投資することが“新常識”ではなく単なる常識となるように

210425 投資することが“新常識”ではなく単なる常識となるように 投資家動向
この記事は約5分で読めます。

日本経済新聞社から4月17日に公開された記事「令和入社組に贈る 資産づくりの新常識」を読みました。

すでにお読みになった人も多いと思います。平成最終盤入社組の私としては,同世代にもおすすめしたい,よくまとまった記事でした。

内容には直接の関係がありませんが,「新常識」というタイトルにはやや引っかかるものがありました。新しいと感じるのは一回り上の世代からの見方からかもしれません。

記事では日経平均株価が30年ぶりに3万円をつけたことにふれて30年前と比較していますが,そもそも30年前に生まれていない私にとっては,低成長・低金利で預金ではお金が増えないのがむしろ常識です。むしろこの“超高金利”の“旧常識”のほうに不思議な感じを覚えてしまいます(画像は記事より)。

銀行預金の金利

日経の記事だから,日経平均株価についてふれるために30年前と比較したのでしょう。これからの資産運用を語るうえでは,そもそも30年前の日経平均株価にふれる必要もありませんからね。

前置きがやや長くなりましたが,記事の内容は満足できるものでした。私たちの社会の常識から必然的に導かれる,資産づくりの“常識“です。

スポンサーリンク

積立投資の原則は記事の通り

記事では以下の積立投資の原則を解説しています。これらは“新常識”でもなんでもなく,以前から言われてきた基本です。私もほぼ同じ思想で実践しています。

  • 企業・資産を分散する
  • 国・地域を分散する
  • 時期を分ける

1つの企業や資産だけに投資して運命を託すのは大きなリスクです。また,特定の国・地域だけの浮き沈みの影響を受けるよりは,世界全体をみて投資するほうが値動きの振れ幅を小さくできます。時期を分けて高値づかみを避けることも,安定して資産づくりを進めるためには有効でしょう。

◆これらは金融庁のつみたてNISAのガイドでも重要視されている基本的な考え方です。

「つみたてNISA早わかりガイド」が令和2年度税制改正を踏まえて改訂
金融庁が投資初心者向けに無料で配布している教材「つみたてNISA早わかりガイドブック」が令和2年度税制改正を踏まえて改訂されました(報道発表資料)。 改訂後のガイドブックは以下のリ...

ただ,実践ではこれらの原則から少し外している人も多いですね。私もその一人で,債券投資はしていません。これについてはまた別記事で。

また,実践するときに大事なこととして次の3点を挙げていることも好印象でした。

大事なのは次の3点。①日々の運用成績に一喜一憂しない。②途中でやめず、長期運用でお金が雪だるま式に増える複利効果を生かす。③税金とコストを節約する。特にNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)など、収益にかかる税金が優遇される制度から先に使い、同じような投信なら「信託報酬」という運用会社に支払う手数料の低い方を選ぶのが重要

これには補足すべきことがとくに見当たりません。よい内容です。

ただしこれをやりきるのは簡単ではないところもあります。次に書いているように,すでにやっている人の実践を読んでともに継続していく力をもらいましょう。

投資しやすくなった理由は情報を手に入れやすくなったことも

記事では,ネット証券の登場や,iDeCo・一般NISA・つみたてNISAといった税制優遇,低コストのインデックスファンドが充実してきたことで投資をしやすい環境ができてきたと解説されています。

もちろんそれらも欠かせない要素ですが,近年最も変わったことは,情報を手に入れやすくなったことだと私は考えています。

優れた記事もネットで無料で読めることも多いです。また,多くの人が紹介している定番の本を読むことで,質の高い情報を得ることもやりやすくなりました。

また,ほかの人の投資に対する考え方,先人たちが成功するまでの道のり,そして同世代の人の実践の様子を手軽に知ることができるようになりました。

たとえばコロナ・ショックのような急落の場面では,投資を続けるように励まされて続けられたような人もいるでしょう。このようなソフト面での進歩も投資の普及と実践に大きな影響を及ぼしていると思います。

投資を早くから始めることがますます普通のことになるように

積立投資での資産づくりは,1日や1年くらいでは大きな成果になりません。しかし,30~40年という長期目線でみれば,高い確率で資産を増やすことが望める方法です。

若い世代には時間があるからこそ,これまで多くの人が資産を築いてきた確実性の高い方法をとることができるのです。変な商材に手を出したり,無理なレバレッジをかけたりして,大失敗を生みかねない方法を選ぶ必要はありません。むしろ失敗を防ぐことのほうが大事です。

この記事には積立投資で資産をつくるために必要な基礎知識がほぼ網羅されています。あとは書いてあることを実践する段階へ移っていきましょう。

資産づくりを見据えて早くから投資を始めることはすでに珍しいことではありません。一般NISA・つみたてNISAの20代の口座開設数は,すでに約100万口座です。社会に出る時期を考えれば,10人に1人くらいはすでに実践しています。そして投資を早くから始めることは,これからますます普通のことになっていくでしょう。

運用はまだこれからという方がいれば,ネット証券に口座を開設し,記事にも紹介されているように税制優遇のあるNISA・つみたてNISAやiDeCoから始めてみてはいかがでしょうか。

私もネット証券の楽天証券でiDeCoとNISAを始めたことから今につながっています! ぜひ一緒に実践していきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました