指数の推移と積立投資のリターン【米国株・日本株・新興国株を比較,2019年1月から】

インデックス投資
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ここ数年は米国株への投資が人気です。金融政策の影響や,米国市場では投資家への還元を重視しているといった選択理由もありますが,米国株の指数が近年,他国と比べて大きくのびていることも理由の一つでしょう。

これから紹介するように,2019年以降,米国の代表的な指数であるS&P500は日本株のTOPIXや新興国株のMSCI・エマージング指数を圧倒しています。

しかしながら積立投資を考えた場合,株価指数の推移と運用成績には関連があるものの,少し違った景色も見えてきます。

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2019年以来の基準価額の推移では米国株が圧勝

今回は低コスト投資信託シリーズ「eMAXIS Slim」の米国株式(S&P500),国内株式(TOPIX),新興国株式,全世界株式(オール・カントリー)の基準価額の推移をもとにグラフを作成してみました。

指数そのものではなく基準価額の推移を比べた理由は,指数に含まれる銘柄の配当金や,信託報酬などのかかるコストを含んだ比較ができるためです。投資信託を購入して投資する場合の現実的な損益でもあります。

2019年1月初めの基準価額を100とし,2021年4月16日までの推移を比較しました。2019年の初めに100円を投資し,そのまま保有し続けた場合のリターンと同じです。

青色の米国株の圧勝です。赤色のTOPIXや黄色の新興国株とは徐々に差が開く傾向にあります。

この期間で米国株は77.9%も上昇したのに対して,日本株は40.8%,新興国株は48.6%にとどまりました。全世界株は65.1%です。全世界株は米国株を半分以上含むため,リターンは米国株に近くなります。

スタート地点を決める際にバイアスがかかってしまいますが,2019年の初めに購入した場合は,米国株は日本株・新興国株を圧倒する結果でした。

積立投資では,日本株や新興国株が上回る期間がある

さて,次に紹介するグラフは同じ期間で,毎日一定金額を積み立てながら投資をした場合の総リターンの推移です。

縦軸はその日までの累積投資額を100とした場合を示しています。たとえば,120になっていれば投資金額に対して+20%のリターンを得られたことになります。

直近では米国株の総リターンが最も高いことに変わりなく,全体で見ても米国株がトップである時期が長くなっています。しかし,米国株がトップだった日は全体の78%で,日本株や新興国株のほうが総リターンが高いときも22%を占めました。

先ほどのグラフと異なり,2019年の後半に日本株が,2021年の初めに新興国株が米国株を上回る時期もありますね。

最初のグラフでは2019年の後半の日本株も,2021年の初めの新興国株も,基準価額の伸び率では米国株よりも明らかに低い位置にありました。では,2つのグラフにこのような違いが生まれるのはなぜでしょうか?

その理由は,2つ目のグラフでは定額で買い付けていることにあります。日本株や新興国株は基準価額が低い時期が長かったために,購入単価が低くなりました。それによって,株価が回復した時期により大きなリターンが生まれたのです。

なお,毎日積み立てた場合でグラフを作成しましたが,毎月1回の積み立てでも傾向はほぼ同じで,日本株や新興国株が上回る時期がありました。

積立投資の特性も考えて全世界に投資する

今回は米国株が一貫して強く,積立投資でも米国株がトップとなる期間が最も長くなりました。

しかしながら,基準価額の推移を示した最初のグラフでは明らかにダメなように見えた日本株や新興国株も,積立投資での総リターンでみればわるい選択肢ではありませんでした。

積立投資では,「運用の初期は基準価額が停滞して,終盤に一気に増える場合」が資産が最も増えるパターンです。指数の推移では米国株が常にリードしているにもかかわらず,リターンでみると日本株や新興国株が上回ることもあるのは面白いところです。

私の場合はこれから20~30年は積み立てを続ける時期で,その後に取り崩す時期がやってきます。20~30年は停滞して,それから大きく伸びる資産が理想的ですが,もちろんそんなことはわかるわけがありません。

近年の傾向がずっと続き,このまま米国株が他国を上回る圧倒的な強さを見せ,米国株投資で安定して資産を増やし続けられるかもしれません。しかしそのなかでも,日本株や新興国株が運用の終盤にかけて盛り返し,長期での指数の伸びでは劣っても積立投資のリターンでは上回るかもしれません。

私としては当面は米国株が世界を引っ張るように思っています。しかし,新興国はこれからも経済成長が見込まれる国が多く,日本株を外すべき確たる理由があるわけではありません。長期であればあるほどその不確実さは増していくと考えているので,全世界に分散して投資していく方針です。

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