モーニングスターの12月8日の記事が印象に残ったのでブログで取り上げておきます。
タイトルのとおりですが、2022年のファンド動向について、以下の2つがまとめられていました。
- 2022年は米国籍ファンドの資金流出入が、過去30年で初めてマイナスに
- インデックス運用(パッシブ運用)が買われ、アクティブ運用が売られることでアクティブ比率がいよいよ50%を切る目前
過去30年で初めて2022年は資金流出の年に
これにはびっくりしたのですが、2022年は米国籍のファンド(投資信託とETFを含む、MMFは除く)の資金流出入の合計が大きなマイナスになっています(図は記事より、他も)。
金融危機の2008年でもギリギリプラスになっていたし、コロナの影響が大きかった2020年もプラスでした。これが今年は10月末までに2300億ドルを超えるマイナスになっています。過去には年末に大きく買われる傾向はないそうで、モーニングスターの予測によれば、過去30年で初めてマイナスになるのがほぼ確実とのこと。
その要因は、①前年の2021年に買われすぎた反動と、②アクティブファンドが大きく売られたことの2点が挙げられています。確かに、2021年は異常値ですよね……。
上図の資金流出入を、アクティブファンド・パッシブファンド・アクティブETF・パッシブETFに分けて分析したグラフも記事には掲載されています。
パッシブETFは年々流入が増える傾向にあり、とくに2021年は8000億ドル超の資金流入。そして合計ではマイナスになっている2022年も4000億ドル超の大きなプラスになっていることがわかります。
対して、2015年頃から資金流出傾向にあるアクティブファンドが、2022年は大きく売られて全体のマイナスの要因になっていることも示されています。なお、記事ではとくにアクティブ運用の債券が大きく売られたため、マイナス幅が拡大したと分析されています。
アクティブファンドは、米国株では資金流出、債券では資金流入という傾向が続いていましたが、2022年は債券ファンドがこれまでになく売られたようです。金利が大きく上がったときは、債券ファンドは売られますよね。
2023年のうちにはパッシブ運用がアクティブ運用を上回る?
さて、パッシブETFが買われてアクティブファンドが売られれば、全体におけるパッシブ運用の比率は上がり、アクティブ運用の比率は下がります。
30年前にはほぼ100%がアクティブファンドだった米国籍ファンドも、年々速度を増してパッシブ化が進んでおり、ついにアクティブ運用約53%、パッシブ運用47%とほぼ半々の比率になってきました。
2023年のうちにはパッシブ運用がアクティブ運用を上回るのではないか、というのが記事の予想です。また、パッシブ運用ではとくにETFの比率が上昇していることから、「パッシブのETFやファンドのみ」の投資家や、「パッシブと個別株」の投資家がより増加するとの予想が示されています。
個人投資家はその傾向が続くと思いますが、保有比率としては機関投資家の動向が大きく、実際は機関投資家の意向次第ではないでしょうか。
ただいずれにせよ、近い未来にはいよいよパッシブ比率が50%を超えるのではないかと思っています。
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