お金を貯めておく行為について考えた

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なまずんです。

ネットサーフィンをしていたら,有名社会派ブロガーのちきりんさんの2014年の記事にたどりつきました。公開当時は大きな話題となり,SNSで拡散されたようです。当時目にした方も多いかもしれません。

私の経験から長年漠然と感じていたことが言語化されていて,衝撃を受けました。

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お金はソッコーで使え?

記事は2014年1月1日の公開です。お年玉を題材に,ちきりんさんは「ソッコーで使え!」と発信しています(「子供たちに告ぐ」とのタイトルですが,読者には大人を想定した筆致です)。

「ソッコーで使え!」の理由は以下の通り。

小学生にとって5000円は,自力ではとても手に入れられない大きな額です。

欲しくて欲しくてたまらなかった(でも親には買ってもらえなかった)何かを買っておけば,「やったー!! うれしい!!!」という強い記憶が残るでしょう。

ところが数年が過ぎて高校生になると,貯金していた5000円は最早そこまで大きな額ではありません。

(中略)小学生の頃に使っていれば得られたほどの感激は,もう手に入りません。

(中略)お年玉というのは,もらってすぐに使えばものすごく価値が高いにも関わらず,貯金して数年もおいておくと,“生活費の誤差”にさえ成り下がってしまう程度の額です。

お金の現在価値や割引率の観点からの主張と言えます。子どもは使う金額が成長に伴って大きくなるので,大人以上に割引率が大きいです。ちきりんさんは,小学生にとっての5000円と高校生にとっての5000円で得られる喜びを比較しています。

記事では同じ論理で大人についても言及されます。

さらに言えば大人に関しても,「これから自分はいくらでも稼げる」と考えている人は,若いうちから貯金に励んだりしません。

20代や30代から,欲しいものも我慢し,やりたいことも我慢し,安い月給のなかから,苦労して数万円を貯金に回すことに,ほんとに意味があるでしょうか?

20代の頃ならその数万円で,月に何回かは多く飲みに行くことができ,人生を左右する誰かと,もしくは人生を左右する何らかの言葉や機会と,出会えるかもしれないのです。

私は浪費を是とするわけでは一切ありませんが,こういった見方には概ね賛成の立場です。と言うのも,20数年の短い人生の間に,私にも苦い経験と気付きがあったからです。

私のお金に関する後悔と気付き

ちきりんさんの記事を読んで,私には過去の失敗と気付きが思い起こされます。

小学生の頃の小遣いは月に学年×百円でした。1年生の時は100円,3年生の時は300円。ですから,100円のお菓子を買うにも勇気が必要で,買ったときには大きな喜びがありました。中学生の頃は毎月3000円で,おもちゃやテレビゲームを買える数千円には莫大な価値がありました。

お年玉は1万~1万5000円程度とはいえ,ちきりんさんの指摘通り,小中学生時代の私にとっては大金でした。1万円札を入れた貯金箱には必ず鍵を掛けていたほどです。

ただ,幼少期の私に両親は「お年玉は貯金するように」と教育していました。言われるがまま,素直な私は小中学生を通じて10万円ほど貯金ができました。

転機は高校生の頃。小遣いが毎月1万円に値上がりしました。年間の収入額を考えると12万円です。喜びの反面,これまでの貯金と比べて「あれ? 貯金してきた10万円は,高校1年生の1年間でもらえる金額以下ではないか」と気付いたことです。

それからは収入を基準に,「今の1万円は社会人の30万円と同じくらいなのかな」「裏を返せば,社会人になるまで貯金を持っていても,社会人の1万円は高校生の今の300円ちょっとか」などと無意識に換算していました(社会人=30万円は当時のイメージです)。

すると,毎月もらう1万円を長期の貯金に回すことがバカらしくなってきました。手元の1万円を社会人になるまで持っていても,収入に対する割合は高校生の300円と同じ,それなら今使いたいものに使おうと考えたからです。

そんな私が大学生になって上京してからは,月々の収支のバッファーとして1~2か月分の生活費を貯金する以外,ほとんど収入=支出でした。

もちろん収入が少なかったという理由もありますが,飲み会から一人旅,有料の勉強会まで,社会人になって得られるお金よりも大学生時代のお金のほうが価値が高いと無意識下にあったからです。一人で美術館に行ったり,フランス料理を食べたりもしていました。

おかげで起業家の人脈ができたほか,投資の重要性に気付く教師を得たりすることができました(フランス料理を食べたことは何の役にも立たなかった気がしますが)。

生活費のためにアルバイトをしたものの,詰め込むのは本末転倒です。ある程度は稼ぎつつも,将来からの借金である奨学金も400万円以上借りました。今考えると,社会人の400万円と学生時代の400万円は確かに全然違いました。

思い返せば,高校生でなんとなく気付いたお金の価値への疑問が,ブログを始めた今の私につながっているような気がします。

お金を減らせばいいわけじゃない!

一方で,このような意見もいただきました。

若い世代の一員として,今は20代は「お金を使うことに抵抗がある」世代だと強く感じます。その背景にあるのは,自分の現在・将来の収入に不安だと私は思っています。2018年には「お金の若者離れ」というワードが世間を賑わせました。私も騒動に乗って私見を書いています。

「お金の若者離れ」の真の背景は,世代間搾取ではなく「お金不足=死」という考えだ
なまずんです。 一般紙に掲載された「お金の若者離れ」という投書が話題となりました。Twitterで8万件以上のリツイートを集めています。 今日はこれを若者の立場...

お金がないとこの国で生きていくことは難しいのが現実です。「経験を得られる」を免罪符にお金を使い続けていたら取り返しのつかないことになるのは目に見えていますから。

投資を取り扱う一般誌の特集も「老後資金が危ない!」と煽る切り口が最も多いように感じます。

つみたて投資を特集した一般誌を読んでみる
なまずんです。 書店で気になる雑誌を見つけてしまいました。「毎月5000円でつみたて投資!」と題された特集です。 2018年12月21日発行のAERA with...

若いうちに散財し,将来働けなくなったときにお金が尽きてしまう恐怖は計り知れません。だから,私は考えたいのです。「充実した人生のためにお金を使った経験を得るのは大事だけれども,自分の将来の経済的破綻も避けたい」

「お金を持っていること」は選択肢を持っている状態とも言えます。例えば,貯蓄に励まなかった大学生時代の私が1~2か月分の生活費分は貯金は必ず持っていたように,バッファーを残すことは突発的な機会に備えるために重要です。いわゆる生活防衛資金に近い考えです。

また,「転職したい」と思っても貯金が10万円しかなければ踏み切るのは難しいかもしれません。1000万円あれば1年以上は就活に専念できるようになります。

見方を変えれば,こういったお金は安心や将来の選択肢の保全のために「使っている」と言えるでしょう。これは決して無駄ではありません。経験を買う以外にも,自分を経済的悩みから解放するために「貯める」=「使う」という思考も,現在の私の考えに近いです。

具体的に言語化すると,著名インデックス投資ブロガーの水瀬ケンイチさんの方式がこの考えに近いかもしれません。

お金を人生の制約にするのではなく,こういった点を含めて,できればバランスよくお金をコントロールする側で自分の人生を設計したいと考えています。

お金の「使い方」の例をいろいろ知りたい

この観点で見てみると,ブロガーさんの金融教育記事には勉強になる点が多いです。例えばKAKA’さんの「3000円でどこいく」記事。

「お金の使い方」を子どもと一緒に考え,経験する方法はとても興味深いです。

お金に関しては「貯め方,増やし方」に注目が集まりがちです。もちろんそれらも大事ですが,お金によって幸せになれるかどうかはお金の「使い方」にポイントがあるでしょう。消費だけではなく,貯蓄によっても得られる経験や安心があります。お金には物に変えて初めて得られる価値と,持っていることによる価値の両方に注目したいと思います。

この記事はあくまで私の感想の一つです。思いつくままにネタを放り込んだ記事になってしまいました。他の切り口から見れば全然違うでしょう。さて,お金に関する悩みはこれからも続く。

◆余談

Twitterで適当につぶやいたものがプチバズしてしまいました。本当に適当につぶやいたので,読み返してみると前半はちきりんさんの主張の下位変換,後半は前半を受けているようで全くつながっていません(「しかも」がおかしい)。主張を2つ並べたものの全然重なっていない点にはお詫びしたい。ただ,いろいろな考えを知ることができたことに感謝申し上げます。

私見を述べると全てのリプの中でこの例えが一番好きでした。今は唐揚げが食べたい年代です。このツイートに関しては以上です。

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