中古マンションを居住用に購入――20代後半で購入を検討した理由や私の考え方・注意した点

20052420代後半で中古マンションを居住用に購入! その理由to考え方と注意した点 生活費
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2020年の春、自己使用のために中古マンションを購入しました!

半年ほど前から、新築・中古の物件を購入するために調べていました。今回の購入にいたる前には、中古戸建物件を購入直前で取られてしまった経験もあります。

◆「現金一括マン」によって私が物件購入を阻まれた話

中古戸建て物件の検討と「現金一括払い」に競り負けるまで
11月の中旬は忙しい1か月でした。本業の業務量が一時的に増えただけでなく,不動産の購入の検討を進めたからです。 突然ですが、物件を購入すべく、不動産購入申込書を提出しました。提出は...

今回も価格交渉の最中に別の申し込みが入りそうになる場面もありましたが、今回は無事に買えました。

不動産の購入は初めての経験です。自分なりにいろいろ考えながら購入したので、検討中の方の参考になればと思います。
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どんな物件を購入したか

買ったのは東京都内の中古マンションです。住宅ローンの金額が大きくなりすぎない物件を選ぶことに注意しました。

私たちは20代の2人暮らしで、家族構成がまだ固まっていません。そこで、いまの私たちにとって快適であることだけでなく、住み替えの可能性を考慮しています。売却や賃貸で困らないことを購入の前提条件に考えました。

終のすみかにする予定はないので、出口を確保できる物件を買うのは重視していました。

◆家族構成が変わったときにどうするか。

家族の人数が変わったときに、買った自宅をどうするか
自分が住むための家は購入か、それとも賃貸か――。いろいろな意見がありますが、私は前回の住まいまでは賃貸で、現在は購入した物件に住んでいます。 迷いましたが、いろんな選択肢を残しつつ...
あとにまとめた「購入する際の条件」をほぼ満たす物件を購入しましたよ。

そもそもなぜ物件を購入したか

家族構成は未定で、急ぎの引っ越しが必要だったわけではありません。それなのになぜ物件を購入したのか……!

これまでの住まいは東京都心のマンションの一室でした。築年数の経った2DKの賃貸物件です。古かったものの、駅から近くて生活必需品を取り扱う店も充実していました。いいところも多かったです。

しかし、広さと間取りには問題がありました。また、共働きで自宅にいる時間が短いため、採光や天井高、収納の使いやすさなどを犠牲にしていました

これまでの住まいでは2人暮らしでもやや手狭だったので、家族が1人でも増えれば厳しくなるでしょう。また、家にいる時間が増えれば、犠牲にしていた採光などの不満も大きくなると思います。

購入でも賃貸でも、引っ越したいタイミングで、希望のエリアに条件の揃った物件があるとは限りません。とくに子どもが生まれてからでは、いろいろな物件を見て回るのは難しいかもしれません。

物件は大きな買い物だからこそ、妥協したくありませんでした。そこで、「不要不急」な時期から時間をかけて検討することになりました。

なお、購入した理由を詳しく分解すると、住環境に関する理由・お金がらみの理由・利害関係に関する理由があります。

住環境に関する理由

  • 設備を選びたかった
  • 落ち着ける空間を作りたかった
  • 部屋をいろいろいじってみたかった

賃貸は設備の管理が不要で楽な反面、不満があっても自分で設備を選ぶことはできません。また、設備だけでなく、借り物なので居住空間の自由度にも限界があります。

購入した物件では、将来の売却や賃貸に影響を及ぼさない範囲で、住みやすいようにカスタマイズしたいと考えています。

お金がらみの理由

  • 最低レベルの金利で借入がたてられた
  • 老後の生活費を考える上で、ローンを残したくなかった
  • 住宅取得資金の贈与の非課税の特例が利用できた

低金利で住宅ローンを借りられたことや、住宅取得資金の非課税制度などを総合して考えると、資金調達の面での条件は整っていました。35年ローンを組んでも、60代前半で完済できることも理由の一つです。

また、東京都内では築40~50年に及ぶような古い物件でも、築15~25年の物件の5~7割の価格がついていたことも購入の動機となりました。売却までを計算すると、賃貸物件を借り続けるよりも、低金利で資金を調達して保有したほうがよいと考えました。

所有と利用の利害を面倒に感じた

  • 賃貸借契約時の文面にやや消耗した
  • 退去時費用でもめかけた

賃貸物件に住む以上は、所有者の事情や考え方に影響されるところが出てきます。

前回借りていた物件では、入居前には契約内容や退去時の費用負担で少しもめ、退去の際はいわれのない修繕費用の分担を請求されかけるなどの事件がありました。2年に1度の更新や、何かあったときの交渉も大変です。それも購入を考えるきっかけになりました。

◆退去時のクリーニング費用について、入居前に交渉した話

賃貸住宅の契約時,原状回復に関して少し揉めた話
借りぐらしのなまずんです。 2010年3月に上京してから長きにわたり,私は借りぐらしです。ただ,賃貸契約は2010年と2011年に行ったのみで,2014年以降は知人の住居に安い賃料...

購入する物件の条件と注意したこと

繰り返しになりますが、私たちは家族構成が固まっていません。売却・賃貸への転用も考慮できるような物件が前提条件です。
  • 戸建てか、マンションか?
    →どちらでもよい
    →売却・賃貸の可能性を考えると、新築注文住宅は避ける(好みが出やすいため)
  • 広さはどれくらい?
    →まずは2~3人で快適なコンパクトなサイズで
  • 重視する環境は?
    →交通の便がよい。複数の店があるなどの買い物にも都合がよい
    →都心にも職場にも物件から公共交通機関で30分以内
  • 築年数は?
    →住宅ローン控除が受けられる程度の築年数
  • 物件価格の上限は?
    →世帯年収の4倍まで
    →ペアローンではなく私だけの名義で購入できる物件

そのほか、マンションの場合は長期修繕計画、戸建ての場合は主要構造部分への不安が少ないなど、物件としての長期的な魅力の維持にも注意しました。

中古物件は、管理費・修繕費の滞納者はいないか、管理組合が機能しているか、過去に修繕されてきたか、近隣の人はどんな人かといった情報も新築に比べて多く得られるところもよかったところです。

とくにマンションでは、長期的な修繕の実績の少ないタワーマンションを避けました。また、機械式駐車場やエレベータなどの更新費用が大きい設備を必要最低限にとどめているかどうかもチェックしました。

「設備が充実!」とうたうマンションも多いですが、それは将来の設備更新の費用も相応にかかります。本当に自分が使うかどうかを考えてみてはいかがでしょうか。

物件価格は世帯年収の4倍を上限に考えました。ただ、実際に検討を進めてみると負担が結構大きいことがわかりました。そのため、徐々に世帯年収の3倍程度の物件を中心に見ることになりました。

また、私の名義だけで購入できる物件というのも考えていました。住宅ローン控除の点からは共同名義にすることも一案です。しかし、手狭になった場合には買い替えではなく、同じマンションの他の部屋や、近隣の物件への「買い足し」も候補にあがります。その際に身動きが取りやすくなることも考えました。

離婚したときに大変……という話も聞きますよ。

そのほか、子育て・通勤通学・老後などの人生のステージにおいて不便でないかどうかについては、考えられる範囲で検討しました。これは自分にとっても重要ですし、売却や賃貸の際に希望者がどれだけあらわれるかの目安にもなります。

学区を気にする人も多いみたいですね。

購入したのは条件をほぼ満たす物件があったから

いまの物件を購入した理由は、これらの条件をほぼ満たしていたからです。

なお、候補となる物件は2件あり、結局はコンパクトで価格の安いほうを選びました。

すぐに住めるような整理された状況だったことも幸いしました。安く買って自分好みにリフォームするのもありですが、すぐに住めるくらいに出来上がっているほうがその後の生活をイメージしやすく、手間もかかりません。中古物件を買ってリフォームから取り組むのは人によっては難しいかもしれません。

この物件は賃貸物件として管理されていたこともあったようです。そのためか全体的に損傷は少なく、部屋の状態は良好でした。

以前、購入しそこねた中古戸建も直前まで賃貸に出されていた物件でした。オーナーが自由に暮らしてきた物件より、賃貸実績がある物件のほうが管理面では良いと思います。

購入資金の調達方法と住宅ローン

購入資金の大半は住宅ローンです。購入資金は次のように調達しています。

  • 住宅ローン
    →35年間・変動金利0.38%で借入
  • 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」の範囲内での贈与
  • 自己資金
    →主に頭金と諸費用の支払いでした。物件費用の大半は住宅ローンでまかないました。

その結果、毎月の返済金額、管理費・修繕積立金、固定資産税・都市計画税の合計が、これまでの家賃よりやや少なくなりました。

返済金額が大きくなりすぎないことには注意しました。

◆参考:購入資金の調達の検討の詳細については別記事にまとめました。

自宅を購入する際の資金調達方法――自己資金・借入・贈与
私は20代後半の2020年の春に,東京都内に中古マンションを購入しました。 住宅購入は「人生の最大の買い物」とも言われます。金額の大きい住宅購入においては,どのように資金を準備する...

今回の売買では個人間売買における住宅ローン控除(10年間で最大200万円)が適用されました。

また、住宅ローンは団体信用生命保険(団信)によってカバーされます。生命保険の死亡保障を削減できるので、条件としては良いと判断しました。なお、団信は死亡時にローン返済が免除されるだけではなく、「がんと診断されたときにローン残高の50%が免除される」という商品でした。

最終的には、世帯年収の2.5年分程度の借入ですみました。2人が同時に長期失職しない限りは問題ないでしょう。家族計画にもよりますが、これで老後まで住み続けられるかもしれません。

情報収集に関する考え方

情報収集の期間・方法

内見をしたのは6か月ほどです。20件以上は見ました。内見に先立って、ウェブサイトでも1年ほどは情報収集をしていました。見ていたウェブサイトはYahoo! 不動産LIFULL HOME’Sが主で、複数の掲載サイトを横断検索できるアプリも利用していました。

私はもともと、不動産投資にも関心がありました。不動産に関する本は10冊ほど読んでいます。

将来的に賃貸または売却を考えているのですから、考え方は不動産投資です。「自分に貸している」という状態ですね。不動産投資のよくある疑問をまとめた本や、収益計算のための本も読みました。この2冊はおすすめです。

賃貸に出す可能性があれば簡単にでも収益計算をしておく必要はあるでしょう。2冊めの本は、購入時以外に必要な経費も想定されているので、そういった費用の推定にも役立ちます。

投資家向けのウェブサイトまで見る必要はないと思いますが、中古物件を掲載するウェブサイトで調べることで相場感や間取りのイメージなどをつかみ、中古の不動産取引に関する本を読むことで、不動産用語の意味や取引における注意点などをつかんでいました。

仲介業者の担当者選びに注意したところ

また、情報収集とともに重要だったのが、仲介業者の担当者選びです。担当者は、①物件を紹介してくれる、②売主と交渉する際の窓口になる、③手続きの管理をしてくれるという点でとても重要です。

単に業者が売りたい物件を紹介してくるのではなく、私たちが買いたい物件を提案してくるかどうかを重視しました。

交渉についてはその力があるほうがよいのですが、残念なことに担当者に交渉能力があるかどうかを事前に見極めるのは難しいです。私たちの場合は価格交渉で20万円ほどの譲歩を得られたので、悪くはなかったかもしれません。

中古物件は担当者によって提案力に差が出ます。今回は本人も中古マンションを購入して住んでいる担当者でした。同じような意思決定をしてきたからか、私たちの物件選びの感覚に合う人でした。

入居に際して行った修繕・改修は約6万円

中古物件でしたので、入居の前に少しの修繕と改修をしています。

おもな修繕・改修箇所と費用は次のとおりです。前述の通り、賃貸物件として成立する程度の管理歴があるる物件です。さらにある程度のリフォームもされていたため、大きな修繕箇所はとくにありませんでした。

COVID-19による外出自粛の連休期間にいずれもDIYで対処し、費用は5~6万円でした。
  • フローリングの保護と退色の回復のための水性ウレタンニスがけ
    →2万5000円(ほぼ塗料の費用)
  • 木部のワックスがけ
    →2000円
  • 屋内ドアや棚の扉の蝶番の調整
    →0円
  • おしゃれなカーテンレールへの交換とネジ穴の埋め戻し
    →2万5000円(ほぼカーテンレール本体の費用)
  • 洗面台のスイッチ板のビニールカバーの交換(破損していた)
    →1000円
  • 壊れたコンセントカバーの付け替え
    →300円
  • はがれかけた巾木の接着
    →500円(接着剤)

◆このような修繕・改修については別記事に写真付きでまとめました。

購入した中古マンションの内部の修繕・改修――床・扉・カーテンレールなどをDIYで!
2020年の春に居住用物件を購入しました。築20年程度の中古マンションです。 フルリフォーム物件でなければ,中古物件には経年による傷や設備劣化があります。この物件は大掛かりな工事は...
直射日光が入る部分のフローリングは、一部が日焼けして白っぽくなっていました。それでも、塗り直すことでかなり見た目が良くなりました。中古物件を見るときは、補修がどのくらいできるかをブログなどで調べておくとよいでしょう。

購入した物件での生活が楽しみ!

最後に一つ、あやうく大失敗になるところだった経験です。

火災保険はローン加入時に案内されるはずでしたが、なぜか連絡がないという現象がおこりました私も引き渡しを受けてから無保険であることに気づいた始末です。あわてて加入の手続きをとることになりました。

生命保険には加入すべき人とそうでない人がいますが、火災保険に入らなくてよい人というのはほぼいません。

購入した物件でのこれからの生活が楽しみです!

◆500日住んだあとの感想

中古マンションを購入して500日住んで思うこと
気づいたら,中古マンションを買ってから500日が経っていました。 2020年の春,新型コロナウイルスによる1回目の緊急事態宣言の真っただ中に購入し,引っ越しました。 「物件を買った...

◆その他、住宅費に関する記事です。

生活費
住宅費にかかる話題です。

コメント

  1. ださださ より:

    twitterから来ました。若くして投資を始めたので、将来すごいことになりそうですね。
    私も、築20年の中古マンションを買って住んでいます。
    理由は、同じで築20年から流通価格が下がりにくくなるからです。
    (のらえもんさんの本のデータを信じて購入しました。)

    また、私は住むことはできませんが、都内タワーマンションを
    買う人の理由もいまでは理解できます。(バランスシートが痛まなければOK)

    いまでも、3ヶ月に一回
    住まいサーフィンとか
    三井のリハウスAI査定とか
    HowMaとかで、流通価格を調べて、残債に対してプラスかどうかを
    確認しています。

    • なまずん なまずん より:

      こんにちは。コメントいただきありがとうございます。
      私達が売却するころも同じ傾向かどうかは確実ではありませんが、立地さえ良ければある程度の価格で売却できると考えてはいます。
      タワーマンションも言われるほど悪くはないかもしれませんね。

      定期的に価格の推移を見ていくのは大切ですよね。私もそのあたりを参考にしたいと思います。