この記事で取り上げる「Kyash Visaカード(リアルカード)」について,発行元の株式会社Kyashから,新しい「Kyash Card」サービスが2020年初頭に開始されると発表されました。続報が入りましたら更新いたします。
普段使いするクレジットカードを選ぶ上で大切な要素の一つに,利用金額に対する還元率があります。クレジットカードにステータスやコンシェルジュサービス,充実した優待などではなく,ポイント還元率の高さを追求する節約人にとって注目を集めるカードが「Kyash Visaカード(リアルカード)」です。
2019年10月にポイント還元率が2%にから1%に改悪されてしまいましたが,それでもKyashポイント+紐付けたクレジットカードのポイントも付与される二重取りができるため,利用価値の高いカードです。
では,Kyashリアルカードの特徴の何を押さえておくべきで,どのような使い方ができるでしょうか。Kyashを使いこなす上で,これだけは知っておきたい特徴のまとめ記事です。
Kyashを私はこう使っている
Kyash利用を使う場面や,使用上の注意点を踏まえ,工夫などを紹介しています。
クレジットカードに紐づけてポイント高還元
Kyash Visaカードはクレジットカードと紐付けて使います。使い勝手の特徴を3点にまとめました。
- Kyash利用残高の1%が還元(正確には,1回利用金額100円あたり1ポイント付与)
- チャージ元のクレジットカードのポイントも獲得できる(ポイントの二重取り)
- 残高不足時は登録したクレジットカードから不足分だけオートチャージされる
Kyash Visaカードを使う最大の動機は還元率の高さと,ポイントの二重取りのメリットです。私は高還元クレジットカードで有名なリクルートカード(還元率1.2%)と組み合わせています。Kyashの1%還元と合わせて約2.2%のポイント還元です。
100円の商品を単にクレジットカードで購入したときに比べて,1%にポイント獲得の違いは下図のとおりです。
Kyash Visaカードはプリペイド式VISAカードというプリペイドカードの一種で,リアル店舗でもネットショッピングでも,ほぼクレジットカードと同じように使うことができます。他のプリペイドカードとは大きく異る特徴を持ち,事前のチャージは不要で,決済時は紐付けたクレジットカードから即時に不足金額をチャージする仕組みを備えた優れものです。
◆Kyashのポイント二重取りについて図解
おもにリアル店舗での決済やコード決済アプリと連携
私はおもに,スーパーでの決済やECサイトである楽天やAmazonなどで利用しています。KyashはPIN(暗証番号)が使えないタイプのカードなので,サインレスの店舗で使うのがストレスフリーで望ましいです(もちろん,サインすれば問題なく使えます)。これまではコンビニや飲食店でも使っていましたが,QRコード決済の浸透に伴って,ポイント還元のより優れたコード決済アプリを利用する頻度が増えました。
ところがKyashの利用頻度がそこまで落ちたわけではありません。一部のQRコード決済にはチャージ元にKyashを指定できるので,ポイント還元にはずみをつけるためにKyashは重要な役割を果たしています。Kyashを紐付けられる代表的なQRコード決済アプリは次の2つです。
- 楽天ペイ
- Origami Pay
楽天ペイはキャンペーンによっては,楽天カードを直接紐付けたほうが有利となりますが,そうでない場合はKyashを間にはさみ,「楽天ペイ」→「Kyash」→「楽天カード(または他のクレジットカード)」という形にするとポイントを三重取りできます。Origami Payについても同様です。
これまでPayPayにも紐付け可能でしたが,10月から,PayPayはYahoo!JAPANカード以外のあらゆるクレジットカードからのチャージを停止しました。PayPayもYahoo! JAPANカードもソフトバンク系列というのがその背景で,一つの経済圏を作ろうとしているように見えます。
◆ややこしいQRコード決済に関するまとめ記事も作りました。ぜひCheck!
Kyash Visaカード利用にあたっての注意点
クレジットカードと同じ感覚で使うことができますが,分類上はプリペイドカードです。一部の機能には制限があります。
特に覚えておくべき制限の例は次の通りです。
- 月額料金やガソリンスタンド,ホテル等では基本的には使えない
- 1決済,24時間,1か月あたりの利用可能金額が定められている
- 海外では利用できない
- 不正利用時の補償については不明点がある
1決済,24時間の利用限度額は5万円ですので,5万円以上の買い物には使えません。月額料金の支払いやガソリンスタンドやレンタカーでは使えない店舗もあり,海外利用はできません。そのため,クレジットカードと完全に置き換えることはできない点は要注意です。Kyash Visaカードをメインに使う場合も,別にクレジットカードを持ち歩く必要はあります。
不正利用については,補償についてはクレジットカードほど明確に方針が書かれていない点が不安です。補償の有無・程度については事例が見つけられず,確たる情報が少ない状況ですので,補償の有無・程度については噂話に振り回されすぎないようにしましょう。
私は以下の対策をしています。Kyash Visaカードは幸いにも24時間で5万円までしか使えないので,早期発見も有力な対策です。
- Kyashアプリをスマホにいれておく
- 利用通知をONにしておく
- 必ず財布に入れるなど,しまう場所を決めておく
Kyash Visaカードに限った対策ではありませんが,不正利用をなるべく未然に防げるような工夫も大切です。
◆利用条件・制約を理解し,リスクには対策したうえで使ってほしいと思います。
Kyash Visaカードを入手する方法
クレジットカードの申し込みと違って,ごく簡単です。ウェブ上ですぐに申し込みを完了できます。
さて,Kyash Visaカードを使いたいと思ったら,いよいよ申し込みです。
- 1分程度で申し込みを完了できる
- 本人確認は不要
- カードが届いたら,クレジットカードと連携させるだけ
◆申し込みはびっくりするほど短時間で終わりました。
Kyashのサービスの背景と仕組み
「高還元」が注目されがちですが,そのようなキャンペーンを長期に行う目的は個人間送金プラットフォームの獲得を目論んでいるためと考えられます。
ここまで,プリペイド式VISAカードとしてのKyashリアルカードの特徴をまとめてきました。Kyashは個人間送金サービスとしての普及をめざしています。
- 黎明期にある個人間送金サービスは各社,群雄割拠の状況
- Kyashは「前払式支払手段発行業」という法律に基づくサービス
- 現金出金ができない弱点を,Kyashはプリペイド式VISAカードの仕組みで乗り越えようとしている
しかし,QRコード決済アプリの普及もあいまって,Kyashにおける個人間送金のメリットはあまりなくなってきているのが実情ではないかと思います。Kyashのウェブサイトでも,2018年は個人間送金の利点を強調していたものの,現在はKyash Visaカードのサービスが前面に押し出されたデザインに変更されています。
収益源は,VISA加盟店からの手数料収入のようです。
◆Kyashの仕組みの特徴について他社のサービスと比較。
個人間送金:Kyashで割り勘を精算してみた
インデックス投資ブロガーの青井さんと,Kyashの個人間送金サービスを利用してみました。
お互いに本名を知らないような間柄の人にも,スムーズに送金できる便利なサービスです。割り勘や会費を集める場などでも使えそうです。
- 銀行振込等と違って,個人情報をお互いに伝える必要がない
- 請求,受取とも十数秒で操作を完了できる
- チャージした時にクレジットカードのポイントがたまる
◆画像付きで送金方法・請求方法をまとめました。
家計の賢い改善とキャッシュレスのスムーズな個人間送金に利用したい
Kyash Visaカードを日々の支払いに使ってポイントを入手したり,簡単に個人間送金できたりと,Kyashのサービスは高いポテンシャルを持っています。
Kyashは申し込みが簡単で,利用機会が多いため,コストパフォーマンスに優れた生活改善ツールだと私は考えています。まだインストールしていない方は,ぜひ,「Kyash」で「キャッシュレス」生活を充実させてみてはいかがでしょうか。
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