ちょっとした手術を受ける必要が出てきてしまい、人生2回目の手術を受けてきました。
これまでも局所麻酔下で手術を受けたことはあり、今回も日帰りでの局所麻酔下での手術です。どちらも命にかかわるような疾患でも珍しい疾患でもなく、高難度の手術でもないようです。が、後からもとに戻せない判断をすることになる点はどんな手術にも共通するもので、独特の緊張感はありますね。
医療における意思決定は投資に似ている
今回はちょうど手術を受けると決めるときに、たまたま経済評論家の山崎元さんががんに罹患して思ったことを書いた記事を読み、これには結構共感を覚えました。
山崎元さん、食道がんで療養されているとのこと。お大事になさってください。
記事に書いてあることには頷く点ばかり。限られた情報から判断を下さなければいけないところは投資も治療も一緒で、情報収集から判断のプロセスは合理的。
がん保険の話は…やっぱりという感じねhttps://t.co/7parArXy7V
— なまずん🐟20代からインデックス投資 (@gameoftheweak) January 24, 2023
詳しくは記事を読んでもらえればと思いますが、将来が不確実な(確率的な)なかでどのような情報をもとに判断していくかや、なってしまったものは仕方ないので、過去ではなく将来を見据えて最善の対応していくことが重要というのが主なメッセージです。
疾患特有の事情についてはいろいろなコメントがありましたが、考え方の出発点としては参考になると思いますよ。
さて、私も術前にはほとんど同じことをやっていまして、治療を受けると決めるとき、標準的な治療や術式とそのリスク・リターンを専門書やガイドラインなどでざっと調べ、執刀医の経験や経歴などはウェブ検索で調べました。
もし、生活に重大な影響が出る疾患の治療であれば、治療ではなく「生活のための工夫」を知るために個人ブログや体験談も検索すると思います。
珍しい疾患でなければ、近年はエビデンスに基づく検討を経た診療ガイドラインなどが整備されています。もちろん、その内容が自分に適合するかどうかの判断は専門家の意見を聞くべきですが、医師の提案を裏付ける材料の1つとしては最も信頼できる情報源でしょう。自分でよくわからなければ、別の医師の意見を聞くのもよいと思います。
医師の経験や経歴は、とくに手術に関しては職人的な面があることから、過去の勤務歴にその診療分野で有名な病院に勤めていたかどうか(≒十分な指導を受けてきたかどうか)など、論文や専門書の執筆、学会活動などの学術的な活動をしているかどうか(≒同業者からの評価があるかどうか)などを見ておくようにしています。内科医を選ぶときも余裕があれば調べています。
以上のような情報は一般の人も簡単に入手できますし、医療系のバックグラウンドを持つ私でも、その他になにか特別な情報を得られるわけでもありません。なお、素人によるネットの評判はあまり参考にはなりません。
ちなみに、「将来が不確実な(確率的な)なかで、限られた情報をもとに判断する必要がある」のは投資も似ています。私は医療分野の発想を応用する形で、資産運用は現在のインデックス投資が妥当だと判断するに至っていますが、逆に金融分野に詳しい人は医療に関する判断にその思考が応用できるでしょう。
あとは術後の合併症もなく、回復してくれることを願うばかりです。できることをできる範囲でやったら、あとは人智を超えたところに行ってしまうのも投資と同じような感じですね。
費用は約24万円
お金のブログなので費用についても書いておくと、受けた手術は近年、健康保険の適用になった術式です。が、健康保険に適用があるからといって、それを適用するかどうかは病院の裁量に委ねられています。
今回の治療では、命にかかわるような疾患ではなく、かつ保険償還点数が低いこともあり、健康保険を適用する医療機関はごく限られていました。そちらを選ぶと半年待ちくらいになる可能性もあり、できれば早めに済ませたいことと、今回の主治医の提案や経歴には安心して任せられそうだったので、今回は自費診療として手術を受けることにしました。
その支払額は約24万円。健康保険が使えれば付加給付の対象になって約2万5000円で済むところだったので、ここは残念なところです。
何の手術だか予想がつく人もいると思いますが、具体的には書かずにここまでで。医療費控除の対象にはなるので、支払ったうちの数万円は返ってくるとはいえますが、それなりの出費です。
自費診療での受診は私も初めての経験で、多くの診療は健康保険でカバーされていますが、こういう事例もあるのは知っておいてもよいかもしれません。重大疾患の治療でいえば、がん治療などでも、保険収載するほどの診療実績がない治療法などは自己負担になりますよね。
今回は、これまでに資産運用を続けてきたおかげもあって、手術費用を気にするほどの状況でなかったことは幸いでした。
ちなみに、1回目の手術は保険診療で、かつ補助が出たこともあって1,000円で済んでいます。同じ日帰り手術でも自己負担は雲泥の差。
今回の20万円程度ならいざしらず、100万~200万円くらいをポンと出せるなら私は民間医療保険は不要だと思っていますが、自費診療でも術式によって支払対象にしているものがあるので、自費診療の心配が大きいのであれば、加入するかどうかくらいは検討してもよいかもしれません。
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「健康がなにより大事!」とはいわれますが、そもそも人体のシステムは完ぺきにできているものではないので、気をつけて生活していてもいなくても、何かの疾患を発症するのはよくあることです。私は2回手術を受けていますが、どちらも生活習慣とは全く関係なく起こる疾患でした。
健康維持に気を遣って、体調を崩す確率を下げる努力をしながらも、実際はそんなに劇的に変わることはないので、起こってしまったときのことを考えて、せめてお金の面では備えておくべきだと思います。
まとまらない内容ですが、今日の記事はここまでで。
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