2018年12月から投信積立の方針を変更します

私の投資戦略
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座右の銘は「砂上の楼閣」,なまずんです。

インデックス投資を始めてちょうど1年となる2018年12月から,積立投資の方針を変更します。生活コスト上昇と資産管理の観点から,積立投資額を減らす予定です。

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変更前後のアセットアロケーション

積立額を3割減らします

積立金額は現状から3割減らします。変更後の年間の積立金額は手取りの20~25%となります(変更前は手取りの30~35%程度)。

積立投資先は株式中心にします

変更前後のアセットアロケーションです。

変更前(%)変更後(%)増減(ポイント)
日本株式2015-5
先進国株式4560+15
新興国株式15150
日本リート510+5
先進国リート100-10
新興国リート50-5

変更により,投資先の国はほぼ変えず,REITを株式に変えたようなアセットアロケーションになりました。
以前よりシンプルに,4指数への投資に変更します。変更まで少し時間があるので,具体的な商品選択は11月中に検討します。

現在は以下の積立です。
日本株式(TOPIX):三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
先進国株式(MSCI-kokusai):eMAXIS Slim先進国株式,たわらノーロード先進国株式
新興国株式(FTSE-emerging):VWO
日本リート(東証REIT):ニッセイJリートインデックスファンド

設定時点では低コストのeMAXIS Slimを入れられなかったので,今後は積立商品の切り替えを検討してもいいですね。iDeCoは楽天証券なので,過日新たに選択できるようになった楽天VTも有力です。

このアセットアロケーションにした理由

変更の背景4つ

積立投資を始めて1年,今回の変更には4つ理由があります。

  • 引越
    ⇒引越関連の一時的な出費。貯金から支出するので,その補填が必要です。
  • 家賃の上昇
    ⇒生活コストの上昇。年間で手取り8~10%程度の負担増で,その分,生活防衛資金も増やす必要があります。
  • 楽天カードクレジット決済の利用や,より低コストな商品の登場など投資環境の変化
    ⇒再設定が必要です。
  • インデックス投資以外の投資法に関心がある
    ⇒手元資金の確保。貯金の充実と並行して余裕資金を作ります。

現在,貯金は生活防衛資金として生活費約13か月分を保持していますが,引越に伴う出費と,生活コスト(家賃)上昇に伴う固定費の増加を考慮すべき状況です。

親族所有の部屋を激安で拝借して住んでいる現在の住居(2LDKを2.5万円!)から出ていくことが確定し,引越家賃の上昇は避けられません。

生活コストの上昇分は手取り年収の8~10%程度と見込んでいます。今回の変更で,同額以上を積立投資資金の削減で捻出します。今までの水準で貯金を上積みできているので,貯金のペースはこれまで以上に保てるはずです。

以前より貯金に余裕ができる見込みですので,

  • 積立投資のノーセルリバランス
  • インデックス投資以外への投資
  • 手元の余裕資金の拡充

など,毎月の積立投資以外に有効活用したいと思います。

株式は先進国株式の割合を多めに

変更前からREITを入れているのは,『ウォール街のランダム・ウォーカー』で,20代に10%程度,不動産への投資を勧めていたからです(現物,またはREITという記述でした。原著第11版,p.450~)。そのため,それほど考えもせず入れていました。

同書では債券の組み入れ(15%程度)も勧めていたのですが,現在の超低金利では積極的に組み入れるのが難しい状況です。債券は一般的に金利上昇局面では価格が下がりますので,超低金利の今はポートフォリオへの組み込みを躊躇してしまいます。今は債券購入よりも,キャッシュポジションの多寡でリスク調整すべきとの考えもあります。

日本REITと他の資産との相関に目を向ければ,日本株式とは相関が比較的高いとされていますが,海外株式(先進国株式や新興国株式)との過去10年の相関はそれほど高くないようです(相関係数0.34程度)。私のアセットアロケーションは海外株式が多くを占めるため,日本REITの組み込みは分散効果がある程度期待できそうです。

リターンの源泉に海外売上が大きく影響する日本株式と違って,日本REITはリターンの源泉に日本国内での収益が多くを占めるためでしょうか(あくまで勝手な憶測)。

一方,海外REITは海外株式との相関が高いだけでなく,リスク(リターンのぶれ)が大きいため,分散効果であれば日本REITのほうが優秀でしょう。

そこで,海外REIT⇒先進国株式,日本株式の一部⇒日本REITへ投資先を変更し,当面は4資産で積立を継続したいと思います。

REITは株式や債券に比べて(特に日本は)歴史の浅い資産です。私は不動産に関心があるという気持ちも判断に影響したことでしょう。

新アセットアロケーションのリスクについて

程度の差はあっても,自分がいかなるリスクをどのくらい負っているのかが分からなければ,合理的な投資戦略とは言えない
『ファイナンス理論全史』(田渕直也),p.94

投資は何より,継続が重要です。そのためにリスク管理は大切な視点になります。
リスクについては長期投資の成果のブレ(期待リターンからの乖離)と,最大損失額の2つから検討しました。

長期投資の成果のブレ(期待リターンからの乖離)

現代ファイナンス理論における代表的理論,現代ポートフォリオ理論によれば,長期投資の成果のブレは期待リターン(年率平均リターン)とリスク(標準偏差)から推定できます。

私が新たに組成したポートフォリオは,年率期待リターン7.06%,リスク17.86%。計算のもととなった各資産の数値(期待リターン,リスク,相関係数)はJPモルガン・アセット・マネジメントによる長期予測(日本株式,先進国株式,新興国株式)とモーニングスターの過去の分析(日本リート)から借用しました。

ファンドの海さんのアセットアロケーション分析ツールを用いて,同じ金額を35年間積み立てた場合のリターン予測は以下の通り。

  • 最頻値(最も実現しやすいパターン):総投資額の1.81倍(幾何平均の年率リターン約3.0%)
  • 中央値(パターンのちょうど真ん中となる数値):総投資額の3.14倍(幾何平均の年率リターン約5.5%)
  • 平均値(数学的なあらゆるパターンの平均):総投資額の4.12倍(幾何平均の年率リターン7.06%)
    ⇒平均値に到達する確率は約35.6%
  • 元本割れの確率:約6.1%

長期投資のリターン予測は最頻値<中央値<平均値(期待値)という並びになります(最頻値で幾何平均を出した場合の年率リターンの計算が手元と合わない……,数字は違っているかもしれません)。

あらゆるパターンを考えたとき,最も起こりやすい確率である最頻値は毎年,前年比103%の運用を行った場合の1.81倍。また,あらゆるパターンのちょうど真ん中となる中央値は前年比105.5%の運用を行い続けた場合に3.14倍となります。

個人的には最頻値~中央値を達成できればうれしいです。平均値までたどり着いたら万々歳ですね(数学的には異常に儲ける場合も含まれるため,平均値を叩き出せば運用成績はかなり高いことに!)。

また,心理的には元本は参照点の一つです。心理として,元本割れは防ぎたいもの。計算上は元本割れの確率は低確率で,この点は安心です。

最大損失額

前項のリスク計算手法はあくまでも概算で,リスク・リターンを正規分布と仮定するなど,さまざまな仮定の上に成り立つ不確定要素の大きな推定です。
大きく上振れする場合だけでなく,計算が全くの目論見違いで下振れする可能性も十分にあります

そこで,資産評価額が下振れした場合にどこまでリスクを許容できるかを量的に計算する必要があります。

現時点を考えると,家計収支は黒字です。巨大な支出の予定もなく,短中期的に5~7割の下落が到来しても退場せずに生活と積立投資を継続できる状況です。

幸い,不景気に強い企業に勤め,薬剤師免許を持っているため景気悪化時に失職・再就職できないリスクも比較的軽いです。万が一の際も,体制を整えるのに十分な生活防衛資金(1年以上)があります。

長期的には資産形成期を終えた退職時・退職後に資産価値が下がり続けた場合が危機となります。しかし,現在の資産規模が下振れしても老後に与える影響は小さいため,現在の投資水準は当面維持で問題ありません。

現時点の物価水準であれば,最終的に3~4割程度元本割れが起きても生活は全く困らない水準の投資額ですので,下振れのリスクは管理できていると言えます。

インデックス投資を始めて約1年でわかったこと

この1年だけとはいえ,投資額が増えてくると日々の値動きは激しくなってきます。20代の現在はまだ資産が小規模で,多少の値動きが今後の生活に影響することはまずありませんが,果たして資産規模が増えている(だろう)数十年後でも平然としていられるでしょうか

昨年の今ごろは仮想通貨を買って,たった1日で保有資産が月給分ほど動く経験をしましたので,多少慣れてはいますけれども,なかなか平然としているのは難しいです。

最近はリスク管理についても勉強しつつありますが,結局,投資で究極的に重要なことはリスク管理,それも死ぬまでの資金を確保することです(これは別記事で徐々にまとめたいと思います)。

あらゆるリスク管理法は仮定を何重にも重ねた上に成り立っており,万能ではありません。ただ,現実とは違うモデルであっても,ツールとして使う上では有用です。

資産規模を大きくするにつれて,リスク管理の考え方や方法を知ることは重要だと考えています。まだまだ学びの最中です。時々振り返りながら,試行錯誤しながら取り組みたいと思います。

投資信託の再投資戦略以外にもできることがあるかも

今回の見直しにより,給与収入から積立投資にあてる金額は3割減となりました。一時的には引越に伴う支出と生活防衛資金の積み増しが必要ですが,しばらくすれば手元資金に余裕ができるでしょう。

長期投資は期待リターンとしては高いですが,運用状況によって将来の資産規模のぶれが大きい投資法です。余剰資金ではより安定感のあるインカムゲインを生む資産(リターンは下がるものの,リスクも下がるのではないでしょうか)の購入なども検討したいと思います。

◆関連記事です。各アセットアロケーションで,どの商品に積み立てているかを一覧にしました。

2018年12月から積み立てる投資信託
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