ポイントを貯め込まずに,なるべく早く使うべき理由

クレジットカード・ポイント活用等
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なまずんです。

Tポイント,楽天スーパーポイント,航空会社のマイレージ――。元は「点数」を意味する「ポイント」は,世の中に数多く存在しています。

買い物で現金代わりに使えたり,商品券などの特典に交換できるポイントは,お得に使えば値引きと同様,家計にとって支出の節約になる便利なアイテムです。賢い入手方法を指南する記事もたくさんありますね。

しかし,ポイント利用には忘れてはならない原則があります。それは「手に入れたポイントは貯め込むのではなく,なるべく早く使うべき」。「Tポイントを1万ポイント貯めること」は,確かにすごいでしょう。しかし,マネーリテラシー的には惜しい状況と私は思います。

例外はあるものの,原則として,私は闇雲にポイントを貯める行為には反対の立場です。

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ポイントと他の資産を比較する

ポイントをすぐに使うべき理由はたったひと言に集約できます。それは,「現金や他の資産(株など)に劣後するから」。さらに分解すると,以下の論点があります。

  • 利息の有無
  • 使用期限の有無
  • 用途の広さ
  • サービスの継続性
  • 盗難・不正利用への保護

一般的なポイント(買い物等で入手でき,次回決済時に現金の代わりに充当できるもの),現金の比較表を作りました。

ポイント現金
利息の有無ないある:銀行預金として
使用期限の有無ある:「無期限」でも発行企業の存続に依存ほぼない:国への信用が続く限り
用途の広さ狭い:特定企業の特定サービスのみ広い:その通貨が使える国全体
サービスの継続性非安定的:「改悪」「中止」があり得る安定的:国への信用が続く限り
盗難・不正利用の保護ない:企業の独自判断によるややある:銀行預金は一定額保障。
現金そのものにはない

多くのポイントは上記のように分類できます。ポイントは現金に比べて劣る点がほとんどです。「ポイントは,特定の企業に無利息で自分のお金を預けているようなもの」と理解すればよいでしょう。

しかも,ポイントは失効したり,使用時の換金割合が改悪されたりする可能性があるので,「無利息で自分のお金を預けている」よりも条件が悪いことは明らかです。

ポイントを使って,浮いたお金で資産を買おう

ポイントは原則,早く使ったほうが有利です。ポイントを使うことで浮いたお金には使い道が広くあります。もちろん,浮いたお金を他の品物の購入に当ててもよいでしょう。使い道のうち一つが,株や投資信託などの資産を購入する方法です。

先ほどの表に,株と投資信託の欄を追加しました。

ポイント現金投資信託(広く分散投資)
利息の有無ないある:銀行預金としてある:配当としてある:分配金として
使用期限の有無ある:「無期限」でも発行企業の存続に依存ほぼない:国への信用が続く限りややある:発行企業の存続に依存ほぼない:市場が存続する限り
用途の広さ狭い:特定企業の特定サービスのみ広い:その通貨が使える国全体やや広い:市場で譲渡して現金化可能やや広い:解約して現金化可能
サービスの継続性非安定的:「改悪」「中止」があり得る安定的:国への信用が続く限りやや安定的:発行企業が存続する限りやや安定的:運用企業が存続する限り
盗難・不正利用の保護ない:企業の独自判断によるややある:銀行預金は一定額保障。
現金そのものにはない
ある:資産は保全されるある:資産は保全される

現金と株・投資信託はそれぞれ強み・弱みが分かれます。しかし,ポイントと株・投資信託では,利息の有無,現金同様に使うための条件などから,一般的には株・投資信託を持つほうが有利です。

「個別株が買えるほどポイントを入手できないよ!」というお叱りも聞こえてきそうですが,投資信託は100円から購入できる時代です。

楽天スーパーポイントは楽天証券で投資信託購入に直接充当できるサービスがありますが,その他のポイントでも品物の購入などに使えばその分お金は浮くので,その浮いた分をポイント投資に使うことができます。

*厳密にポイント利用分を資産購入に当てることを勧めているのではなく,概念的なお話です。

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貯め込むと還元率が上がる場合も,ほどほどに

以上から,ポイントは貯め込まずにできるだけ優先的に使っていくべきです。

そもそもポイントは企業への情報提供の対価や,ロイヤルティを高める囲い込みの手法であり,企業にメリットがあるから行われるものです。その代償であるポイントを使わなければ,消費者はただ「得した気分」になって終わりです。

ただし例外として,ポイント制度は1ポイント=1円のような定率還元だけではありません。ポイントを貯めれば貯めるほど還元率が上がるサービスもあります。例えば,500ポイントで500円分の商品券,900ポイントで1000円分の商品券が手に入るなどの仕組みです。

このような場合,消費者にとってもポイントを貯め込むメリットがあります。しかしながら,これは利息がつくだけで,現金や株・投資信託と比べて劣後するところが多いことには要注意です。

貯めれば貯めるほど還元率が上がる場合も,「ポイントは使って初めてその威力を発揮するもの」と理解した上で,1年に1回全て交換するなど現実的な範囲で使う視点を持つのがおすすめです。

皆さまのポイント活用がさらに成功しますように!

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