ビットコイン投資をしない理由とした経緯

210114 ビットコイン投資をしない理由とした経緯 インデックス投資以外
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知らないうちにビットコイン(BTC)の取引価格が大きく上がっていましたね。保有していた人はおめでとうございます。

執筆時点では350万円程度まで下落していますが,2021年1月8~9日にかけて,1BTC=430万円以上の値を付けました

ビットコインは代表的な暗号資産(仮想通貨)です。2017年に入って大きな話題となり,2017年12月には200万円以上の高値をつけました。まさに,「寝ているだけで朝起きたらお金が増えている」という状態でした。

しかし,その後に暴落して以来,現実でもネットでもあまり話題に上らなくなりました。ところが2020年の秋から価格を上げ,最高値を大きく更新しています(図はGMOコインより)。

ビットコインの長期推移

2017年の暴騰では私はその渦中にいました。そして今回は傍観者です。ビットコイン投資をした理由としない理由,そしてそもそもなぜ投資をしているかという目的に立ち返って,冷静な判断をしてほしいことを書いていきます。

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私がビットコインを買って売るまで

古い記事には何度か書きましたが,私は2016年の10月にビットコインを入手しています。口座開設キャンペーンで100円分をもらったのが最初でした。当時のレートは1BTC=85,000円と,いまとは全く比較になりません。

それから2017年秋にかけて買い進めていきました。ブロックチェーンという新技術と,それを応用した資産はとても魅力的でした。金融分野だけでなく,各産業領域へどのように応用できるかについて大きな展望も続々と話されていました。

そのような状況を背景に,暗号資産もそのころは価格の上昇がすさまじく,その年の秋にヨーロッパへ旅行したときは,行く前より後のほうが総資産が増えていたほどです。

続々とあらわれた「アルトコイン」に手を出したこともありました。

その後,暴騰・暴落を経て,2018年末までにほぼすべてを売却しました。最終的には税引前で100万円を超える利益が出ました。これは単なる幸運です。大きな話題になる前にたまたま興味本位で購入していたことがすべてでした。

私はインデックス投資を始めた2017年11月から資産構成の記録をつけています。このときはまだ暗号資産をたくさん保有していました。

2017年11月の資産状況/インデックス投資を開始
2017年11月の運用状況です。当ブログスタート時の私の資産構成です。 ◆最新の月次レポートはこちら 資産構成 資産内訳をグラフにするとこの通り。 銀行預金等=普通預金の他,電子マ...

このときは総資産が今より少なかったので,暗号資産の保有金額でみると150万円です。しかし資産の40%近くが暗号資産という状態はいま思えば恐ろしいです。もちろん,そのまま保有していれば数百万円の含み益だったでしょうけれど。

ビットコイン投資をやめた理由

インデックスファンドの運用では,株価が上がろうと下がろうと売却せずに保有し続ける方針を取り続けている私ですが,暗号資産はそのほとんどを売却しました。

その最大の理由は,暗号資産を保有している自分の将来が見えなかったからです。それだけの値がつく理由がわからなかったことと,値動きの幅が激しすぎたことです。

「保有していたら価値がゼロになるかもしれないし,10億円になるかもしれない」。そんな“資産”を大量に保有していて将来設計ができるわけがありません。将来の保有資産額をまったく予測できなければ,いまどれくらいお金を使ってよいかもわかりません。

ビットコイン価格の決定には取引に参加する人の“お気持ち”以外の理由がほぼありません。株価は企業の収益力と展望をもとに付けられますが,ビットコインはそのような指標がないのです。

発行数が限られていることや「マイニング」にかかる費用を裏付けとする意見もあります。しかしそれはあくまで売りたい人の見方でしょう。

お金を短期間で増やすという視点からは,ビットコイン投資には確かにその可能性もあります。

しかし,私が資産運用を行う理由は短期的にお金を増やすことではありません。また,保有資産をとにかく大きくすることでもありません一生のなかで適切な時期に,適切な量のお金を配分して生きることです。

そのなかで,将来に使う分や余剰となった部分は,長期目線の投資で増やしておくということが基本的な考え方です。

そしてもう一つ,この理由も大きいのですが,ビットコインで収益を上げるには,「安く買って高く売る」という方法しかありません。株は売買のほかに,企業からの配当というインカムゲインの要素があります。ここが大きな違いです。

インカムゲインがあることは,株式へのインデックス投資で投資期間を増やしていくと,運用成果がマイナスになる確率が減っていく理由の一つです。

これはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の公開しているデータを見れば明らかです(図は2020年度第2四半期運用状況(速報)より)。

GPIFの長期運用 インカムゲインとキャピタルゲイン

したがって,インカムゲインのないビットコインを定期積立で長期保有することはあまりおすすめできません。

投資の目的に立ち返って冷静な判断を

私は今後の資産運用において,暗号資産の割合を以前のように増やすことはないでしょう。そして投資金額が少なければ,「一発当てて人生大逆転」というような展開も望めないため,長期投資に向かない暗号資産には大きく投資する理由がなおさら見つかりません。

すでに書いたように,ビットコインで収益を上げるには,「安く買って高く売る」ことが唯一の戦略です。そして取引価格は参加する人の気持ちで大きく動きます。

いろいろな人が話題にし,注目され,熱気を帯びているいまは少なくとも買い進める時期ではないように思います。いま一度,自分が投資をしている理由を踏まえて,冷静な目線が必要であると感じます。

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