション等です(2月7日22時時点)。

ツイートインプレッションが85万を超えました。日別の推移です(水色,灰色はツイート数)。

ツイートをしたのが2月3日の午前10時で,ピークは2月4日でした。体感的にも2月4日まで加速度的に反響が増えました。RTにより多くの人に拡散されることで,さらなるRTのきっかけになり,まさに複利効果を実感しました。

おかげで,2月2日までのツイートインプレッションはほぼ平坦になってしまいました。通常時は月間のインプレッションが25~35万程度です。28日間の合計が133万を超えているので,通常の月の数倍のインパクトでした。

フォロワーさんも増えました(Twitterアナリティクスの棒グラフは原点がゼロでないという欠点があるので注意が必要です)。

約190人増加しました。たった1ツイートでこんなに増えるとは!

ブログのPVなど

インプレッションがピークを迎えた2月4日の午前7時に,当該ツイートにぶら下げる形で記事を公開しました。

お金を貯めておく行為について考えた
なまずんです。 ネットサーフィンをしていたら,有名社会派ブロガーのちきりんさんの2014年の記事にたどりつきました。公開当時は大きな話題となり,SNSで拡散されたようです。当時目に...

PVの推移です。

2月4日にPVが過去最高を記録しました。普段は検索流入が多いのですが,この日はTwitterからの流入が激増しました。

ツイートを題材にした記事も発見しました。ありがとうございます。

ツイートへの反応について

このツイートは2つのメッセージが入っています。

  • 「お金を使わない」選択とは,お金を使ってできる「経験をしない」選択
  • 同じ金額を払って経験するなら早いほうがよい

実感として全体の5割ほどは,過去に散財しまくった自分を肯定する引用RT。「背伸びして買った車が良い思い出になっている」「旅に行って世界がひらけた!」など。「100万円」と聞いてイメージするのは車か旅行が多く,次いでギャンブルでした。

全体的には趣味のものが多かったです。「お金を使った自慢」はあまり自慢にならないと思いますが,話したくなる気持ちはわかります。

「いつまで生きるかわからないから,使っちゃえ!」という見解も予想以上に多かったです。インデックス長期投資の世界にいたら全く出てこない考え方ですね。

次に多かったのは,「使うことも大事だが,お金を貯める方法を知ることも重要」という真っ当な指摘でした。1年で100万円貯めたという代え難い経験ができているという考えには私も同意です。

残るは「1年で100万円も貯めることができない」「将来が心配でお金を使うのが怖い」という感想,そして的外れなご意見と苛烈なご批判もありました。「こういう考え方,生理的に無理」「若造が60歳の話をするな」的な引用RTもありましたが,わざわざ反応するということは,何か思うこともあるのでしょう。

総じて,40~50代風のアカウントは(今は通用しない)若い頃の散財自慢のオンパレード,20~30代風のアカウントは「貯蓄をする経験を積んでおけ」「20代のうちはたくさん使え」に真っ二つでした。若い人ほど自分の将来の経済環境に悲観的な見方が出てきたのは切なくなりました。

リプライの中では,縞縞猫さんのツイートが結構な伸びでした。共感した方も多かったと思います。

ツイートの要素分析

ツイートが伸びる背景に,運の要素はかなり大きいです。バズを狙うのは至難の業と思われます。ただ,伸びたツイートには一定の要因があると思いますので,文面を分析したいと思います。

100万円

これが1万円だったり1億円だったりしたら伸びなかっただろうと思います。

一般的には100万円は大金です。しかも,ワンランク上の自動車を購入できたり,おいしいものをたくさん買えたり,外国へ出掛けたりできる,現実感のある大金です。

テレビ番組でも賞金100万円企画は多く,人々は「100万円」という金額に特別感を持っているようです。

「見方を変えれば」

1年間で100万円を貯める行為はすごいこと,というのが世の常識です。これを疑い,100万円使わなかったことを「経験の損失」ととらえる見方はエッジの効いたものでした。節約だけを考えていた人にとっては衝撃だったでしょう。

これ自体は私がゼロから生み出した見方ではなく,たまたまツイート直前に社会派ブロガー・ちきりんさんの記事にインスパイアされたものです。最下段に似たようなツイートがあります。

巨人の肩の上に乗っただけ,という感じです。

経験する時期は早ければ早いほど価値が高い

海外旅行することが多い世代は,身軽な20代と退職後世代でしょう。そういった理由で後段には「旅行」というワードを入れました。別に「旅行」という言葉は必須ではなかったと思います。

ただし,20代と60代で同じ経験をするならば,一般的には20代の経験のほうが貴重です。理由はその後の人生が長いから。ただし,しっかり学ばなければ散財するだけで,特に意味のない経験になると思います。

お金って難しい

最終的に共感を呼ぶワードを突っ込んだのが良かったです。文字数制限のため,気持ちを飾る言葉を付け加えなかったのがかえってよかったようです。

しばらく前に,「お金を配るシャチョ」で私の数倍バズった雪山田みぞれさんのツイートにおける,「いいぞ!」に近い役割を果たしたのかもしれません。この記事を読んだ当時は,まさか近く自分の身に降りかかるとは思っていませんでしたが。

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「いつものコミュニティ」は狭く,心地よい

ツイートがバズったことにより,私の周りのコミュニティがいかに特殊な空間だったかを再認識することもできました。

ツイートは140文字しかつぶやけません。真意を短文に詰め込むのは難しく,1ツイートだけでは前提を共有することができません。例えば私が長期投資を実践していることを知っているかどうかで,例のツイートもニュアンスが変わってくるでしょう。文脈が違えば,言葉の意味は変化します。

心地よいあうんの呼吸の世界は狭いものです。自分がフォローする人は,基本的には考え方に共感する人だけです。古くは丸山眞男が『日本の思想』で,近年はジリアン・テットが『サイロ・エフェクト』で指摘したように,狭い世界でしか通用しない「最適化」のワナに陥りかけていたようにも,バズを振り返って感じた面がありました。

こんな学びもありました。読まれることを最優先にしては本末転倒ですが,大事なことには変わりありません。日々のツイートに,バズりやすい特徴を少し入れてみるのもありかもしれないですね。

◆ツイートの経緯です。

お金を貯めておく行為について考えた
なまずんです。 ネットサーフィンをしていたら,有名社会派ブロガーのちきりんさんの2014年の記事にたどりつきました。公開当時は大きな話題となり,SNSで拡散されたようです。当時目に...

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