信託報酬最安に並んだ「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」と同種ファンドの比較

220819 信託報酬最安に並んだ「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」と同種ファンドの比較 証券会社・運用会社
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米国の大手運用会社ブラックロックの日本法人が運用する「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」(以下、iシェアーズ 米国株式)がつみたてNISA対象商品になりました。

つみたてワニーサをフォローしているとこういう情報を教えてくれます。

このファンドの設定日は2013年9月で新しいファンドではありませんが、2022年8月に業界最安に並ぶ低コスト化を果たして話題になりました。そしてこのたび、金融庁が認めるつみたてNISA対象商品に加わりました。

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iシェアーズ 米国株式の基本情報

iシェアーズ 米国株式のベンチマーク、信託報酬、純資産総額(8月18日時点)、設定日の情報は次の表のとおりです。

ベンチマーク 信託報酬
(税抜)
純資産総額
(百万円)
設定日
iシェアーズ 米国株式 S&P500(税引き後配当込み、円換算) 0.088%
うち0.03%は投資先ETF
12,728 2013/09/03

購入時手数料や信託財産留保額はありません。

実質的な信託報酬は2022年8月3日に、税抜年率0.357%から0.088%に一気に引き下げられましたプレスリリースより)。このファンドはブラックロックのETFを購入するファンドで、0.088%の実質的な信託報酬のうち、0.058%がiシェアーズ 米国株式のファンド本体にかかり、さらに投資対象のETFの実質的なコスト0.03%がかかってくるという構造です。

言い換えれば、0.03%のコストがかかるETFを買う信託報酬0.058%のファンドです。どの段階でコストがかかるかは税抜ではあまり意味がないので、合わせて0.088%と考えておけばよいでしょう。ETFのコスト部分には消費税がかからないため、税込では変わってきます。

ETFを購入するという構造はよく売れている「SBI・V・S&P500」と同じで、信託報酬などもまったく同じです。

なお、同じプレスリリースでは、①名称に「S&P500」を加える、②ベンチマークを税引き後配当込みに変更する、という2点の変更も記載されていますが、実質的には運用上に影響が及ぶものではないので、詳細はここでは割愛します。

人気米国株式インデックスファンドとの比較

続いては、iシェアーズ 米国株式のライバルとなりそうな4つのファンドとリターンやスペックの比較していきます。リターンおよび純資産総額は7月31日時点の情報に統一しています。

【表】名称、リターン、信託報酬、純資産総額、ベンチマーク

名称 1年
リターン
3年
リターン
5年
リターン
信託報酬
(税抜)
純資産
総額
ベンチ
マーク
iシェアーズ
米国株式(S&P500)
13.93% 71.37% 110.76% 0.088% 12,014 S&P500
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
14.66% 74.32% 0.088%
以内
1,365,470 S&P500
SBI・V
S&P500
14.52% 0.088% 628,376 S&P500
iFree
S&P500
14.48% 73.66% 0.225% 65,239 S&P500
楽天
全米株式
10.76% 69.79% 0.150% 635,980 CRSP U.S. Total Market

このなかではiシェアーズ 米国株式は最も運用期間が長いです。しかし、ご覧いただいたとおり、1年・3年のリターンではS&P500に連動する他の3つのファンドよりも劣っています。「楽天・全米株式」は投資先が異なるので一概に比較はできませんが、この3年間のリターンでは上回りました。

信託報酬を引き下げる前の結果だということも大きいとは思います。今回は信託報酬が0.25%ほど引き下げられたので、今後の運用分は年間0.25%程度リターンが改善することを期待したいですね。

とくに、運用方法が同じ「SBI・V・S&P500」と比較してどうなのかは気になっています。

果たして売れるのか?

米国株式インデックスファンドはこの数年とても人気が高く、なかでも信託報酬が低い「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の純資産総額は1兆円を軽く超え、「SBI・V・S&P500」もかなりの売れ行きです。

ここに「3番煎じ」で信託報酬最安で入ってきた「iシェアーズ 米国株式」ですが、果たして売れるのでしょうか?

米国株式の人気は依然として高く、その点は追い風だと思います。ただ、この2つのファンドからあえて乗り換える人はほぼいないのではないか、とも思います。ブラックロックのといえば世界最大規模の運用会社で、そのETFを購入していくファンドという特徴はありますが、eMAXIS SlimでもSBI・Vでもなく、あえてiシェアーズ、という選択をするほどではないように思います。

しいていえば、販売会社にはeMAXIS SlimやSBI・Vを取り扱っていないみずほ銀行があります。みずほ銀行で買うという条件をつければ有力な選択肢になると思います。

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