10月6日、楽天投信投資顧問が「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」と「楽天・S&P500インデックス・ファンド」の2つのファンドを新規設定するとのニュースを発表しました(プレスリリース)。
「業界最低水準の運用コストを目指す」とは「eMAXIS Slim」を完全に意識したと思われるフレーズですが、設定された2ファンドの信託報酬はその通り最低水準に並んでいます。
楽天投信には、全世界株式の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)」、米国株式の「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」がすでにありますが、これらとは別に指数の異なる全世界株式、米国株式インデックスファンドが設定されることになりました。
業界最低水準の信託報酬で設定
設定日は2023年10月27日。対象指数は先ほど触れた「eMAXIS Slim」シリーズの「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」および「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と同じです。
名称 | 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 楽天・S&P500インデックス・ファンド |
愛称 | 楽天・オールカントリー | 楽天・S%P500 |
連動指数 | MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)(円換算ベース) | S%P500インデックス(円換算ベース |
運用方法 | 「楽天・日本株式インデックス・マザーファンド」「楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・マザーファンド」「楽天・エマージング株式インデックス・マザーファンド」に投資。マザーファンドを通じて全世界の株式に投資する(ETFや先物を取り入れる場合もあり) | 「楽天・S&P500インデックス・マザーファンド」に投資。マザーファンドを通じて全世界の株式に投資する(ETFや先物を取り入れる場合もあり) |
信託報酬 | 税抜年率0.0525% | 税抜年率0.0852% |
いずれもマザーファンドから新規設定するようです。運用方法ではETFを購入して運用する可能性にも触れていますが、信託報酬の詳細は画像の通りで、別途ETFの費用がかかる旨は記載していないため、楽天VTや楽天VTIのようにETF購入を前提とはしていないかもしれませんね。
実際にどんなふうに運用されていくかは気になるところです。
国内の投資信託で純資産総額の3位と1位を占める「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」にとっては、新NISAを前に強力なライバルが新規設定された形です。楽天のファンドがどれくらい食い込めるのかにも注目しています。
業界最低水準のコストの徹底に期待
人気のMSCI ACWIとS&P500のインデックスファンドを設定したいということだったのかもしれませんが、既存の楽天VT・楽天VTIのコストには手をつけず、新しいファンドが設定されることとなりました。
楽天VT・楽天VTIは「業界最低水準の運用コストをめざす」とは明記されておらず、指数の異なるファンドばかりか、同じ指数に連動するSBI・Vシリーズにも大きく差をつけられています。
楽天VT・楽天VTIもかなり低コストではあるとはいえ、コスト差も一因で長期的にはライバルに劣っている状況が見られています。
この判断は残念ですが、今回設定された2つのファンドは「業界最低水準の運用コストを目指す」と明言されていることから、こちらはコスト面でもやる気があることは確かです。その点では久々に、楽天投信投資顧問がコスト面でのリーダーシップを打ち出してきたように思います。
信託報酬はもとより、その他のコストもかなり小さくまとまるか期待しています。
私も新NISAが始まったら日本を含む全世界株式インデックスファンドで固めるつもりなので、選択肢が増えることは歓迎です!
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