超低コストアクティブファンド「SOMPO123 先進国株式」はインデックスファンドに勝っているか?

221226超低コストアクティブファンド「SOMPO123 先進国株式」はインデックスファンドに勝っているか?証券会社・運用会社
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2021年の冬に超低コストアクティブファンドの「SOMPO123 先進国株式」が設定されてから、約1年が経ちました。

「SOMPO123 先進国株式」は先進国株式指数のMSCIコクサイインデックス(配当込み、円換算)を上回ることを目指したアクティブファンドです。

「SOMPO123 先進国株式」は先進国株式で最安の信託報酬0.077%の「アクティブ」ファンド
2021年12月1日の日経電子版に,SOMPOアセットマネジメントが新たに先進国株式を投資対象にするファンドを設定することが報じられました。 12...

「SOMPO123 先進国株式」の最大の特徴は、信託報酬が年率0.070%(税抜)と破格の安さであること。先進国株式インデックスファンドでは、期間限定で信託報酬ゼロの「野村スリーゼロ先進国株式投信」を除けば「eMAXIS Slim 先進国株式」の0.09%台が最低ですから、その安さは際立っています。

安さの理由は、数千銘柄を揃え、かつ指数の使用コストのかかるインデックスファンドではなく、投資銘柄数を123種程度に抑え、かつ指数への連動は公称しないアクティブファンドであるためと言われます。

アクティブファンドの総和がインデックスファンドに負ける理由としては、信託報酬や取引のコスト差が効いているという背景もありますから、「インデックスファンドよりも低コストの運用を志向するアクティブファンド」となれば、インデックスファンドに対してむしろ優位に立つ可能性があります。

では、設定から1年を迎えた「SOMPO123 先進国株式」の運用成績はどのようなものだったのか。この記事ではその運用成績を、MSCIコクサイインデックスに連動する「eMAXIS Slim 先進国株式」と比較してみました。

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この1年間では「SOMPO123 先進国株式」の勝利

「SOMPO123 先進国株式」の設定日は2021年12月21日です。公式ページの情報によれば、新規設定時には2日間に分けて123銘柄を購入したことで乖離が出ているそうです。今回はファンド設定時の乖離の影響を調べたいわけではないので、設定から3日を経た2021年12月24日~2022年12月23日について、基準価額の推移を比較しました。

SOMPO123先進国株式はインデックスファンドを上回っているか分析

この図の赤線が「SOMPO123 先進国株式」の基準価額の推移、灰線が比較対象の「eMAXIS Slim 先進国株式」の基準価額の推移です。いずれも、2021年12月24日を100として指数化しました(左軸)。つまり、2021年12月24日の基準価額に対して、何%のリターンを記録しているかが示されています。

そして、この2つのファンドのリターンの差を緑線で示しました(右軸)。緑線が真ん中の0のラインより上にあるときは「SOMPO123 先進国株式」のリターンが優位で、下にあるときは「eMAXIS Slim 先進国株式」のリターンが優位の状態です。

結果を簡単に分析してみました。

  • 当初の短期間は「eMAXIS Slim 先進国株式」のほうが優位
  • その後は一貫して「SOMPO123 先進国株式」のほうが1.5~2.5%リターンがよい
  • コスト要因での差は明確にはわからない
    →緑線の上下動は激しくないので、ある程度は指数に連動している。しかし信託報酬の差(年率0.02%)による影響が埋もれるほど大きな値動きの差がある。
  • 基準価額の上昇時には緑線は下方向(eMAXIS Slim 先進国株式が優位の方向)に動く傾向
  • 基準価額の下落時には緑線は上方向(SOMPO123 先進国株式が優位の方向)に動く傾向
    →後述のように投資対象と運用方法の特性か。

なお、別の検証では「eMAXIS Slim 先進国株式」はMSCIコクサイに連動する他のインデックスファンドと同じ推移をしており、指数にほぼ忠実に運用されていると考えられます。そのため、この緑線の動きは「SOMPO123 先進国株式」のほぼ固有のものと考えられます。

SOMPOアセットマネジメントからの公式情報ではありませんが、「SOMPO123 先進国株式」の設定前には、MSCIコクサイインデックスから上下2%程度に収まるような運用を志向しているとの報道もありました。現状では約2%のなかに収まっていて、その点では目論見にかなった状態です。

基準価額の下落時に勝ちやすい状況との分析

「SOMPO123 先進国株式」を運用するSOMPOアセットマネジメントは、このファンドを「インデックスファンドではなくアクティブファンド」と公称しています。

2022年6月末までの運用状況は動画で解説されており、それによれば、「参考指数が上昇した日には指数に劣後することが多く(21勝45敗)、指数が下落した日には優位になっていることが多い(43勝18敗)」との報告がなされています。この要因は、①大型株比率が高いことや、信用格付けの低いものを除いていることによるバイアスと、②設定・解約などに備えて若干の現金を保有している点にあると分析されていました。

②はファンドの規模が拡大すれば改善する可能性がありますが、①は今後も規模にかかわらず現れてくる影響だと思います。

また、以前の報道で指摘されていたように、実際に2%程度は指数から乖離している状況がわかりました。今回はインデックスファンドを上回っていますが、それが①・②のような要因であれば、長期的に上回り続けることは難しいと思います。

また、低コストであることには優位性があると期待していましたが,2%というのはそれを吹き飛ばすくらいの大きさの値動きです。2%をどう評価するかは人それぞれですが、いくら低コストでも私としては買いにくいように思います。

今回は基準価額が下落傾向で、「SOMPO123 先進国株式」が「eMAXIS Slim 先進国株式」を上回りましたが、今後、基準価額が上がっていくような状況ではどうなるでしょうか。

まだ短期間の運用でなんとも結論は出しづらいですが、とりあえず、指数への連動性はある程度保たれてはいます。指数にだいたい連動する「超低コストアクティブファンド」の状況を、今後も注目してみたいと思います。

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