2023年2月6日は日本のインデックスファンドにとって歴史的な1日になりました。
すでに多くの人がツイートしていますが、2月6日に「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の純資産総額が1兆8065億円に達し、インデックスファンドが国内の全公募投資信託(ETFを除く)のトップになりました。
これまでトップだったのはアクティブファンド「アライアンス・バーンスタイン 米国成長株投信Dコース予想分配金提示型」でした。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は2018年7月設定で、運用開始から5年足らずでトップに立ちました。
インデックスファンドがトップになったのは史上初
投資情報メディアのモーニングスターでも、このニュースがさっそく報道されています。なかでも、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を保有する人数に焦点が当てられています。
三菱UFJ国際投信が大手ネット証券5社にヒアリング調査した結果、2022年12月末時点で同ファンドを保有している投資家の人数は5証券合計で246万人を超え、21年12月末時点と比較して約90万人増加した。(中略)従来の大規模ファンドが、大手証券など強力な販売力を持った販売会社が関わって、時には数千万円や億円というまとまった資金を積み上げて販売した結果だったことと比較すると、毎月5000円や1万円の積立投資が数百万人という規模で重なって1兆8000億円を超える残高を実現したのは、時代の変化を感じさせる。積立投資を継続するために、「eMAXIS Slim」シリーズが実現した超低コストのインデックスファンドは必要不可欠だったといえる。
複数の証券会社を利用して同じファンドを買う人もいるので、この246万人のなかには重複する人も一定数いるはずですが、「強力な販売力」であっても100万人単位に買わせることは不可能です。
eMAXIS Slimシリーズの躍進には、長年にわたりインデックスファンドによる資産形成を実践し、発信してきた個人投資家・ブロガー・YouTuberなど、「つみたてNISA」で長期・分散・低コストの投資信託を積み立てやすい制度を作った金融庁、そして個人投資家の要望に適合した商品を提供してきた三菱UFJ国際投信の努力が大きな役割を果たしてきたと思われます。
本当におめでとうござeMAXIS Slim!
「アライアンス・バーンスタイン 米国成長株投信Dコース予想分配金提示型」は2022年後半から資金流入量を急速に減らし、月間200億円未満に落ち込んでいます。また、分配金を出すことため、これは純資産総額を減らす要因にもなります。一方で、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は800億円超の流入を記録しているため、再逆転の可能性は低いでしょう。
投信残高のランキングには4位に「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が入っており、こちらも資金流入が加速していることから、遠くないうちに順位を上げていくことになりそうです。
営業力を背景に爆発的に売れ、しばらくすると廃れていくアクティブファンドが上位を占める時代はすでに終わりに差し掛かり、インデックスファンドが上位を占めるのが当然になる時代の始まりになるのではないかと思います。
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