3月9日に「楽天・バンガード」シリーズを運用する楽天投信投資顧問から、3月10日に「SBI・V」シリーズを運用するSBIアセットマネジメントから、それぞれ「実質的にご負担いただく運用管理費用の引き下げ」に関する発表がありました(楽天、SBI)。
該当するファンドの運用コストが下がります!
楽天の5本とSBIの1本が経費率を引き下げ
経費率が下がるのは次の6本のファンドです。まずは単一の投資対象に投資する3本から。
ファンド名 | 投資 対象 |
投資対象とする ファンドの経費率 |
ファンド信託報酬(税抜) | 変更後の経費率 +信託報酬 |
|
変更前 | 変更後 | ||||
楽天・全世界株式 (楽天VT) |
VT | 0.08% | 0.07% | 0.120% | 0.190% |
SBI・V・全世界株式 | VT | 0.08% | 0.07% | 0.058% | 0.128% |
楽天・新興国株式 | VWO | 0.10% | 0.08% | 0.120% | 0.200% |
詳しい人には説明不要ですが、これらのファンドは米国バンガード社のETFを購入していくファンドです。
全世界株式の2本はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)を投資対象とし、楽天・新興国株式はバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)を買い付けています。
その他の3本は、楽天・インデックスバランスファンドです。VTと債券ファンドを組み合わせたもので、比率が異なります。
バンガードの経費率削減の恩恵を受けられるのはありがたい
このような形のファンドは、ファンドの信託報酬だけでなく、ETFの経費率も運用コストに加わります。今回は、投資対象であるファンドの経費率が下がったので「実質的な運用管理費用」が下がりました。
楽天投信投資顧問やSBIアセットマネジメントなどの取り分は変わりません。
日本の運用会社が信託報酬を下げなくても、バンガードが経費率を下げれば自動的に恩恵を受けられます。運用会社にも頑張ってほしいですが、まずはありがたいことです。
バンガード社のETFはファンドの規模が拡大するにしたがって経費率が下がる仕組みが整っています。バンガードの日本法人があったころに会社にお伺いして話を聞いたときの記事もあわせてどうぞ。
余談ではありますが、バンガードの日本法人は先日に日本から撤退してしまいました。バンガードのETFを直接買い付けなくても、国内の会社が低コストな投資信託を提供してくれる現在の投資環境は素晴らしいです。その環境が整ったのが一因であるにせよ、真に投資家のための会社であるバンガードが日本から撤退してしまったのは、少し残念にも感じます。
◆投資家のためになるファンドの提供をめざしてバンガードを創業したボーグル氏の本もおすすめです!
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