社内企画で若手社員のお金の疑問に答えました②――住宅費とポイ活の話題

230729社内企画で若手社員のお金の疑問に答えました②――住宅費とポイ活の話題 企画関連
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先日に引き続き、社内の小冊子で「お金について詳しい社員に聞いてみよう!」といった企画の続編があり、それに私のコメントが掲載されました。

◆前回の内容は資産形成や老後資金、保険についてコメントしたもので、その概要はこちら。

社内企画で若手社員のお金の疑問に答えました①――資産形成と老後資金、保険の話題
私の勤務先では不定期に、社内での活動などを読み物としてまとめた小冊子を作っているのですが、このたび「お金について詳しい社員に聞いてみよう!」といった企画があり、それに私のコメントが...

今回は住宅費とポイ活の話題でした。これらについてはそこまで詳しいわけではなく、あくまで私の見解、かつ社内の事情に合わせた回答ですが、ここではその概要を書いておきます。

社内の制度に合わせた回答ということで、ブログでは数字を使った説明はしませんが、身近な人がどんなことを疑問に思っているのか知るにはいい機会でした。

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住宅を買うかどうか? ローンは繰上返済するか?

住宅費は家計に占める金額が大きいことや、また30歳前後の世代は結婚や子どもの誕生を機に住み替えで迷うことからか、30歳前後の世代からは住宅費に関する質問がたくさんきていました。

住宅を買うか、借りるか

なかでも多いのは、「物件を購入するか、賃貸にするか」。立場を言っておくと私は購入する派で、実際に物件を購入して住んでいます。物件を借りていた時代も長いですけれどね。

不動産はまったく同じ条件の物件がなく、流動性も限られている商品です。しかし市場原理が働くので、原則的にはどちらかが圧倒的に有利……とはならないでしょう。

ですが、①不動産投資というしくみが成り立つことと、②自己所有する物件で暮らすのは「自分の物件を自分で借りている」状態といえることから、買ったほうが有利になる傾向があると考えられます。具体的には、「オーナーや賃貸管理会社の利益相当分+売却価格と負債の差額分+自己居住の際に得られる税制優遇分」があります。

一方で、購入時にはローンをフル活用したとしても、物件価格の5~10%の支出は必要です。これを運用に回した場合に得られる収益は失うことになりますね。また、住宅ローンを借りる場合はその金利負担が生じます。ですので、この差を計算してみればいいわけですね。

社員向けの話だったので、転勤が生じないことや、家賃の補助や借り上げの福利厚生がない前提で回答しましたが、これらの要因が入ってくると変わってくると思います。

個人的には、流動性がそれなりにある地域であれば、次の回答のように手元資金を残して(ローンを多く借りて)運用しながら不動産を購入するのが最もよいと思います。

ローンは繰上返済するほうがよいのか?

「繰上返済すれば総返済額が減るというメリットがあるが、やるほうがいいのか?」という質問でした。これには「しないほうがオススメ」という観点で回答しました。

  • 当初10年(または13年)は住宅ローン控除があること
  • 金利負担よりも運用による期待値のほうが大きいこと
  • 他の借入よりも金利が低いこと
  • 団信(団体信用生命保険)の効用も大きいこと

この4つが理由です。順に補足していくと、変動金利で0.2%台の商品もある現状では、住宅ローン控除の適用される期間(以前は残高の1.0%、現在は0.7%)は「逆ザヤ」で、ローンを組むことで実質的にお金がもらえる状態です。

また、金利が低いので残債が大きくても負担はそれほど大きくありません。手元にそれなりの運用資産を準備できれば、運用益の期待値が金利負担を大きく上回るようになります。

わが家はローン残債3500万円程度(金利0.38%)に対して、運用資産は約3000万円ですので、実質的に借金をして株式と不動産のダブルでの運用をしているとも言えます(リスクを取りすぎないようには要注意ですが……)。

3つ目は、住宅ローンは奨学金についで利率の低い借金です。住宅ローンを繰上返済したものの、手元資金が不足して自動車ローンや教育ローンなどを借りるという状況になるのは避けたいことです。

そして4つ目、万一の死亡・高度障害の際には、団信で住宅ローン残債をなくすことができるという利点もあります。返済が進むに従って残債が減っていくため、保険としての効用も減っていきますが、団信保険料は金利に含まれるため、保険料も逓減していきます。

手元の現金の使い方は運用を含めていろいろあり、住宅ローンを保有しておくことにもメリットはあるので、総合的に判斷すると繰上返済するのはあまり有利な選択肢ではないと個人的には思います。

とは言うものの、わが家は年収の3倍以内の物件を購入したというのが、取り回しやすくなっている1番の理由です。返し方に注目するのも重要ですが、買うところの段階での判断も重要です。

オススメのポイ活は?

資産形成とセットで行えるクレカ積立や、高還元率のカードの活用などを紹介しました。また、ハピタスなどのポイントモールの活用による二重取り・三重取り、楽天お買い物マラソンなどのポイントアップの積極的な活用をオススメしました。

ここはとくに知識があるわけではないので、ごく一般論を解説するにとどまりました。証券会社のクレカ積立は現在のところ鉄板の手段で、積立の習慣をつくるのにもピッタリなのでオススメです。

ポイントのルールにはしょっちゅう変更が入るので、振り回されすぎない程度に活用できるといいですね。

資産運用よりも支出の圧縮のほうが反響があったかも

前回に回答した資産形成の話のほうが反響があるかと思いきや、意外にも保険についての考え方や住宅費についての内容のほうが反響があったように思います。資産形成は「待ち」の時間が多く、かつ成果がすぐには出ない一方で、保険や住宅費のほうは差し迫った判断であり、かつ費用の圧縮という効果が見えやすいからでしょうか。

全体的には給与水準の高い企業なので、「私もNISA制度を使っているよ」という声や、優待投資・不動産投資などを実践中という人も身近に多いです。お金を持っている人ほど資産活用のモチベーションが高まることは容易に想像できるので、資産形成の基本的な話は実は知っている人のほうが多く、反響が少なめだった……なんて理由もあるのかもしれません。

続編の依頼があれば、資産運用についてはもう少し踏み込んで書いてみてもいいかなと思いました。

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