実家から離れた街に出てきた私の(少し先の将来の)悩みの話です。それがタイトルの通りで、「田舎の実家を将来どうしていくか」ということです。考える機会があったのでいま思うことを書いておきたいと思います。
田舎の土地や建物を保有しているわが家
実家は田舎も田舎で、地域外からの流入人口がほぼない人口減少地域です。自転車での行動範囲や貧弱な公共交通で日常生活はなんとか成り立つ程度のインフラはありますが、人口減少をふまえるとそれも時間の問題でしょう。
そこに代々住んできた土地があります。先祖は地域ではそこそこの有力者だったらしく、私も全容を把握していないのですが、いくばくかの資産があります。
- 土地・建物(祖父・両親・その他の親族の居住、一部は店舗や住宅として賃貸中)
- 田畑・耕作放棄地
- 空き地
- 森(結構あるらしい)
売ることはなかなか難しい田舎の不動産
しかし、この収支もまた時間の問題です。親族の利用する土地・建物はいずれ使い手がいなくなります。実際、90代の祖父は自立した生活が難しくなり、施設に入所することになりました。自立して生活できるのは、両親の世代も長くみてあと30年でしょう。同様に賃貸先も人口減少にともなって先細りになります。
最も簡単な処分方法は売却です。しかし前述したように域外からの流入がほぼない地域です。観光・レジャーの需要は多少はありますが、大きな開発は見込めません。
私に直接降り掛かってくるか、兄弟やいとこなどに分かれていくのかはわかりませんが、いずれにせよ維持費の持ち出しが発生することになりそうです。
受け継ぐ金融資産の運用益を維持費に
では、そうなればその維持費をどう工面するかという話です。1つの案は物件の借り手を都市部に求めることです。たとえば数か月間、静かな環境でテレワークをしたり、退職後の時間をのどかな田舎で過ごしたりしたい……といった借り手をみつけて貸すことがあります。
ただ、それも簡単ではないでしょう。これから先、同じような状況に陥る物件がどんどん増えていくので、残念ながら競合は増えていきます。地域の魅力にそこまでの優位性がないため、コンスタントに借り手を見つけるのは大変でしょう。
結局は使い道がなく、自分たちでときどき別荘代わりに使う程度が関の山かなと思います。
あとは、地方ではよく見る光景ですが、ソーラーパネルを植えて売電収入を得る……といった感じでしょうか。傾斜地への設置は難しいしょうけれど、耕作放棄地への設置は私の実家の周りでかなり進んでいます。
結局、維持費の準備の方法について漠然と考えているのは金融資産の投資です。相続を受ければ、これらの土地・建物のほかに、ある程度の金融資産も受け継ぐことになるはずです。となればこの資金を活用して、なんとか自分の持ち出しを減らす方向で考えていくしかありません。
個人的にはこういった用途に、ETFは分配金が出るので良いようにも思います。
「負動産」に運用益を持っていかれてしまうのは少しもったいない気もしますが、そこが自分たちの家系のルーツでもある場所です。時代の流れで、地方の土地の価値は下がり、その一方でビジネスの根源である金融資産(株や債券など)はより重要性が高まっています。
衰退していく地域を見るのはとても残念です。であればせめて、自分の手の届く土地・建物は、先代が築いた資産からの運用益をなるべく活用しながら、維持管理を続けていければいいのかなと思います。
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